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京王杯2歳ステークス 2020【予想】

京王杯2歳ステークス 過去

過去の好走馬からタワーオブロンドンやレーヌミノルなどのGⅠ馬が誕生しており、クラシックというよりは将来の短距離路線を展望される馬が中心。
ラップ傾向こそ後傾ラップがほとんども、Bコース替わりで速い時計が出ることもあってスピードも重要。複勝率ベースでは差がないが、前走で1200mを使っていた馬の好走が目立つ。

また、先週のアルテミスステークスや西のファンタジーステークスなどはキャリア1~2戦馬が素質で重賞出走馬を負かすことも珍しくないレースだが、本レースは新馬・未勝利組【1.1.1.17】複勝率15.0%と比較して前走重賞レース、特に1200m重賞組が好成績。

馬場は先週同様にある程度は速い馬場、1分22秒前後あたりを想定しておく。

①ロンギングバース(⋯)

3戦目での勝ち上がりで勝ち時計の1分10秒2は稍重を考えても特筆すべき数字でもないが、4着ヒロインカラーズと11着ルミナスラインの2頭が勝ち上がり。
2戦目では後にサウジアラビアロイヤルカップで3着に好走するセイウンダイモスの②着。

1400mに距離を延ばした前走の1勝クラスは⑪リフレイムにこそ5馬身もの差をつけられたが2着は確保。
当時はここを見据えた仕上げで上積みを陣営は強調するが、上がり3Fはメンバー5位と内枠を活かした立ち回りの良さで残れた印象。
再度、内枠を引いて立ち回りの巧さを活かしたいところだろうが、瞬発力勝負では分が悪く映る。

②リメス(⋯)

負かしたうちの3頭が勝ち上がっていることは評価したいデビュー戦だが、馬場や展開の恩恵で逃げ切れた感が強く、勝ち時計の1分10秒2も馬場を考えれば特筆すべき数字でもない。
続く函館2歳ステークスはスタートが今ひとつで後方12番手から上がり5位と伸び負けた格好、勝った④リンゴアメから0秒6差の⑥着。

前走のすずらん賞は先手を奪ってハナ+ハナ差の③着に好走も、前後半3F 34.0 - 36.1の消耗戦ではあったが上がりタイムは16頭中9位と馬場と位置取りの差で粘れたようにも映った。
東京1400mへの舞台替わりがプラスに働くようには正直思えないが、過去5年で前走ハナを切っていた馬は【0.2.1.2】と人気薄の逃げ粘りは期待したいが、点数の関係から外すことにした。

③マツリダスティール(⋯)

岩手競馬からの参戦。盛岡で【4.1.0.0】と底を見せておらず、芝に限れば4戦4勝。ただ、1600mを使った3戦の勝ち時計はいずれも1分40秒台で中央の1400m重賞ではスピード不足だろう。

④リンゴアメ(△)

函館開幕週初日の芝1000mでデビュー、前後半3Fが 35秒2 - 33秒8のスローペースを番手からの競馬で勝ち上がると、続く函館2歳ステークスは一転して連続開催最終週の馬場に、前後半3F 33秒5 - 36秒3のハイペース。好位5番手から直線でも渋太く伸びて無傷の2連勝を飾った。

前走が押して押しての追走だっただけに1400mへの距離延長には対応できそうだが、函館での2連勝はマツリダゴッホ✕マイネルラヴという血統が函館1200mにマッチした印象もある。

高速馬場でキレる脚が使えるかが焦点になりそうではあるが、ある程度はスピードで誤魔化せる舞台でもありマツリダゴッホ産駒も本レースとは好相性。
牡馬相手にクビ+クビ+ハナ差の接戦を勝ち切った勝負根性を発揮できれば好走可能だろう。

⑤ニシノガブリヨリ(☆)

小倉1200mのデビュー戦はスピードの違いで押し切ったような味のある内容で、勝ち時計こそ前半3Fが遅かったこともあって翌日の2歳未勝利戦より0秒4遅いものだったが、2着に負かしたロングトレーンが次走で勝ち上がっており、持ったままで余裕のある勝ち方だったことを考えると侮れないかも知れない。

気合いをつけながらの追走だったことから距離延長には対応できると思うし、松山騎手が東上してまで継続騎乗する点も勝負気配を感じる。8番人気と評価も低いだけに穴で期待したい。

⑥モントライゼ(◎)

