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【社長対談】社員4名+外部パートナーの少数精鋭で事業を伸ばす令和型組織構築の考え方

こんにちは。トレンド・プロ社長の岡崎 寛之です。

半年前に新社長として就任した現在。関心事の1つが「組織構築」です。組織構築は企業の規模を問わず、経営者やマネジメント層にとって大きなテーマのひとつだと思います。

そして、マンガ活用のトータルプロデュースを行っているトレンド・プロでは、組織構築などインナーコミュニケーション課題をマンガで解決する支援もしていて、私自身、日々多くの経営者、責任者の組織課題に関する悩みを伺っています。

いろんなご相談を通してこのテーマへの関心がより高まったので、マンガ活用とは関係なく様々な企業の組織構築についてお伺いしたいという考えから、インタビュー企画を始めました。

今回はその1回目、株式会社UsideU代表、高岡 淳二さんです。

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高岡さんは私が新社長に就任する以前から、経営について多くのアドバイスを頂いたメンターのような存在です。今回は改めて、人事や組織運営のテーマを中心にお話を伺えればと思います。

①株式会社UsideUの紹介

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岡崎:最初に高岡さんの紹介をできればと思いますので、自社の事業についてご説明お願いできますか?

高岡:事業内容はアバターを使った遠隔のサービスです。お客様が話しかけるとAIが自動でシナリオを作って接客をします。他にも、AIだけで完結させずに社員がアバターを通して接客することもできたりなど、AIを活用しつつ人間の強みも活かせるサービスを提供しています。

AI技術の進化により、将来的に人がいらなくなると言われたりもしていますが、現段階では人間の強みを活かす形を模索した方が良いと思っているんです。もちろん、もっと自動化できるなら、サービスに取り入れます。でも現在のAIではまだ難しいですね。

すぐには全て自動化にならないから、人間がやる部分は最大限ポテンシャルを上げられるようにしたい。自動化できる部分は自動化していきたい。UsideUはAIと人間の理想の関わり方を真剣に考えている会社です。

株式会社UsideU
https://usideu.com/#company

-UsideUのサービスはNTTドコモ、東急リバブル、JR東日本などで採用されています

▼UsideUの遠隔接客ツール「TimeRep」がNTTドコモの5Gソリューションとして採択 〜ドコモが法人顧客向けに2021年6月16日より販売開始〜
https://usideu.com/news/s4CP9AZF

▼UsideUの遠隔接客サービス「TimeRep」が 東急リバブル様のリモート賃貸接客『リバブル つながる賃貸』に採用 ~2021年1月の試験導入の実績の結果から他店舗展開へ~
https://usideu.com/news/20210422

▼[記事掲載] 日経新聞にJR東日本様との取り組みが掲載されました
https://usideu.com/news/20210417


②社員が少ないことはスケールの阻害要因ではない、外部パートナーを活用する令和型組織

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岡崎:それではさっそく組織の話をお伺いしたいのですが、今はどれくらいの人数規模なんですか?

高岡:社員が4人。そして、外部パートナーを入れると十数人くらいです。

岡崎:もっと多い印象でした。その組織デザインは、何か高岡さんの意思ですか?

高岡:ですね。人をいたずらに増やそうという方針ではないんです。外部営業もエンジニアも設計とかは我々でやってます。あんまりフルタイムが良いという文化でもないですし。

岡崎:面白いですね。令和的な新しい組織の作り方という印象です。企画は社員がやって、あとは外部パートナーが対応するようなフローになるんですか?

高岡:イメージは近いですね。社内的に定義している役割分担でいうと、外部パートナーの役割は2つあって、1つは単純に手を動かしてくれること、もうひとつはハイレベルなスペシャリストであること。正直な話、今お付き合いのある外部パートナーの方々は、おそらく社員として弊社は選ばれないんです。ただ外部パートナーという選択肢のおかげで一緒に仕事ができて、手を動かしてもらえるのはもちろん、ハイレベルなスペシャリティを事業に活用させてもらっています。

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岡崎:外部パートナーという形態だからこそ、専門性が高い方のスキルを取り入れられるということですね。経営的観点でもメリットが大きいように感じます。一方で、そうなると社員の役割はどう定義しているんですか?

高岡:自分事として考えることですね。こうした方がいいんじゃないかとか、自社のプロダクトが好きで熱量高く、取り組んでいるプロジェクトをディレクションして推進していくこと。

いくらスペシャリティのある外部パートナーがいても、全体のディレクションを行うコアとなる役割がいないと、組織全体でのアウトプットは上がらないな…と。

すごくハイレベルなスキルが必要とかでもないんですけど、熱量高くプロジェクトをディレクションする役割ってすごく大切なんですよ。そして、その役割は社員が担う方がワークするなと。

社員をどんどん増やして組織拡大していくことにはジレンマもあります。熱量高く取り組む社員をいかに増やしていくかという採用の問題もありますし、組織拡大により1人1人の熱量の高さを維持するのは難易度が上がります。組織拡大で言われる30人の壁、50人の壁、100人の壁といった問題も存在しますしね。

岡崎:いかに社員全員の熱量を上げるか、他にも経営者的視点を持たせるのは難しいけれどやった方がいいのかな?など、このテーマは僕自身も日々考えていることでもあるので、ジレンマなどはとてもわかります。

