ブロックチェーンって何?

 昨年末にブロックチェーンとかNFTとかが出てきて、なんかわからんけどそれっぽい株が上がって…という人は結構多いのではなかろうか?
 調べてみてもよくわからん!となった方も多いと思うこの「ブロックチェーン」という技術について、これがどのようなものなのか解説していきます。

■ブロックチェーンって何?

 ざっくり言うと、ものすご〜く改ざんされにくいデータ管理の方法です。基本的に普通のPCでは突破がほぼ不可能なシステムなので、それを利用してそのデータを送金システム(仮想通貨)にしたり、電子データではあるけどそれを一点物とすることで美術品だったり、ゲーム内でのアイテムにしたりと様々な使い方がされています。ちなみに、ブロックチェーン技術を使って管理しているデータの中で、仮想通貨の様に複数の人が同じものを持っていて、所持者AさんとBさんが交換したところで全く何も変わらないデータが代替性トークン(FT)、美術品のようにオリジナルの本物データがあるものは非代替性トークン(NFT)と呼びます。

 英語で言うと、"a"で表されるのがFT、"the"で表されるのがNFTといえばなんとなくわかってもらえるでしょうか…?
(データに"a"が使われるのかは知りませんが…)

 余談ですが、NFTは多くがイーサリアムを利用して発行されています。

■ブロックチェーンってどんな技術?

 ここからが本題であり難しいお話になります。可能な限り簡単に説明しようと思うので、頑張ってついてきてください。頭が拒絶反応した場合は「・ハッシュ値とは?」から飛ばして「■ブロックチェーンにおけるデータの改ざん」まで進んでしまってOKです。

 ブロックチェーンですが、その名の通りブロックと呼ばれる取引データなどを入れる箱と、それをチェーンで繋いでいく形状を持っています。ビットコインではこのブロックが約10分間ごとにひとつ新しく生成され、次々に時系列に繋がっていく形でデータの管理がされています。

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 この一つ一つのブロックの中には
 ①ひとつ前のブロックのハッシュ値
 ②取引データ
 ③ナンス値
 の3つが入れられています。このハッシュ値とナンス値はブロックチェーンの肝になってくるものです。

・ハッシュ値とは?

 ハッシュ値というのはハッシュ関数という特殊な計算方式を使って一見ランダムに見える文字列に変換されたものです。

 ブロックチェーンでは
 ①ひとつ前のブロックのハッシュ値
 ②取引データ
 ③ナンス値
 という3種類のデータをまとめて変換したものをハッシュ値としています。

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 余談ですが、ハッシュ化というのは暗号化みたいなものではありますが、暗号化と違ってハッシュ化した文字列から元のデータに復元するのは困難です。(暗号化したデータが元に戻せなかったら大変ですからね・・・)

・ナンス値とは?

 次にナンス値ですが、役割としてはハッシュ値がある条件を満たすようにつけるためのゴミです。
 ハッシュ値は前述のように、とあるデータを一見ランダムな文字列に変換したものです。ひとつ前のブロックのハッシュ値と取引データはもう決まっているので変えようがありません。しかしナンス値を変えることでハッシュ値というのは変えられる。こうやってハッシュ値をある条件に満たすような文字列に変えるためのゴミをナンス値と言います。

 例えばビットコインではその生成されたハッシュ値の文字列が特定の数値より小さくなければならないというルールを持たせていて、文字列の先頭が「000…」となるようにいくつも0が並ぶようになるようにナンス値を付けて調整しています。
 このナンス値を見つける作業というのは総当たりでしか見つけることができません。従っていろいろなナンス値を入れてみて、最終的なハッシュ値を計算して、それが「上位3桁が000」という条件に合うかどうかを確かめてみるしかないのです。このため、膨大な計算量を必要とします。
 この正しいナンス値を探してブロックを作る作業をマイニングといい、このナンス値を見つけた人(PC)には報奨が与えられます。そしてこのブロックが生成されるとそのブロックに含まれる取引が承認されたことになります。