新馬戦こそ後にフェニックス賞→ひまわり賞と無傷の3連勝を飾るヨカヨカの②着に敗れたが、2戦目では好スタートからスピードの違いでハナへ立つと4角手前からスパート。直線では一杯に追われる他馬を尻目に馬なりのまま後続を突き放して2着に1.7秒差をつける圧逃劇を披露して勝ち上がった。

連勝を狙った前走の小倉2歳ステークスは勝ち馬の決め手に屈しての②着だが、雨の影響で重馬場となった中で前後半3F 33秒9 - 35秒7 のハイペースを2番手から運んだことや、3着以下を4馬身離していることからも負けて強しの②着だろう。

デビューから3戦すべてで先行しているが、上がりは常に2位以内と最後まで脚を伸ばせるタイプであり、前走後もノーザンファームしがらきで調整。
折り合いをつけて末脚を伸ばすトレーニングをされているはずで、2か月ぶりでの成長を期待したい。

⑦プルスウルトラ(⋯)

デビューから3戦、稍重→稍重→重とすべて道悪での競馬。前走のダリア賞は前後半3F 34.4-36.7 の前傾ラップを3番手から0秒2差④着に粘ったあたり、タフなレースが合う印象。今回は様子見とする。

⑧オリアメンディ(⋯)

新潟1800mのデビュー戦から一気に距離を短縮した前走の中山1200m未勝利戦を差し切って勝ち上がり。
12着のテセウスが勝ち上がってはいるが、1分10秒4の勝ち時計を含めてレースレベルには懐疑的であり、後の桜花賞馬レーヌミノルやスプリンターズステークスで好走するアウィルアウェイですら勝ち切れなかった牝馬にとっては簡単ではないレース。

斎藤誠調教師によると半兄ストーミーシーより切れ味は上とのことだが、良馬場の東京1400m替わりでキレる脚を使えるイメージが沸かない。厳しいだろう。

⑨ファルヴォーレ(⋯)

当時の馬体重が428~430kg程の小柄な馬だけに阪神のタフな馬場と急坂が合わなかった感のあるデビューから2戦は⑥着→④着。
平坦コースの新潟に替わって次位に0秒5差をつけるメンバー最速上がりで勝ち上がると、続く新潟2歳ステークスでも1秒差はつけられたが④着に健闘。

東京も阪神や中山ほど急勾配ではないとはいえ坂のあるコースだが、1400mへの距離短縮はプラスだし、それなりに速い良馬場でやれるのもいい。

⑩ジャガード(⋯)

デビュー戦は今回と同じ東京1400m。3角手前では外から5番手までポジションを上げて直線でも渋太くジリジリと脚を伸ばして半馬身差での勝利。
上がり3Fはメンバー3位の34秒7で勝ち時計も特筆すべきものではないが、デムーロ騎手の継続騎乗ならある程度の素質は感じているのかも知れない。

キャリア1戦での重賞挑戦で、1度使われての上積みと重馬場だったデビュー戦から良馬場替わりでの一変があるかも知れないが、今回は様子見とする。

⑪リフレイム(○)

まずまずのスタートで中団から運ぶかと思われた新潟マイルのデビュー戦。向正面で一気に先頭に立ったかと思えば、直線では外ラチに向かって大逸走。
木幡巧騎手の鐙が外れてまともに追えない中、構わず押し切る勝ちっぷりは各メディアにも取り上げられ大きな話題を振りまいた。

当然のように調教再審査を課されたが、陣営は矯正馬具には頼らずに乗馬の基本運動である常歩、速歩、駈歩を主体とした人との関係性を再構築。
操縦性の向上を図った陣営の努力の甲斐もあって迎えた前走の1勝クラスは山口ステーブルの話では「6~7分のデキ」ながら、勝ち負けより内容優先の最後方待機から直線だけで5馬身差の圧勝。
メンバー最速の上がり3F 33秒6は次位より1秒も速いこの日の東京最速。真っ直ぐに走れただけでなく、後方で我慢する競馬で結果を出せたことも収穫。

その前走と同じ舞台ながら中1週での重賞挑戦だけに試金石ともなるが、デビュー5戦目のアイルランドトロフィーで同じような大逸走をしながら勝利を収めたエイシンヒカリは香港カップを優勝、三冠馬オルフェーヴルも阪神大賞典での大逸走も有名だが、デビュー戦でも外から内に大きく斜行してゴール後に池添騎手を振り落とした逸話がある。

その大物感溢れる走りからは1998年のウメノファイバー以来となる、22年ぶり15頭目となる牝馬の優勝も十分に感じさせる。

リフレイム 大逸走

⑫タマダイヤモンド(⋯)

