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暗闇を照らす光でありたい

(これは2021年の豊田が、2022年の豊田を意識して書いた日記です。よ、読むなら、そ、そういう想いで読んでよねっ!)

2021年8月1日に会社が8期目に突入した。これで豊田も経営者8才である。多くの経営者の寿命が3-5才くらいだと考えると、長寿の部類に入るようになってきたのかもしれない。

“犬の1年は人の4年分”とよく聞くし、よく説明してきたが、経営者の1年は人の何年分にあたるのだろうかと考える。楽しくてやりがいを感じている時間が長ければ“半年分”になるかもしれないし、辛くてどうしようも無い時間や期間が長ければ“5年分位”になりそうだ。

2021年8月1日は、車の中でそんなことを考えながら帰路についていた。今年はこれまでと違った。今年は会社設立日に感慨深くなった。いつもは割とヘラヘラしてた。いや、会社ではヘラヘラしてた。今年は、スタッフが増えたからなのか、やけに感慨深かった。役員2名、正社員17名、パート社員8名の会社になった。アンビリーバボーである。

スタッフ数でマウントを取りたい気持ちは全くないが、雇用を生み出す事の重要さと、組織をマネジメントする大切さ大変さを知り、雇用を生み出す経営者へのリスペクトが止まらない。そして、仲間になってくれたスタッフへの感謝も止まらない。

そんなこんな、今年はスタッフに語り、なんか涙ぐんだ。「動物病院業界を照らす光でありたい」と伝え涙ぐんだ。ようやく今年、光であるための挑戦権を得た、と思っている。開業1年目から完全なホワイト労働環境を整えて、ワークエンゲージメントという働きがいをスコア化することに努めてきた。

人が増えるにつれてワークエンゲージメントスコアは下がるものだが、踏ん張っている。スコアを計測している会社の中で上位2.5%に入る数値になっている。

勿論、まだまだまだまだ課題はあるし、毎回スコアを見るのは怖い。上位2.5%に入っても、課題はあり、面食らう。下位に入ってしまうと、メンタルは正常でいられない自信がある。正直、測らなくて良いなら測りたくない。3ヶ月ごとの測定が怖い。ただ、それ以上に、自分が経営する会社で、笑顔で働けない人が出るのが怖い。怖さと怖さの対決で、前者が勝った、いや負けたのか。

出来るなら、「紅白とガキ使どっち見る!?」という楽しさと楽しさの対決をしたい。正直、経営者がこんな大変だと思わなかった。自分は起業家であって、経営者には向いていないとも思う。

世の中では「やりたい事をやるのが大事!」「あるがままの自分で良い」という耳障りの良い言葉が増えてきて、何度も惑わされた。

ただ、起業当初に面倒を見て下さった尊敬する経営者の方に頂いた

豊田くん、経営者はやりたい事をやるんじゃなくて、やるべき事をやるんだよ

という言葉を糧に7年過ごしてきた。すると、ここ最近、見える景色が変わってきた。社会の仕組みが、流れが、そして自分自身の使命が分かるようなってきた。感謝である。

使命とは、命を使うという事。2021年は悲しいニュースが増えた事もあってか、自分の使命について考える機会が増えた。命を使っている人は輝いて見える、そして、大きく分けて2種類いる事に気づいた。

❶ 自己超越に命を使う人

❷ 課題解決に命を使う人

どちらも素晴らしいと感じる。前者を突き詰めると利己利他に、後者を突き詰めると利他利己になるのではないか。

幸か不幸か、僕は自己超越に対してモチベーションが湧いてこない。誰かの哀しみが力になる。

皮膚病に悩む飼い主と動物が全国にいて、何とかしたいという気持ちから始めたInstagramはもうすぐ3万人に達する。夜な夜なDMやコメントを返している。フォロワーが住んでいる地域を聞いて皮膚病を何とかしてくれそうな動物病院を紹介する。何軒も転院して動物病院不信だという方には、同じ皮膚病のビフォーアフターの写真を送って、希望を捨てないで欲しいと返信する。これが毎日続いては自分の身体と心が持たない、と危機感を感じて、ビジネスで解決することを思いつく。(2021年8月2日には新会社を設立した)

