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純文 ショートショート集

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純文でつづられたショートショート集。名前のない語り手によるお話。
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#ショートストーリー

【SS】金魚鉢 Goldfish Bowl #シロクマ文芸部

「金魚鉢」  お祭りの日に、金魚すくいをした思い出がある。誰しも、日本に住んでいれば持…

東西 七都
4か月前
16

【SS】春の夢 The Dreams of Spring #シロクマ文芸部

「春の夢」  最近、春なのに、あまり良い夢を見ることができていない。  一昨日は、過去に…

東西 七都
5か月前
10

【SS】風車 The Windmill #シロクマ文芸部

「風車」  もう少しで、つまずいてしまうのではないかと思うくらい、わたしは速く走った。 …

東西 七都
5か月前
12

【SS】桜色 The Color of Cherry Blossom #シロクマ文芸部

「桜色」 家族で上野公園に桜を見に行ったことがある。 よく晴れた日で、公園内は既にたくさ…

東西 七都
6か月前
4

【SS】クマローの行き先

高校から帰ってくると、わたしは自室のドアを開け、部屋の左手にある学習机を見て驚いた。 そ…

東西 七都
6か月前
1

【SS】しのぶれど思ひそめにし我が恋は

帰りの電車の中で吊革につかまり、俺はそのとき、車窓から見える遠くの光景を眺めていた。 そ…

東西 七都
6か月前
2

【SS】高架下

私はそのとき、平凡な道路と国道にかけられた高架橋へと足を進めていた。 高架橋はそれほど大きいものでもなく、それほど長距離のものでもなく、丘のようになだらかなカーブを描いて、二つの道路を繋いでいる。 私は高架橋のすぐ手前にまで来ると、左右を確認して、近くの横断歩道を渡って高架下に足を踏み入れた。懐かしい気持ちで周囲を見渡す。 この場所は、比較的交通量の多い道路側のマンションや住宅街の子どもたちが自転車を一時横付けして友達としゃべったり、遊んだりした場所なのだった。 昔は大仰な

【SS】夏の花火

夏休みも半ばになり、あたしは家のカレンダーを見て心を躍らせた。 明日の土曜日。 日付には赤…

東西 七都
6か月前
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