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隠蔽する組織から学べる事

こんにちは。
長いものに巻かれたくないとよぞうです。

公務員の不祥事が発覚すると「事実確認のうえ厳重に処分する」という言葉をよく聞きます。

しかしその後の詳細は部外者には知る由もありません。

処分の重さはすべて組織の裁量


厳重な処分とは

1、けん責・訓告・戒告
2、減給
3、出勤停止・停職・懲戒休職
4、降格・降職
5、諭旨解雇・諭旨退職
6、懲戒解雇

刑事事件ともなれば起訴の有無や判決内容によって審議は明らかになりますが、組織内だけで下されてしまう処分というのは妥当性がはっきりしない。

場合によっては組織にとって都合よくどうにでも書き換えられる。

下っ端職員ならば重い処分を科すことで他の職員への見せしめになるし、幹部職員であれば組織的な責任にまで発展してしまう事を回避するために軽い処分になりがちだ。

かつて社会保険庁という組織が大規模な職員の処分を行った。

年金の無駄遣い、組織的な不正、不祥事、消えた年金問題から杜撰な記録管理体制、現役課長の収賄事件…etc

年金制度に対する不信も相まって職員の使命感責任感の欠如、国民目線から外れたお役所体質と酷評された。

度重なる失態と国民不信のなか第三者委員会などでも様々な議論が重ねられた結果廃止されることになった組織は、信頼回復のため職務を遂行する上でふさわしくない職員を排除することで一連の騒動に幕を引こうと考える。

そのふさわしくない職員として炙り出されたのが個人情報を覗き見したとされる職員だった。

しかしその炙り出し方法はすべての覗き見履歴ではなく、組織解体ありきの中で急遽確認を迫られた直近の半年間の履歴確認だけを行い選定されたものだった。
つまり業務外閲覧行為を行ったすべての職員を確認できていないというのが実態である。

しかもその半年間という区切られた履歴確認も、当時の管理体制では個人を特定することができないために特定方法をすべて本人の申告に委ねた。

一度目の聞き取りで申告したものは→「訓告処分」
二度目の聞き取りでの申告は→「戒告処分」
三度目の聞き取りは行っていない。→処分なし

業務外閲覧行為をしたが最初に黙っていたものは処分を重くした。
最後まで申告をしていないものは未だに処分されていない。
覗き見件数と処分件数が一致していない。
ここでも得意の改ざんが行われている。

「訓告処分」→口頭注意のみ
「戒告処分」→懲戒処分→分限免職処分
ほぼ処分なしとクビ。…大きな人生の違いだ。

500人を超える国家公務員の分限免職処分に国民の溜飲はある程度下がっただろう。

社会保険庁が解体され日本年金機構へ組織変更する際に「過去に懲戒処分歴があるものは新組織で採用しない」と公表「過去の懲戒処分」とはそれ以前にも多くの処分者が出ている印象を植え付けた。

…しかし過去の組織的な不正行為に関与した職員の中で懲戒処分を受けているものなど存在していない。

社保庁の組織的な不正行為とは


社会保険庁が組織的に行った不正行為とは、保険料収納率を改ざんする目的で行われた。
代表的なものを二つ挙げる。

①厚生年金適用事業所の偽装脱退・偽装全喪
厚生年金に加入義務があり、保険料を滞納している事業所に対して事業閉鎖の偽装をさせて適用事業所から外すことで厚生年金保険料収納率を故意に引き上げる不正行為。

②国民年金保険料免除等の不適正事務処理
本人からの申請がないにもかかわらず承認行為を行う事で国民年金保険料収納率を意図的に引き上げる不正行為。

①に関しては従来から収納率を故意に引き上げるために行われていた暗黙の了解。
これは消えた年金問題の原因にもなった。

②に関しては国民年金の保険料収納率を引き上げて組織の信頼回復を図ろう?などという民間企業から起用された長官のよく解らない解釈のもと、組織的に画策されたな重悪な不正行為が全国規模で行われた。

しかしこれらの不正を指示した幹部や事務処理に加担した職員は「処分なし」もしくは「厳重注意」のみで処分が済んでいる。

社保庁解体直前のわずか半年の間に覗き見行為をしたとして最初に自己申告しなかったという職員だけをつるし上げ、すべての責任を取らせたというのが真実。

組織的な不正行為に加担した幹部や職員は無罪放免というのが実態だ。

それまでの腐敗した組織の膿をすべて排除した印象をつけているが、処分を逃れおとがめなしで新組織へと移行している者も大勢いる。

まとめ


組織的な不正行為はすべて組織が隠蔽してくれる。
個人の不祥事は隠蔽しない。
正義に従って指示に背けば合法的に排除される。

一連の社保庁問題を読み解いていくことは現役公務員にとって、今後の組織見直しの際に身の振り方を考えるのに役立つでしょう。

まじめにやっていれば公務員は安泰だ…というのは組織次第ということ。
「まじめ=組織に逆らわない」ということをよく理解してください。

不正の指示に逆らったもののたわごとですが。


では次の記事で。





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