■ブロックチェーンにおけるデータの改ざん

 冒頭でブロックチェーンはものすご〜く改ざんされにくいデータ管理の方法と言いましたが、それがなぜなのか触れて行きます。 

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 (飛ばした方もいるかもしれませんが)前述で、ブロックチェーンは箱の中に1つ前のブロックのデータと今回の取引データが入った箱があって、それをハッシュ化(暗号化みたいなの)したデータが次のブロックに入れられて繋がっていくと話しました。

 例えば図の左の取引データを改ざんしようとした場合、そのブロックの内容(ハッシュ値)が全く違うものとなってしまうので次のブロックと整合性が取れなくなる。
(さらにはハッシュ値が高確率で「上位3桁が000」という条件を満たさなくなります。)
 従ってブロックを接続することができず、ブロックは途切れてしまいます。

■NFTについて

 前述でNFTというのは唯一無二の電子ファイルというお話をしました。
 NFTはブロックチェーン技術を使って、いつ誰から誰に渡したという記録がされているため、どれが本物なのか追跡できるようになっています。
 従ってオリジナルのデータというものに価値を持たせることができ、これをビジネスなどに利用しようという取り組みが今活発に試みられています。

 特に今この技術を利用したビジネスとしてはゲームとアートがあげられるので触れて行こうと思います。

・ブロックチェーンゲーム

 ブロックチェーンはゲームと相性が良く、この技術を利用したゲームというのは少しずつ出始めています。
 アメリカでは「NBA Top Shot」というトレーディングカード内で、有名なバスケ選手の動画がユーザー間で高値で取引されていたりすします。

 このようにしてゲーム内でのカードだったりアイテム、アバターなどに付加価値を持たせて、それをユーザー間で売買するということが可能となっていて、一部ではかなり盛り上がっています。
 国内でもブロックチェーンゲームは少しずつ出てきていて、3903 gumiが積極的に開発に着手しているのは皆さんご存知かと思います。

・デジタルアート

 バーチャルな世界のアートとしてすでに国内でも多くのデジタルアーティストが誕生しています。
 特にVRを利用した3Dのアートとかがいっぱい出てきています。

 デジタルアート専門の店舗型ギャラリー

 NFTデジタルアートを展示するバーチャルギャラリー

 ここら辺は2437 Shinwa Wise Holdingsなどが積極的に取り組んでいます。

■ブロックチェーンの今後

 ブロックチェーンを活用したビジネスというのは今色々な取り組みがされています。
 以下はサイトのコピペです。今後もどのように活用されていくのかはチェックしておくといいかもしれません。

●医療技術およびAIとの融合
 Google傘下にあるイギリスの人工知能開発企業「Deep Mind」は、AI(人工知能)による医療を促進していました。その後、患者データのプライバシー保護の観点からブロックチェーン技術を採用したのです。これにより、患者のカルテや個人データ、治療法などを暗号化し、さらにそのデータ提供をリアルタイムで追跡しつつ、必要に応じて世界の医療機関と共有することが可能となりました。

●食品の信頼性を向上
 中国市場における最大手の情報技術企業である「阿里巴巴集団」(アリババ・グループ)は、オーストラリア郵便公社やブラックモアズなどと提携して、ブロックチェーンを用いた、食品を中心とする流通追跡サービスの開発を行っています。
 「フードトラスト・フレームワーク」と呼ばれるこのシステムは、食品の安全性に問題がある時点で追跡を開始し、課題が生じた時点での回収が可能となるため、食品の信頼性の向上に寄与するとともに、製造・回収工程における不要なコストまでをもカットすることができる仕組みとなっています。

●商品管理プラットフォーム
 オーストラリアの「AgriDigital」は、ブロックチェーンを利用することで、農業生産者から仕入れを行う購入者、契約、配送、決済、さらに消費者への信頼向上のため、商品の情報提供に至るまでをワンストップで行えるシステムを提供しています。その特徴は農業生産者がリアルタイムで現在の取引価格を把握して、購入者が提示する仕入れ価格と比較することから始まり、バリューチェーンの機能ごとに付加価値を付けられる点にあります。

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