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マイラーズカップ 2020【反省】

マイラーズカップ 結果

1分33秒を切るか切らないかぐらいの決着を想定していただけに、スローペースでもこの時計になる馬場状態を読み切れなかったことは痛恨。
スローペースは予想通りでも、ここまで落ち着くとは思っておらず、隊列も想定よりも長かった。

1着①インディチャンプ

離れた3〜4番手で折り合い重視。直線でも持ったままでラスト1Fあたりで軽く仕掛けられると2馬身差をつけて文字通り快勝した。
今回の鮮やかな勝利を評価する上で難しいのが、メンバーが弱すぎたことで、この馬にとっては調教レベルのレース内容。安田記念への出走すら難しそうな面々であることを考えると、ここはやはり試運転だったと思いたいが実際はどうか。

香港遠征中止により「入厩をずらしてバタバタした調整にならざるを得なかった」と音無師は語っており、最終追い切りも全体時計こそ50秒8と速かったが、終いはバタバタで併せたダンビュライトに遅れて入線する猛稽古。前日にも時計を出したようで、決して順調な調整とは言えなかったことは間違いない。

福永騎手は「絶好の仕上がり」と評していたが、それは陣営の懸命な努力が実った成果といえる。
しかし、腑に落ちないのはそれをここでする必要があったかどうかで、本番は連覇のかかる安田記念で、約1か月半、厩舎の調整力が問われることになる。
昨年はアーモンドアイが尋常ではない不利をスタート後に被った中での勝利だったが、春秋マイル王として迎え撃つ今年は自身との戦いになりそう。

2着⑤ベステンダンク

近年のレース選択からスピード面を危惧していたが、それは陣営がレース選択を誤り続けていただけで、約1年半ぶりとなるマイル戦で重賞勝ち馬らを相手に大健闘ともいえる連対を確保した。
スローペースによる位置取りの差は多分にあったが、それも1分32秒台で走り切れるスピードがあってこそ。
約2年前の米子ステークスを1分31秒9で逃げ勝ったスピードを加齢と以降のレース選択から衰えたと判断したことが大きな誤りだった。

3着⑦ヴァンドギャルド

出遅れてほぼ最後方からとなったが、腹を括って終い勝負に賭ける競馬。メンバー最速となった上がりは自己最速を1秒近く更新する32秒7。
勝ち馬を除けばGⅡレベルとは言い難いメンバーではあったが、2着馬とは位置取りの差で重賞級の実力があることをしっかりと示した。
ただ、前走に続いて出遅れたことは大きな課題で、そのロスを跳ね返して勝てる程の実力にはまだ至っていないことから、今後もスタートのロスを踏まえた上で取捨選択を考えたい

4着⑥ロードクエスト

昨夏の関屋記念でもメンバー最速の上がり31秒9で、6着ながら勝ち馬と0秒3差の1分32秒4。当時と同じようにゆったり流れて脚を溜められたことで、8番人気ながら健闘といえる走りを見せた。
ただ、これだけお膳立てされながらこのメンバーで結果を残せなかったとなると、今後は厳しい。

5着⑩ヴァルディゼール

昨年のNHKマイルカップ以来となる高速馬場での一戦となったが、やはり追走に苦労する場面。
上がり時計は自己ベストを0秒6更新する初の33秒台を計時したが、現状では時計を求められない重めの芝の方が力を発揮しやすいだろう。
レース後に北村友騎手が「直線で左前の蹄鉄が飛んだ」と話していたが、パトロールを見ても確認は出来なかったし、それ以前の問題だったと思う。

6着⑫レッドヴェイロン

逃げの一手も示唆していたが、この馬場では行き脚もつかずに後方から。想定よりも軽い芝は本馬にとっては向いた馬場ではなかったが、メンバー5位となる上がり33秒2は自己最速タイで、この馬なりにベストは尽くしての結果だろう。

前走のルメール騎手に続き、浜中騎手も馬場を気にしていたことを敗因に挙げて「もっと柔らかい馬場がいい」とコメント。正直、前走時はいい加減な言い訳ぐらいに思っていたが、どうやら本当のよう。
だが、前走の東京もそうだが、このぐらいで硬いと言っていては今後はかなり厳しくなる。どうやらキッカケは前々走のキャピタルステークスの不良馬場のようで、詰まるところ精神面が要因なのだろう。しばらくは軽視し続けるスタンスが正解かも知れない。

7着②ランスオブプラーナ

勝負処まではマイペースで運べたし、馬場も含めて理想的な競馬で運べたが、この距離では後半の対応が難しかった。1800mであればもう少し粘れたはず。

8着④ブラックムーン

向正面で⑥ロードクエストと進路を取り合う場面があったものの許容範囲内。後方から直線に賭けるいつもの競馬だったが、この馬には上がりが速すぎた。

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10着⑧カルヴァリオ

離れた3番手から。1600mであればスピードで誤魔化せる高速馬場であることが条件で、昨秋の京成杯オータムハンデで勝ち馬から0秒7差の1分31秒0で走っていただけに高速馬場はありがたかった。
ただ、前傾ラップを得意にしている本馬にとっては、後半勝負のレースへの対応は難しく、勝負処から徐々に下がって大敗を喫した。

11着③タイムトリップ

勝ち馬の後ろから。時計の掛かる1400mがベストと思われる馬で、好走が3歳時のジュニアカップ3着に限られる【0.0.1.6】の1600mよりは1200m寄りの馬。
大敗も仕方ないだろう。

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