動物病院業界では耐性菌が年々増えている(勿論、人医療もそうだが)。今年細菌性肺炎になった子と、10年後細菌性肺炎になった子では、必ず致死率が変わってくる(10年後の方が致死率が高い)。可能な限り命の重さは平等であって欲しいし、そうなるための活動がしたい。そういう想いで始めた検査事業は、開始5年で100倍の依頼が来るようになった。『未来の動物まで救いたい』を合言葉に過ごしている。

『動物病院業界(医療現場)はブラックでしょうがない』この業界にいたら何回も聞くか分からない何気ない一言にも、豊田は耐えられない。「そうだよねー…」と納得する事が出来ない。子供の頃から「痛いの痛いのとんでけー!」に対して「とんでかない。」と答えていた。「飛んでって欲しいという大人の都合を押し付けないで欲しい、こちらは痛いと感じている事に寄り添って欲しいだけだ。」。そんな子供がそのまま大きくなった。一般的には、見たこともない課題にぶつかった時に起こす行動は、『変える、変わる、諦める』の3つしかない。ただ、豊田には『変える』しかない。カッコよく思えるかもしれないが、本人は大変でしかない。変わらない事が確認出来るまでは、変えるための行動を取り続ける。開業1年目から1ミリたりとも妥協せず、ホワイトかつやりがいを求めて経営してきた自分を誇りに思う。失敗する事ではなく、挑戦しない事がダサいと考えているからである。挑戦は誰でも出来る。挑戦には誰の許可もいらない。必要なのは自分との話し合いだけだ。

こんなそんな、課題解決に命を使っている。我ながら繊細だと思う。泣いている人に、感情移入し過ぎてしまうきらいががある。一緒に泣くことで救われることもあるが、自分は『泣かない仕組みをつくる』のが使命なんだと、2021年に悟った。天命である。敬天愛人である。

そしてもう1つ。2021年に考えた事がある。命を使うという事は、死を感じる事でもある。そこで自分は『気持ち良く死にたい』と思っている事が分かった。気持ち良く死ぬ、というのは『む、無念…』ではなく、『頼んだぞ(ニコッ)』というのが自分の中でのイメージだった。仕組みが自走すれば、時間が解決する。仕組みがないまま時間が経っては、紐が絡まり、解くのに余計時間が掛かるのでいけない。

そして、もし早死にするような事があれば、達成したい事があると気づいた。

『とんでもない量のコメントが書き込まれた寄せ書きを妻と息子に渡してもらう』というサプライズをしたい。親友には、『万が一、俺が早死にするような事があれば、俺の知人友人から寄せ書きを沢山書いてもらって!』と頼んでおいた。病気もないし、心身ともに健康だけど、ひとはいつ死ぬか分からないので、生前に頼める事は頼んでおくに越した事はない。

「アイツのためなら寄せ書き書くよ!」と言ってくれる人になれるよう、これからも精一杯生きようと思う。

そんなことを思った2021年8月1日。祝杯をあげようとドラッグストアでビールを買ったら、年齢確認された。免許証を出して、と言われた。

「10代がこんな深いnote書けないでしょう!」と見せつけてやりたかったが、まだ書き終えてなかったので渋々免許証を提示した。

「え、あ、お若く見えますね…!」と言われたので、「はは!これまでの人生、全然苦労してきてないからですかね!」と笑って返した。そう言って全然虚しくならなかったのは、本心だったからかもしれない。

今、この瞬間、暗闇の中にいる方の苦労に比べたら、何と恵まれた人生。感謝しかない。使命を全うする。

「暗闇を照らす光でありたい」




…何か

ですます調をやめて、

である調で書いたら…

いつもと全然違う文章になった!不思議!凄い!

「だだだ、大丈夫!?」という連絡をしてくれる人がいそうなので、大丈夫であることを報告しておきます。

2022年の豊田に向けて書いた日記なので、2021年の豊田が粋っています。



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