男性のクラミジア、淋病

クラミジアと淋病は性病の中でも有名(?)で、実際の患者数も多いです。この記事では男性のクラミジアと淋病について説明しています。

クラミジアはクラミジア・トラコマティス(Chlamydia trachomatis)、淋病は淋菌(Neisseria gonorrhoeae)という細菌が原因で起こる病気です。

日本の統計ではクラミジアが男性の性病の中で一番多く、その次が淋病です(女性は少し違います)。

男性の場合は尿道に感染することが多いのですが、のどにも感染することがあります。その他、アナルセックスを行なうと肛門・直腸にも感染しますし、数は少ないですが目に感染することもあります。

尿道炎

男性のクラミジア、淋病の中で一番多いのは尿道炎です。淋病の場合は感染してから3日〜7日、クラミジアでは5日〜2週間くらい経ってから症状が出ることが多いです。ただし感染しても症状が出ないこともあり、特にクラミジアは症状が無いことが多いとされています。淋病は症状が出やすいのですが、中には全く症状が無いという人もいます。

症状は、尿道の痛み・痒み・違和感が多く、尿道から膿が出ることもあります。淋病はクラミジアよりも症状が強いことが多く、強い痛みや大量の膿がある場合にはまず淋病を疑います。

ただし症状で見分けがつかないことも多く、しかも両方の菌に同時に感染していることも多いです(淋病に感染している人の20〜30%はクラミジアにも感染していると報告されています)。なので、検査する場合はどちらも調べておいた方が良いです。

咽頭炎

のどに感染した場合は、症状が出ないことが多いです。また、症状が出たとしても風邪や他の菌による感染と同じような症状ばかりなので、症状から判断することは難しいです(というかできません)。

直腸炎

肛門や直腸に感染した場合も、症状が出ることは少ないとされています。症状としては肛門、直腸の痛みや膿が出ることもあります。また、便が出そうな感じがするけど出ない、というのも症状の一つです。

検査

感染が疑われる場所に菌がいるかどうかを調べます。具体的には、尿道であれば尿、のどであればうがい液、肛門・直腸であれば肛門を綿棒で擦ったものを使って調べます。
※ちなみに当院は肛門の検査も可能です。

検査はPCRという方法で行い、この検査は結果が出るまでに通常2〜3日かかります。尿道に関しては30分くらいで結果が出る検査もあるのですが、精度が低かったり苦痛が強かったりと欠点も多いので正直おすすめしません。

治療

クラミジアは飲み薬、淋病は注射(または点滴)の抗生物質で治療します。アレルギーなどが無ければ、どちらも治療は1回だけで終わらせることができます。

淋病に対する飲み薬の治療薬もありますが、効かない菌が増えてきているので特に理由が無ければ注射薬で治療します。

症状は2〜3日くらいで落ち着くことが多いのですが、菌が全滅するのは長い人で1週間くらいかかります。ですので、治療して1週間は(症状が良くなっていても)性行為を控えるようにしましょう。そうしないと、相手に感染させてしまう可能性があります。

クラミジアも淋病も、1回の治療で治ってしまうことがほとんどです。ただし100%ではないので、可能であれば菌が消えているかどうかを検査で確認することをおすすめします。

治療直後に検査すると、菌の死骸が検査に反応して、治っているのに検査が陽性になってしまうことがあります。これを避けるために、淋病の場合は治療後2週間、クラミジアの場合は治療後3週間経ってから検査するようにしましょう。



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