見出し画像

ダイヤモンドステークス 2021【予想】

ダイヤモンドステークス 過去

このレースのためだけにある東京3400mが舞台。日本で一番大きな東京競馬場を一周半もするだけに長い最後の直線まで走り切れるスタミナが重要。

実際に過去5年の上がり最速馬は【3.2.0.0】と連対を外しておらず、メンバー中6位以下の上がりしか使えなかった馬は【0.0.0.44】と好走できていない。

この舞台で上位の末脚を叩き出せる馬を考えたい。


①ナムラドノヴァン(◎)

3勝クラスに昇級後、屈腱炎による長期離脱。1年5か月ぶりの復帰戦から6戦して掲示板入りさえ1度もなかったが、格上挑戦となった前走の万葉ステークスは外を回る展開ながら3分3秒9の好時計で勝利。

51kgの軽量もあったかとは思うが、前々走は勝ち馬ポタジェに次ぐメンバー2位、前走のグレイトフルステークスも最速タイの上がりで追い込んでおり、今回の最速上がりでの差し切り勝ちは、復調と共に距離が延びたことで決め手が活きるようになったと見て良さそうで、フロックではないと判断。

内田博騎手へ乗り替わる今回は重賞初挑戦になるが、3着内に好走した7戦すべてが左回りで、折り合いに問題のない長距離なら東京3400mの舞台に不安はなく、53kgのハンデならもう一丁があってもいい。

②ダノンテイオー(⋯)

未勝利を卒業後、【0.1.0.8】と1勝クラスをなかなか勝ち上がれなかったが、ダートに転向してから5戦3勝でトントン拍子でオープン入り。

オープン入り後はラジオ日本賞13着→太秦ステークス12着→ベテルギウスステークス11着と3戦続けて1秒6差以上の大敗を喫して、今回は2019年9月末以来となる約1年5か月ぶりの芝でのレース。
当時とは馬が違うかも知れないが厳しいと見る。

③オーソリティ(⋯)

前走の有馬記念は好スタートを決め手2番手から積極的に運んだが、勝負処から手応えが怪しくなり14着。2500mの距離自体は骨折による休養から約半年ぶりのレースだった前走のアルゼンチン共和国杯を快勝していたが、当時は得意としている速い上がりが求められる軽い馬場により対応できたと見ており、タフなレースではさすがに厳しかった。

青葉賞とアルゼンチン共和国杯、GⅡ2勝を挙げている東京で巻き返しを図る今回のレースだが、レース上がりが35秒を切るレースでは4戦4勝としながら、35秒を超えるレースは新馬戦を除いて⑤③⑭着と結果が出ていないだけにレース展開が一つのカギ。

また、3400mの距離についてもアルゼンチン共和国杯の一週前追い切りで制御不能に陥ったことから当時跨ったルメール騎手が距離不安を指摘していただけに、スローペースの直線勝負になったとしても折り合いに不安が残る。1番人気のここは思い切って消す。

④ヒュミドール(△)

デビュー2戦目からダート中距離を使われていたが【2.0.0.9】とパッとしない戦績を重ねる中、折り合いに不安がないことから福島の芝2600m戦を使われたところ、あっさりと快勝。
GⅡアルゼンチン共和国杯への格上挑戦を除外になったことで1800mのノベンバーステークスに出走することになったが、メンバー最速の上がり33秒4で馬の間を割って突き抜けた。

その前々走が好内容であっただけに長距離適性に疑念もあった前走のステイヤーズステークスはメンバー中2位となる上がりを使って0秒6差の5着に健闘。スローペースで前半ややハミを噛む場面があった中での健闘でスタミナも兼備していることを示してみせた。

今回は2度目となる長距離戦だけに折り合いも前走よりはスムーズになりそうでハンデも55kg。
吉田豊騎手で3番人気だと手を出しづらいところもあるが、好走する可能性は十分あると見る。

⑤サトノガーネット(⋯)

オープン入り後に好走したレースは2000mの中日新聞杯勝ちと、小倉記念の2着。
昨春にはマイルへの挑戦もあったぐらいで、3400mへの距離延長がプラスに動くかは怪しい。

⑥ブラックマジック(⋯)

ノーザンファーム生産のディープインパクト産駒で、昨秋の復帰後から2着→1着→3着→1着ですんなりオープン入りを果たした。
満を持しての重賞初挑戦になるが、オープン入りを決めた前走の迎春ステークスは1000m通過65秒6のスローペースに折り合いを欠いて途中からハナに立つ形。

同様のスローペースが続くことが想定されるこの東京3400mでは折り合いに不安。4番人気と上位に支持されているが、ここは思い切って消す。

⑦ミスマンマミーア(⋯)

