エフフォーリアのおもいで

競馬を見始めて1ヶ月ぐらいの頃、2021年でしたが初めて見る皐月賞。その時は生まれてはじめて競馬新聞を買って、少し分かるぞー!と、馬券は買ってませんが予想しながらテレビを見てました。

しかし新聞を買ったとはいえ競馬素人、右も左も分からない。中山の直線が短いことぐらいしか分からない。実況担当の青嶋アナが面白いことぐらいしか分からない。そんな自分の本命◎はラーゴムでした。

いざ始まってみると、テレビから響き渡る唸り声。
「エフフォォォオオオオリアァァァアアアアアアア!!!!!!!」

なんだこの強い馬!?と同時に、「横山武史、クラシック制覇ァァァァアアアアアア!!!」で初めて聞いた"横山武史"?と、気になってこの騎手について調べてみると、なんと22歳(当時)の騎手らしい。若武者なんだなぁ...と、インタビューで滲み出る笑顔を見てました。

この時の皐月賞、後に自分が大好きになるアサマノイタズラなども出走していて本当に今となれば懐かしいです。しかし、勝った...圧勝したのはエフフォーリア。ダービーはこの馬が勝つぞ!!と、生まれてはじめて見る日本ダービー。

「内から10番のシャフリヤール福永祐一がやってきた!!シャフリヤァァァアアル!!!それとも、エフフォーリアか!?シャフリヤールか!?

この2頭!!」

毎日杯を見てない自分はシャフリヤールと言う馬を初めて聞きました。エフフォーリアとレコード決着の死闘。初めて見たダービーでこのような勝負を見せられると今後が思いやられます。これ以上の勝負は無い。

(と言いつつ、翌年の武さんを見たらテレビの前で絶叫していた模様)

そんな、競馬を見始めて半年間、エフフォーリア強い!この馬ならどんな相手にでも!!と、負けはしたもののダービーを見て確信していた自分は次走の相手を見て驚愕。なんとコントレイルとグランアレグリアです。

3歳にして現役最強クラスの古馬と真っ向勝負。しかも、3歳で天皇賞秋を勝った馬はシンボリクリスエス以降19年間現れていません。

が、それでも本命はエフフォーリア。netkeibaの印チェック欄に◎をグリグリ。その期待通り、エフフォーリアがコントレイルを寄せ付けずに勝利しました。

「この馬はどこまで...??」と、次走は1番人気で有馬記念に。相手はクロノジェネシスやディープボンドといった各距離の最強クラス馬ですが、どうなったかもはや説明はいらないですね。

競馬を見始めた年にエフフォーリアの衝撃を味わったので、いったいいくつG1を勝つんだろ!?と高揚していました。にんじんを食べる姿すらなんとも言えぬオーラだし、最強や...。と、思っていた2022年。

気付けば、日本競馬のエースはタイトルホルダー、イクイノックスにすり替わっていました。エフフォーリアは3戦0勝、入着が僅か1回のみ、それも5着まで。

馬券を買うようになった自分も「エフフォーリアは買えない」と、宝塚記念からは眼中に残さないようになっていました。ブリンカー着用など試行錯誤している姿を見ると、とても買えませんでした。

23年の京都記念、有馬記念で5着に入ったエフフォーリアでしたが、この時も自分の眼中にあったのは同世代のG1馬キラーアビリティ。まぁ結果として負ける訳ですが、馬券なんてどうでもいい事態が発生。エフフォーリアが競走中止。

ゴール前で武史が下馬していました。最悪な結末すら脳裏をよぎりましたが、幸いにも脚ではなく心房細動でレース後には落ち着くように。

このときのエフフォーリアは3頭の逃げそうな馬が居る中で、序盤からぶっ飛ばして番手でレースを進めてました。「おや?」という気持ちが芽生えましたが、大丈夫なの?と、もしかしたら...という2つの「おや?」です。

ドウデュースが圧勝した中で、入線後のこんな実況「エフフォーリアはジョッキーが下馬しています」。確かこんな感じでした。

馬券は負けましたがそんな事どうでもよく、エフフォーリアが心配でした。その数日後の事でした...。

今後の仕事が残っているエフフォーリアに引退という選択を下した鹿戸先生は素晴らしいと思います。そして、レースを止めた武史も馬のことを考えてる良いジョッキーだなと改めて感じました。

「レースの予想においては眼中にない」と書きましたが、それとこれとは別の話。競馬ファンとして、エフフォーリアの復活は期待していました。このまま負けて終わりの馬ではない。また武史の笑顔も見たいと。有馬記念では復活の兆しを感じさせてくれたのですが...。

やはり悲しいです。若き相棒と一緒に勝利、敗北、その悔しさを糧に強敵たちを薙ぎ倒す。主人公みたいな馬だと思います。そこに惹かれた馬。

有馬記念に向けて入厩する前に武史とイチャイチャ
武史と会っていた写真を見て、やっぱり勝ってほしいなと思いました。鹿戸先生が結果を出せず申し訳ないと毎回ツイートするのも見てて辛かったですし、本当に勝ってほしかった。

そんな思いが一段と強くなったのも、引退発表後。時既に遅し。何やってるんだろう、自分。謝りたいです。

馬っておよそ3年から4年、長くても6年ぐらいしか走っている姿は見られません。エフフォーリアのように突然ターフを去ってしまう馬だっています。

もちろん無事に種牡馬入りできたことが第一に嬉しいですが、やはり走っている姿が見られなくなるのは寂しいです。推しは推せる時に推せ。改めて痛感しました。

何にも分からなかった自分に競馬を教えてくれたエフフォーリア、本当にありがとう、お疲れ様でした。

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