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新芽を育てる(下)


娘の「悪口」は、本当は彼女が自分の意見を持ち始めたから。親を客観的に捉えられるようになったのではないか。と結論を出してみた。
そして、悪口を言ってしまうことに、娘はどこか罪悪感をもち、自己嫌悪に陥っている。


自己嫌悪って、厄介だと思う。

反省するためには必要かもしれない。
でも、自分を受け入れられないからこそ、嫌悪してしまうこともある。そんな時の自己嫌悪は足枷になるから、厄介だ、

今回の娘の自己嫌悪は後者だと思うのだ。
「心の中の副班長が言っている」とか「勝手に浮かんできちゃうの」と自分の意見として受けとめていないのだから。
そして、不安だからと母親に報告をしてくる。悪口を思う相手に、救いを求めて悪口を告白するって、シュールだ。(疲れている時に、悲痛な顔で悪口を言われるのは辛いものがある。)

小さいあの人に、一度に伝えても消化できないと思うので、これから少しずつ話そうと思っていることを書いてみる。

①「悪口」が浮かんでしまうことについて

一緒に暮らしていれば、喧嘩もするし上手く行かないこともある。心の中で色々思っても、最後に相手に優しければ良いと思う。

誠実って、常に心を向け、愛を注がなければいけないことではないと思う。

②「悪口」をいけないことだと思っていることについて

心の中は自由で良い。
気に入らないことがあれば、相手に対してひどいことを考えるのは自然なこと。
涼しい顔して、心の中がどろどろしているのなんて、お母さんは日常茶飯事。

浮かんだことは、消さずに認めてほしい。
心の中には天使も悪魔もいる。
だから、いろんなことが考えられる。
きれいなこと以外の考えも、あって良いと思って欲しい。
そもそもそれは、悪いことではないかもしれない。
危険を知らせて、身を守ることかもしれない。

もし、浮かんだ言葉が相手を傷つけてしまう時は
伝えないことが優しさだと思う。
今は、お母さんに言えば良い。
いつか、自分の心を上手く扱えると良いね。

③自己嫌悪について

自分がいけないことをしているって、自分で思えるのは素晴らしいことだ。

でも、なぜそう思ってしまうのかも探ってほしい。自分を悪いと思うのは簡単だけれど、最後は自分を認めてあげてほしい。
最後まで自分は自分の味方でいてほしい。

自分を無視していると、あとでしっぺ返しがくる。
自分と向き合うのをやめないでほしい。

④悪口の意味について

悪口=反論だと思う。

親は良かれと思ってあれこれ言ってしまう。
でも、あなたには自分の考えがある。
反論するのは当然のこと。
何でも素直に聞かなくて良いと思う。

どんどん反論しなさい、なるべく意見は聞きたいし、さすがにこれはダメと言う時は、全力で阻止してやるから。


※※※※※※※※※※

今日も、娘は悪口を私に報告してくる。
時々、友達の悪口もあるが、ほとんど親への悪口だ。
本人は「話すとすっきりする」らしい。

私は、広い心で聞ける時もあるし
「今、お腹空いてイライラしている。聞きたくない」
と流す時もある。
「はあ?失礼なやつだな」
と反論することもある。

この前、ブスと言われたので「母親似なんだから、あんたもブスじゃん。ブースブース」と言ったら喜んでいた。
もはや、新しいコミュニケーションの形かもしれない。

冷静に受け止められない時は、私こそ自己嫌悪だが
最後は娘に誠実でありたいので、上に書いたことを語りかけるつもりでいる。
多分これから、軌道修正もする。
小さい人と暮らすのは試行錯誤だ。

近づきぶつかり、いつか彼女は離れていくのだろう。
言葉を並べたところで、抱きしめることに勝るものはない。最後はぎゅっとしようと思う。

8歳の娘と、母親8年目の私。
親子はまだまだ始まったばかりだ。
思いがけない「新芽」があちこちから出てくる。お互い、甘すぎず厳しすぎず、育ちたいと思う。

思春期が来れば、さらに一波乱も二波乱もある。
その時、読み返せるように記録として残しておこうと思いました。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。