新型コロナを5類感染症に！？

　新型コロナがオリンピック以降爆発的な広がりを見せていて、連日最多更新というキーワードが飛び交い続けている状況です。医療もひっ迫し、自宅療養も余儀なくされている中で、どうにかしてコロナ患者の受け入れを増やせないかということで、病床確保を要請したけど拒否されたなんて話もありました。ただ、コロナ患者の受け入れを増やすというのは大きなデメリットもあって、安易に受け皿を増やすだけではいけないということをよく理解しておかなければいけないと思い、今回はあえて株から離れて新型コロナについてのnoteを書いてみようと思います。
　先に結論を書きますが、パンデミック収束のタイミングで5類への分類は議論されるのはいいと思いますが、医療がひっ迫している現在議論すべきことではないと思っています。

○類感染症とは？

　「感染症法」では、症状の重症度や病原微生物の感染力などから、感染症を「1類～5類感染症」の5段階と「新型インフルエンザ等感染症」「新感染症」「指定感染症」の3種類の合計8区分に分類しています。
　新型コロナは現在2類に属していて、入院場所は感染症指定医療機関に限るなど、色々な制約を受けています。一方で現在新型コロナを5類に分類してしまおうという話がちらほら出てきています。

　感染症指定医療機関というのは、その感染症によって病院職員や他の患者に感染させないように、設備や動線、安全確保など、様々なことに配慮された病院で、コロナ病棟として患者のみならず職員ごと他の患者と触れ合うことがないように隔離されて取り扱われるなどの対策がとれる、取られている病院を指します。

5類に分類されるデメリット

治療にかかる費用の問題
　2類感染症と5類感染症はその取扱いが大きく異なっていて、2類に分類されているおかげでPCR検査が公費で受けられたり、コロナ病棟に入院となっても、高額な治療や検査が行われても高額な医療費を請求されることはありません。一方で、新型コロナが5類に分類されると、基本的には保険適用ということで3割の自己負担が課せられるため、コロナに感染して重症化した場合、非常に高額な治療費が請求をされる可能性があります。

クラスターの発生
　これだけ感染力の強い感染症を動線の確保や隔離などの然るべき措置もないまま治療せざるを得なくなった場合、どうやっても病院でクラスターがそこいら中で発生します。従って、病院は感染が横行した非常に危険な場所となる可能性がありますから、特にそれ以外の病気で入院される方などは危険にさらされることになります。
　その結果、コロナ以外の病気の治療が難しくなる可能性があるということは容易に想像できるかと思います。

　以上の理由から、コロナ患者もコロナ以外の患者も医療従事者も共倒れになる未来が私には見える気がします。

新型コロナ以外の医療の状況について

　実は大変なのはコロナを受け入れている病院だけではありません。今まで100％で回っていた日本の医療がコロナ対応のために仮に30％が使われるとしましょう。コロナで病院に行くのも控えている患者は当然いますが、70％のリソースで90％とかの患者の対応に追われることとなります。また、当然それに伴って患者側が入院を拒否したり、受診を控えて重症化したりとコロナ以外の医療についても医療サービスの確保が非常に難しくなっています。
　ここからさらにコロナ患者を受け入れなければならなくなった時、この医療はどうなっていってしまうのでしょうか？非常に心配に思います。

新型コロナ対策について個人的に思うこと

　確かに新型コロナの蔓延によって自宅療養など医療サービスがすべての患者に届かなくなってきていることは確かです。だから患者の受け皿を増やすというのは一つの医療崩壊を防ぐ対策ではありますが、それは結果的に感染症を抑えるのには全くと言っていいほど寄与していなくて、本当に大切なのはコロナ感染症にかかる人間を減らすような政策を行っていくことではないでしょうか？
　現在のこの状況を招いたのは、緊急事態宣言をひたすら出し続けて効果が薄れてきている中にオリンピックで海外からの渡航者を増やし、さらにその人たちが日本国内で遊ぶのを一切止められなかった政府の失態だと思っています。
　最近外国人の渡航者の枠を2000人から3500人に増やしたというニュースも出ていましたが、日本に本当に必要なのは、緊急事態宣言など政府の「お願い」が効かなくなったというのをきちんと認識した上で人の往来を減らすための有効な政策を打ち出すことで、個人的には(当然補償とセットだが)ロックダウンなどの強制力を持った宣言を打ち出したり、海外渡航者の制限を緩和ではなく厳しくする方向にしたり、陽性を認識していながら出歩く人間に厳罰を与えるなど、国民を従わせる新たな方法を模索し、実行することではないかと考えています。
　経済を回さなければならないというのもあるかとは思いますが、無責任に会食しまくって反省ひとつしない議員に、少しでもこのひっ迫した状況を認識してもらい、強い意志をもってこの難局を乗り越える努力をしてほしいと切に願います。