昨春のオープン入り後は5戦して3着内の好走がなかったが、前走の日経新春杯では最後方から最速上がりで2着に好走。52kgのハンデと時計が出る割にタフで特殊な中京の馬場がハマった感もあるが、昨冬の松籟ステークスでは後にGⅡ阪神大賞典で2着に好走するトーセンカンビーナから0秒3差の4着に迫っており、まったくのフロックではなさそう。

今回は3400mへの距離延長となるが、後方からの展開待ちであることからハマる可能性は否定できない。
芝での道悪は【2.1.0.4】としているだけに馬場が渋れば押さえることも考えたが、今回は様子見とする。

⑧ジャコマル(⋯)

オープン入りを決めた前々走のグレイトフルステークスはインの先行馬が有利な馬場に54kgの斤量が味方した印象もあったが、前走のアメリカジョッキークラブカップは3番手から運んで0秒7差の7着。

【2.5.2.16】の良馬場に対して、【3.1.1.4】と良績を残している重馬場の後押しもあったかも知れないが、ステイフーリッシュやモズベッロとは0秒3差だった点は評価しておきたい。
ただ、今回は良馬場でのレースで左回りも【0.0.0.7】としているだけに厳しいレースになりそう。

⑨メイショウテンゲン(△)

世代屈指のステイヤーで、メンバー2位の上がりで追い込んだ昨年のステイヤーズステークス4着を皮切りに、最速上がりを記録したダイヤモンドステークスでの2着、阪神大賞典3着といずれも中盤の緩みが小さいスタミナが要求されるバテ差し戦で連続好走。

春の天皇賞は中盤でやや緩んだこともあって向正面から動いてスタミナを活かそうとしたが、坂の下りから11秒台が3F並ぶラップに苦しみ1秒差の8着。
2200mへの距離短縮が懸念された宝塚記念は追走こそ苦労してほぼ最後方から運ぶ展開となったが、直前の豪雨による馬場悪化に、向正面から息の入らないラップになったことが奏功して5着に健闘。

レース上がりが36秒を超えるタフなレースでこそ力を発揮する馬だけに、始動戦となった前走のアルゼンチン共和国杯のレース上がり34秒9では本馬にとっては速すぎで、マイナス12kgの馬体減も少なくない影響があったように思える。

距離延長で巻き返しを図った前走のステイヤーズステークスはハミを取らずに反応しないまま14着。気持ちの面で心配されるが、最速上がりで2着に好走した昨年の結果を考えれば横山典騎手に乗り替わる今回、10番人気まで評価が落ちているだけに高配当を呼び込む一頭として期待したい。

⑩グロンディオーズ(⋯)

3歳でデビューしてから4戦3勝で挑んだGⅠ菊花賞で13着に敗れた後、屈腱炎を発症。
1年半を超える長期休養からの復帰初戦こそ不良馬場も重なって15着に大敗したが、続く日本海ステークスで2着に好走すると、前々走の六社ステークスを最速上がりで完勝してオープン入りを決めた。

ルメール騎手を配して重賞獲りに挑んだ前走の中日新聞杯は上がり33秒9の末脚で追い込んだものの、5着どまり。半兄にムスカテールがいる血統で、これまで長い距離を使われてきた実績からも2000m戦はやや忙しい印象もあっただけに健闘の部類。

半兄ムスカテールは目黒記念のレコード勝ちが5歳での重賞初制覇だったように晩成の血統。三浦騎手への乗り替わりにはなるが、ここでの一発があるかも。

⑪ボスジラ(⋯)

重賞初挑戦となった昨春の阪神大賞典は壁に跳ね返された格好の8着だったが、キセキの暴走で先行馬に苦しい展開になった中での4〜5番手の競馬で、勝ったユーキャンスマイルとの着差は0秒6差、暴走したキセキとはクビ差で健闘したといってもいい内容。

続くGⅡ目黒記念は前半からペースが流れる高速馬場と不向きな条件ながらメンバー2位タイの上がりで0秒7差まで詰めており、展開だったりメンバーに恵まれれば重賞でも好走できそうな印象も受けた。

札幌日経オープンは③ポンデザールにこそ4馬身ちぎられたが、メンバー2位タイとなる上がりの脚で②着は確保しており、続く丹頂ステークスでは最速上がりでほぼ4角先頭の形から押し切った。

2500m以上の距離では【3.1.0.3】としているだけに長距離戦での前進が期待されるが、その3度の着外はいずれもGⅡ戦。重賞ではパンチ不足の印象が強く、今回は様子見とする。

⑫ワセダインブルー(⋯)

全4勝中3勝が右回りの小回り。オープン入りを決めた昨夏の3勝クラス、オホーツクステークスはラスト5Fの持続力戦を最速上がりで差し切り勝ち。

重賞初挑戦となった前々走の福島記念は0秒5差の6着に健闘してみせたが、得意とする直線平坦のローカルコースで54kgと条件として申し分なかったことを考えると少々物足りなくも映った。
前走の日経新春杯は直線に急坂も構える中京コースとあって0秒8差の8着と数字を落としており、重賞レベルではまだパンチ不足の印象が強い。

