アーリントンカップ 2020【反省】
注文通りハナに立てた①ノルカソルカだったが、すぐさま後続にピッタリ付かれて2F目10秒8の後、3F目が10秒9と緩めることが出来ず、コーナーでも11秒6-11秒9で、1000m通過はレース史上最も速い57秒6。後方有利ではあるが、勝ち馬も最後に脚が鈍っていることから、ほぼ全馬バテながらの競馬。消耗戦によるタフな精神力が求められた。
朝の時点では重馬場発表だった馬場は晴れて乾いてきたものの稍重までの回復だったが、標準レベルに近いぐらいには回復していたように思う。
1着⑥タイセイビジョン
ここはあくまでNHKマイルカップへのステップレースとあって、馬込みでの折り合いを課題に無理せず後方から運んだが、これが功を奏した。
速いペースで流れた中、抜群の手応えで勝負処で前との差を詰めると、直線では最内を突いてラチ沿いをメンバー最速の上がりで2馬身突き抜けた。
勝因は結果を出す必要がない気楽な立場と、乾いていく段階の内が伸びる馬場を読めていた石橋脩騎手の好判断。2週連続重賞勝利中の乗れている騎手と、無難に外を回した2年目の岩田望騎手。
朝日杯フューチュリティステークス2着馬で実績では頭一つ抜けた存在ではあったが、騎手の差が明暗を分けた格好となった。
道悪への疑念から本命としなかったが、今回は馬場のいいところを選んで走っており、相手にも恵まれたことから、道悪適性については保留としたい。
2着⑩ギルデッドミラー
1Fの距離延長で折り合いが課題となっていたが、ペースが流れたこともあって④トリプルエースの外で折り合いは取れた。楽な手応えで勝負処を上がって行ったが、直線で勝ち馬にインを強襲されての完敗。
前々走のこぶし賞では時計の掛かるタフな馬場での瞬発力戦でサトノインプレッサの2着、前走は軽い馬場での1400mを1分20秒6の好時計で快勝して、今回はハイラップの消耗戦で2着。
異なる条件で好走を続けており、勝ち切れてはいないが根性がありそうで、奥が深い馬なのかも知れない。
3着⑨プリンスリターン
逃げ馬をマークする番手からの競馬となったが、外から⑪ロードベイリーフに付かれたことで焦りもあったか、ペースが読めずにバテた逃げ馬が下がったことで早め先頭に立つ形に。それでもこのラップの中を先行して3着に残ったのだから強い競馬はしている。
前走のシンザン記念では瞬発力戦を2着に好走しているが、父ストロングリターンだけに今回ほど厳しくなくても、ある程度は流れてくれた方がいいタイプなのかも知れない。
4着⑦ボンオムトゥック
ペースが厳しかったことを考えれば、中団の位置取りは決して悪くはなかった。勝ち馬はともかく、前にいた2頭を捕らえられ切れなかったことは力不足。
当初の見立て通り、前半ゆったり流れる瞬発力戦の方が合っていそう。
5着④トリプルエース
これまでマイル戦は3戦して1分34秒4、1分34秒9、今回が1分35秒0。時計に限界があることは判ったが、今回は厳しいラップを先行したとはいえ、渋った馬場でこの結果だと距離にも限界がありそう。
6着⑤ジュンライトボルト
苦手とする道悪馬場を気にしたことに加えて、鞍上の藤井騎手はペースが読めず道中追い通し。勝負処で置かれながらも直線は盛り返してよく粘っているようにも思う。前走のフローラルウォーク賞は綺麗な馬場での一貫ラップだったから厳しいラップも他馬ほどは苦にしなかったのかも知れない。
8着③チュウワノキセキ
スタートが良かったことから逃げ馬の直後で先行する競馬。勝負処で④トリプルエースに前に行かれて直線では勝ち馬に入られ、窮屈な競馬になってしまった。浜中騎手は「重い馬場の影響もあった」ことをコメントしているが、これまで連対した2戦はいずれも前半がゆったり流れたレースで自身の上がりも33秒台。前半から流れるタフなペースの影響も大きかったはず。
9着⑫グランレイ
大外枠で外々を回ったにしても伸びなかった。もともと前傾ラップでパフォーマンスを上げていただけに前にいた馬すら捕まえられなかったことには不満が残る内容で、ここまで厳しいラップだと追走で消耗してしまうのだろうか。好走条件の幅は狭いのかも。
きさらぎ賞から3戦目、疲れにしては早すぎる。
11着②デュードヴァン
渋った馬場でこの内容なら、下級条件ならともかく、騎乗した三浦騎手もコメントしている通りダートの方がいい。
12着①ノルカソルカ
これまで連対した3戦の馬場状態が「重・稍重・稍重」とあって、未勝利戦卒業直後ながら6番人気の支持を集めたが、オーバーペースがたたって4角前にヘバってシンガリ負け。幸騎手は「終わってすぐに息が入っていましたし、物見をするところもあった」とのこと。力負けではないかも知れない。
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