半兄タマブラックホール、タマスカイブルーともにダート馬。父がアンラバルドに替わるが、前走ダート戦だったは過去5年で【0.0.0.5】。厳しいだろう。

⑬クムシラコ(⋯)

今年のアイビスサマーダッシュを3着に好走したビリーバーの半弟で本馬の勝ち上がりも直千競馬。
デビュー戦は④リンゴアメの0秒3差②着で、昇級初戦となった前走のカンナステークスを含めてこれまで②③①②着と着外なく走っている点は魅力に映るが、半姉ビリーバーも東京1400mは③③⑥③⑦着と連対経験がなく、初の1400mがどうか。

⑭ストライプ(▲)

新潟マイルのデビュー戦は0秒4差の着に敗れたが、1400mに距離を短縮した前走はハナ争いから離れた先行集団からの追走ではあったものの、前3F 33秒1の速いペースを5番手からメンバー2位の上がりで4馬身差突き抜けての圧勝。

前半のペースが速かったこともあるが、勝ち時計の1分21秒9は翌週のリステッドレース信越ステークスの1分20秒9と1秒差。馬場差やペースの違いこそあれど⑪リフレイムの勝ち時計1分22秒6より0秒7速い。

本レースの傾向である後傾ラップとは真逆の前傾ラップで強い勝ち方をしたわけだが、阪神のファンタジーSにも登録しながら、こちらを選んだのは左回りの方が走りがいいという陣営の判断が考えられるし、牡馬相手でも勝負になるという自信があるはず。
デビュー2年目の斎藤新騎手が鞍上とあってか現在7番人気。牝馬の好走が簡単ではないことは承知でも、穴で期待したい一頭。

⑮レガトゥス(⋯)

母は短距離路線で活躍したアドマイヤセプターで、スカイグルーヴの半弟というサンデーレーシング期待の良血馬。6月の新馬戦は不良馬場で進んで行かずに⑥着に敗れたが、新潟マイルの2戦目では良馬場で変わり身を見せて勝ち上がり。

レース後にルメール騎手は「マイルはぴったり」とコメントを残したが、道中で掛かる面を見せていただけに1400m距離短縮はプラスに働くはず。
前走の馬体重は562kgの大型馬で2か月ぶり。今回はルメール騎手から乗り替わりも戸崎騎手をしっかり手配しているが、重賞で好走できるかとなるとどうか。
今回は様子見とする。

⑯ユングヴィ(☆)

6月のデビュー戦は直線で伸び負けて0秒8差の④着。4か月の休養で16kg増して臨んだ前走の勝ち時計1分23秒1は馬場差こそあれど、前日の3勝クラスを勝ったザイツィンガーと同タイムと優秀なもので、ノーステッキでの7馬身差圧勝なら価値は高い。

デビューからこれで3戦連続となる東京1400m。出走頭数わずか2頭のミュゼスルタン産駒で傾向がまだ判らず、初めての良馬場でどうなるかは未知数。

⑰ロードマックス(⋯)

不良馬場で行われたデビュー戦は2着のミッキーワクチンと出入りの激しい展開で、前半4F 49秒0 - 後半4F 50秒9 とタフな流れをほとんど先頭に立ちながらメンバー最速で2馬身半差の勝利。

連勝を期待した新潟2歳ステークスは1秒2差の⑦着。最後に内にヨレながらも騎乗した岩田望騎手が満足そうなコメントを残した点が謎だが、デビュー戦で4着に負かしたコウソクカレンや6着リーブラテソーロが勝ち上がっており、レベルが低かったとは思えない。

藤原英調教師が自己条件でなく続けて重賞を使うからには能力はあるはずだが、点数も多いので今回は様子見とする。

⑱ブルーシンフォニー(☆)

東京マイルのデビュー戦はスタートで後手。1000m通過62秒5-レース上がり34秒7のスローペースの中、直線で進路に困り右往左往する酷い展開。
残り300mで外に持ち出されてから最速上がりで差し切った瞬発力は非凡なものを感じさせた。

この時に負かした2着カランドゥーラの他、4着スーパーホープも勝ち上がっており、続く1番人気に支持された新潟2歳ステークスは勝負処で動いたことが結果的に早仕掛けとなって②着。

母父コマンズは豪州の短距離種牡馬で1400mへの距離短縮がプラスに働く可能性は十分にあり、スローの直線勝負なら好走があるかも。

【結論】
本命 ⑥モントライゼ

単勝と3連複流し。
相手は④⑤⑪⑭⑯⑱


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