未勝利戦卒業以降では直線に急坂のないローカルコースに限ると【3.1.1.2】、それ以外では【0.1.0.6】としており、1800m以下のレースを使われたことすらないスタミナに寄ったタイプではあるが、大箱の東京コースを一周半も回るスタミナレースとなれば話も違いそうで前進が見られるかは怪しいように思う。

⑬ポンデザール(☆)

一昨年には未勝利戦から4連勝で一気にオープン入りを決めたハーツクライ産駒で、半兄は宝塚記念や香港ヴァーズを勝ったサトノクラウン。

北海道の芝では【4.0.0.2】とこれまで掲示板を外しておらず、昨夏の札幌日経オープンを4馬身差をつけたレコードで圧勝すると、一気の相手強化となった札幌記念でもGⅠ馬3頭に次ぐ0秒6差の4着。

北海道以外では500万下条件を勝利した新潟を除けば【0.0.0.5】としているだけに、単なる洋芝巧者にも映ったが、これまで前半スローペース→後半スパートの2600m戦で好走を重ねていただけに、前半からある程度流れたGⅡ戦での健闘はハーツクライ産駒の覚醒をも思わせるところもあり、前走のステイヤーズステークスでは牡馬を相手に0秒3差の3着に好走。

引き続き長距離戦となる今回だが、サンデーレーシング所属の6歳牝馬ならそろそろ引退も近く、ルメール騎手が引き続き騎乗してくる点も勝負気配を感じる。
牝馬の3000mを超えるレースでの成績は2011年以降の過去10年では【0.1.2.22】と1勝も挙げられておらず、2着にしてもGⅠジャパンカップでも2着したデニムアンドルビーだったように、今回も勝ち切るまではないと見る。

⑭タイセイトレイル(⋯)

2018年のGⅡアルゼンチン共和国杯2着の好走やキセキの暴走で出入りが激しく先行勢に厳しい展開ながら0秒5差の6着に踏ん張った昨春のGⅡ阪神大賞典から重賞タイトルに手が届いてもおかしくない実力は持っているが、年齢によるズブさが出てきた上にハミを取らなかったり、耳を絞って前の馬を抜かさないところがあったりと気難しさを見せている様子。

ただ、2500mを超える距離では【2.2.4.5】と掲示板を外したレースは僅か2回と意外に長距離戦への適性は示しており、前々走のステイヤーズステークスが0秒5差の4着で前走の万葉ステークスが0秒2差2着。

9番人気の伏兵で激走を期待したい思いもあるが、気難しい面もあるだけに全くのテン乗りになる北村宏騎手への乗り替わりは厳しいと見る。

⑮パフォーマプロミス(△)

昨春の天皇賞でも1〜2着馬にこそ大きく離されたが、それでも3着に健闘しており実績は断然。
骨片除去手術後、その天皇賞以来となる約1年ぶりの実戦となった昨夏の鳴尾記念は約3年と4か月ぶりとなる2000m以下の距離ながら、最内枠を完璧に活かせたとはいえ鮮やかな復活劇を見せた。

続けてGⅠ宝塚記念に挑むと思われたが、休養を選択して迎えた秋初戦は京都大賞典。着順こそ6着でも勝ったグローリーヴェイズとは0秒5差と僅か。
続くジャパンカップは11着の大敗を喫して明け9歳馬となったが、休養も多くまだキャリアは21戦で、オープン入り後の成績はGⅠを除けば【3.0.1.2】。GⅢレベルならまだ十分に戦えるはず。

バリバリのステイヤーというよりは2400m前後がベストの中距離馬といった印象でも、戦ってきた相手も違うし、中9週以上は【4.1.2.2】としていることから能力で好走してしまう可能性はありそう。
8番人気の伏兵評価だけに激走を期待したい。

⑯アイスバブル(⋯)

2年連続で目黒記念を2着に好走しているものの、これまで9度の重賞挑戦で好走はこの2回のみ。
好走した目黒記念に共通する点はいずれの年も前半から流れるペースと高速馬場。
同じ東京2500mが舞台でありながら瞬発力戦となった前走のアルゼンチン共和国杯でも11着に敗れている。

昨夏の新潟記念は距離が短かった上にスローペースの瞬発力戦で16着、前々走の京都大賞典にしても坂の下りからの持続力戦ではあったが、前半のスローペースから12.8 - 12.2 - 11.6 - 11.6 - 11.8 の加速について行けず置かれたことが響いて8着。

現状では高速馬場で緩急なく流れるレースがピンポイントでマッチする状況で、緩急を伴うことが多いマラソンレースでの好走は想像しづらい。

【結論】
本命 ①ナムラドノヴァン

ワイドBOX ①④⑨⑬⑮

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?