見出し画像

社保庁解体の裏側③マッサージ器具備品等購入批判に隠された実態

こんにちは。
とよぞうです。

長年に渡って湯水のごとく年金保険料の無駄遣いをしてきた社会保険庁(以下、社保庁)ですが、今回はグリーンピア建設問題の次に叩かれた職員用の「マッサージ器具」の購入問題についてお話します。
かつて私が勤務していた年金事務所にも一台置かれてました。
職員に何の説明もないまま休憩室の隅にカバーが掛けられた状態で置かれ放置されていた。

マッサージ器具購入の影に隠れた「ゴルフ練習用ネット」


年金事務所の備品には、事務所ごとに購入できるものと本庁で購入されて設置されるものがあります。

実は「マッサージ器具」と同時期に購入されたものに「ゴルフ練習用ネット」もありました。
全国の単独で建てられた年金事務所の屋上に設置された「ゴルフ練習用ネット」
社保庁施設だけでなく関連する厚生年金施設にも設置された。
この「ゴルフ練習用ネット」はかなり本格的なもので、県内の建設会社が設置工事を施すほどの代物だった。

全国の年金事務所と関連施設合わせて395台の「マッサージ器具」は総額で6070万円。
「ゴルフ練習用ネット」に関して言えば設置工事費用も込みでマッサージ器具の2~3倍の費用が掛かっているはずです。
しかも無駄遣い問題がクローズアップされるやいなや、速攻で撤去してるので撤去工事費用も掛かっている。そのすべては年金保険料が財源だ。

すべて回収して売却したとされる「マッサージ器具」に対して「ゴルフ練習用ネット」は解体工事費用と処分に掛かった費用については報じられていない。…不思議です。

職員の福利厚生のために購入されたと報じられ現場の職員はさんざん叩かれた。
年金問題が報じられるたびにクレームが集中するのはいつも現場の職員だけ。社保庁や事務局からのバックアップや説明、フォローは一切無い。

年金保険料で購入した「マッサージ器具」を使用していると職員に向けられる市民の「怒り」はあまりにも一方的で職員はサンドバッグ状態でした。
何一つとして弁解は許されない。
仕事は杜撰だしミスはするし無駄遣いとやりたい放題の組織としてそこに勤務する職員として烙印を押された。

ゴルフ練習用ネット設置と撤去に見え隠れする何かとは


この「マッサージ器具」購入に関していったい何の目的があったのかを検証する記事もほとんどない。
全国的に一斉に設置される備品や工事が本庁一括で行われたことは誰が考えても明らかです。
当然マスコミの取材も受けていたはずだろう。

「マッサージ器具」はひも付きの経費を交付して事務所ごとに購入させれば問題はない。金額的にも入札不要な随意契約で購入できる。
本庁で一括購入するとなれば入札が必要になる。
入札せずに特定の業者からまとめて購入したとなれば金額的にも認められない。

「マッサージ器具」だけが随分と注目された無駄遣い問題だったが、本当に注目されるべき問題だったのは「ゴルフ練習用ネット」の方だった。

「ゴルフ練習用ネット」はマッサージ器具と違ってただの備品ではない。
国が所有する建物に施行工事が必要なため都道府県ごとにある事務局が立ち会いのもと施行されている。

まず社保庁組織がこのような無駄遣いをする裏側には、発注業者へ対して天下りを受け入れさせる目的とそれを指示する上層部の思惑が考えられます。
やましいところが無ければ撤去する必要はありません。急いで撤去した事はやましいところがありますよと言っているようなものだ。

どの業者に設置と撤去を発注しているのかは調べればわかることだが誰も注目しない。
当時なぜメディアがそれを暴こうとしないのか不思議でしょうがなかったが、今思えばメディアにとって真実などどうでもよかったのでしょう。
とにかく国民の手や声が届くところを袋叩きにして国民の怒りを誘導できればそれで構わないんだなと今でも思っている。

本来であればこのような事例があった場合、社保庁と購入業者、社会保険事務所と地元の建設会社や社会保険協会、社会保険委員会の役員を委任していた事業所などが事業所調査や会計検査時に特別な扱いが無かったかどうか、また、退職後の職員を受け入れていたかどうかなどの事実調査を行うべき状況だったはずである。

しかし、社保庁の解体を許してしまった時点でこの問題も闇に葬られた。
不正を働いた組織は「解体」ではなく「解明」が必要だった。
解体は誰かが作ったシナリオに準じた動きとしか思えません。

私にとって社保庁とは人生で一番大切な時期を無駄にされた組織であって汚点でしかありません。
私はこの組織に在籍していた事をとことん責められ、そんな自分を恥じて退職を決意しました。
今となってはどうでもいい過去の出来事です。

しかし、所々捻じ曲げられた報じられ方だけが世論に伝わったまま、下っ端の職員だけが処分されてさんざん悪事を働いてきた幹部たちが何も言わず逃げ切ってしまっていることは断じて間違っていると思うし、諸問題に関与しながら責任逃れしている職員がいまだに存在していることも間違ってると思う。

引き続き私の知る限り検証を続けていきますのでぜひお読みください。

それでは次の記事で。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?