高岡:経営者的視点を持たせるのは難しい気がするんですよね。経営者は日々お金の話や契約の交渉など血なまぐさい事ばかり。社員にはそういう余計なことを考えずに、少しでも自社のサービスを自分事としてよいものにしようとすることに没頭してほしいんですよね。

岡崎:おそらく過去のいろんな歩みがあって今の組織のかたちができて、この方針は今後も続けていくんですね。

高岡:そうですね。もちろん人がどんどん増えていくのはいいことですよ。一方で、かなり慎重に考える必要もあるなと。それに社員を増やさないことでスケールが疎外されるかっていうとそうでもないんですよね。

おかげさまで、弊社もここ数年、社員数は変わってないですが、創業当時から二桁%成長を維持することができてますし。

岡崎:コロナ禍でよりリモートが加速したり、副業も活性化している昨今。高岡さんが実践されている組織作りは令和の今のトレンドに適した形なのかもですね。弊社も取り組んでいかないとな…と考えさせられます。


③実力主義ではないが、厳しくもやる。チーム運営哲学

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岡崎:続いて、高岡さんの考える「組織哲学」について聞きたいなと。

高岡:まず、組織っていうより「チーム」っていう感じですね。スキルよりも性格が重要なのがチームかなと。性格はとても重要。

岡崎:性格って、もう少し具体的にいうと、どこを見てるんですか?

高岡:第一に信頼性ですね。あとは真面目さであったり、学びたい欲があるか、ガッツがあるかとかは見ますね。人数少ないから一人一人の負荷が重くなるんですよ。でも、みんな若いけど優秀ですね。

岡崎:性格については理解できたんですが、面接で判断できるものですか?

高岡:面接もそうですけど、面接だけではわからないこともあるから、お互い食事などをしながら理解することに努めてます。そうして理解した状態でスタートするのは、とても大きい意味があるんですよね。

前に社員と「失敗しても一緒に仕事を続けられる仲間でいたい」という話をしたことがあって、「うまくいかないかもしれないけど、よろしく!」みたいな関係性でいたいと思っています。

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「一緒に成功しようぜ」という関係だと、成功しなかったときに相手が組織から離れるんですよね。もちろん成功するために全力を尽くしてるけど、大抵は順風満帆に進まないわけで。そんな中で、結果や実力だけで評価するのって難しいと思うんです。なので、うちは結果主義や実力主義ではなく、過程重視。真面目にやっているか、自分のキャリアをちゃんと発揮できたか。やりたいこと、すべきことをちゃんとやりきれたか。

岡崎:性格重視と過程評価ですか…僕の勝手な印象で高岡さんは厳しいイメージがあったのですが、全然違いました。

高岡:もちろん厳しい時もありますよ。たるんでいたり、フワフワしている時は徹底的に厳しくしますね。

ときには数週間かけて360度評価を実施して、なかなか気づきにくい課題や自身が思っていなかった強みなどをフィードバックしています。人によってはなかなかタフな経験と受け取られますが、私自身も進んで社員にフィードバックをお願いするときもあり、カルチャーとして定着しています。

岡崎:それだけ一人一人に時間をかけているってことですよね。

高岡:かけてますね。


④やりたくない仕事を率先してやるような組織は強い。だから社長である自分も率先してやる

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岡崎:チームのマネジメントで意識していることはありますか。

高岡:仲良くやろう、ということですね。みんな得意不得意があるから、仲を深めながら理解しないといけない。

岡崎:理解していない会社も多いですよね。各メンバーの得意不得意、好き嫌いなど。

高岡:もう1つ、やりたくない仕事を率先してやること。仕事って面白いといえば面白いけど、つまらないといえばつまらないでしょう。面白い!って自分を騙しがちですけど、普段の仕事ってやっぱり面白くない。

うちの仕事も裏方ばかりで、ハードウェアの出荷やお客様の業務オペレーションがどうとか、問い合わせの窓口をどうするかとか…そこに面白さを見出していくのは結構難しいです。

だからこそ、みんながやりたい仕事だけをやるような会社はよくない。僕も日程調整などの雑務を人任せにせず、自分でやるようにしています。雑務であっても、それを通じて何が達成できるかということを理解して、やりたくない仕事を率先してやるような組織が強いんです。

会社に入ったらやりたい仕事ばっかりできるというのは嘘。「やりたくないことだけど、それによってチームに貢献してるし、率先してやってると周囲も助けてくれる」という心持ちぐらいがいいんじゃないかな。

岡崎:たしかにその心持ちがいいのかもしれませんね。
やりたくない仕事を率先してやるような組織にするために、意識していることはありますか?社員同士でどのように協力し合うか…など、相談していたりするのでしょうか。

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高岡:やっぱり待つしかない気がしますね。もうひとつ大切なのは、人が抜けたり入ったりして出入りが激しすぎると組織としては安定しません。いまはエンジニアの獲得競争が激しいと言われていますが、お金のことしか考えない人を入れると組織として良くならないので、注意が必要です。

あと、ベンチャー企業ってよく合宿するじゃないですか?みんなで横に寝ころびながら真剣に話したり…いろんな考えがありますけど、そういったものもなぜやるのかをきちんと設計しないと個人的にはあまり意味がないと思ってます。時間が経つとすぐ忘れてしまうものにしないようにしたいと心がけています。

岡崎:時間をかけて、じっくりとビジョンを共有する機会を設けて、待つのが大事ということですね。インタビューは以上になります。今日はありがとうございます。

株式会社UsideU
https://usideu.com/#company

株式会社トレンド・プロ
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