三拍子合作でたった一回主催をやった人が綴る主催業

 おはこんばんちわ。毒ガスです。


 3月1日に3拍子十曲合作が無事に投稿され、はや一ヶ月。お陰様で十曲舞踏十曲演舞十曲乱舞の3本全てが1,000再生を迎えることができました。
 主催業未経験であった私がこの企画を完走できたのは、参加者の皆様、運営に快く協力してくれた皆様、そして視聴者の皆様のお力あってこそであったと考えております。改めてお礼を申し上げます。
 というか私自身、かなりそそっかしくてうっかり屋なので本当に自分以外の力でなんとか出来たと言っても過言ではありません。今回私が自分自身を褒められる部分があるとすれば、動画作成のための期間をめちゃくちゃ長めに見積もった事くらいでしょうか(それでも投稿前日に完成したけど)。

 前置きはこれくらいにして、今回は『主催未経験の私が三拍子合作を踏まえて語る、主催業』について、お話します(♪Make Up City)。
この記事がいずれ「ノリと勢いで主催を振られて困ってしまった人」の助けになれば幸いです。そもそもノリと勢いで主催を振るのはやめようね!


其の壱 土台作り

 主催をしたことがない人がまず初めにすべきは、『主催が何をすべきかを知る』事です。合作は人を集める前から始まっているのです。焦ってはいけません。

 主催と言えば、漠然と「やることが多くて大変そうだなぁ」と思うことはあれど、未経験なんだから具体的に何をしたらいいかなんぞ分かりません。
なので主催をやっていそうな人間にコンタクトを取りましょう。私の場合は偶然にもフォロワーに居たので助かりました。居ない場合は探しましょう。

 主催経験者に質問をするに辺り、先んじて私は『主催がやりそうなこと』をリストアップし、それを提示した上で他に何をするべきかを教えてもらうことにしました。
 今回質問させていただいたのは、
・本合作の参加者であり、駆け抜けるメドレーコラボレーションシリーズ他多くの合作の主催・運営を行われた銀河Pさん
ニコニコ動画十曲譚という、3拍子十曲合作と同じく『1パート10曲』の合作を主催した経験のあるりゅんさん
です。ご協力ありがとうございます。
このお二方以外では、26Kさんに聞いてみるのも良いと思います。使えるものは礼儀を持って、遠慮なく使いましょう。

画像1

 そして完成したメモがこちら。人に見せる用では無いので伝わりづらいとは思いますが、要は『誰がいつまでに何を終わらせていれば嬉しいか、また其のために必要なものは何か』ということが書かれています。多分。

 では、次の工程へ進んでいきましょう。


其の弐 役者・素材集め

 次に主催が行うことは『役者と素材を揃えること』です。簡単に言えば、木材と大工を用意して家を組み立てますよってことです。

 主催とは、中心に立って合作を進める人ですが、だからといって一人で何でもやってしまってはパンクしてしまいます。主催が潰れるようなことがあっては合作全体に進行に支障をきたしますね。仮にそれで成立したとして、合作という形で人を集める事に真っ向から反している気がします。何にせよ初心者は初心者らしく、誰か出来そうな人にお願いしましょう。こなれて来て余裕が出てからでも掛け持ちは遅くはありません。

 ではここからは、メドレー合作で必要になりそうな素材と役者について例を挙げていきます。

・レギュレーションの作成
 合作の主催をするに辺り、『参加者に作って欲しい、あるいは参加者と一体となり作り上げたい理想の作品』のビジョンがあると思います。これが無くてノリでやって許される身内の間柄でもなければ主催やめろ。
そのビジョンに添って、参加者に提出してもらう音源や動画のガイドラインを作成しましょう。例えば「合作全体の動画の長さをこれくらいにしたいので、1パートの長さはここまでで一人何パートまで参加可能、参加者は何人程度を想定」といった風にイメージに合った肉付けをしていきます。
恐らくこの作業は主催がやらなければならない、合作の根幹の部分だと思います。まだ不慣れで目安が分からない場合は、やはり先程頼った主催経験者に聞いてみましょう。

・提出物
 上記のレギュレーションにも関係しますが、参加者がいつまでに何を出せば良いのかは明確に定めておきましょう。メドレー合作で言えば仮音源・本音源・動画・曲リスト・アイコン辺りがメジャーでしょうか。
提出されたファイルはしっかり管理して、間違っても仮音源を完成品に使ったりアイコンを無くしたりしないようにしましょう。

無題

 私はGoogleスプレッドシートを使って、参加者にも見えるようにして提出状況と曲リストを管理しました。こうすると参加者が他の人(主に俺)のミスに気づきやすくて非常に助かります。
 また、人数が集まると往々にして提出が遅れる人が出てくるため、参加者の様子は常に伺うようにしましょう。逆に自分が参加者になった時には、「これ遅れそうだな…」と一瞬でも思った時点で主催にその旨を伝えてケツを差し出しておきましょう。不意にケツをしばかれるよりは同意の上でケツをしばかれたほうがお互いに幸せです。

・合作の音源と動画
 よっぽど強者ばかり集めたのでなければ、提出された音源に対する監査と修正指導も行われるべきでしょう。私は音楽についてはリクツがてんで分からないため、音源監査としてそこら辺に強いPOWさん、ふぃりーさんに協力して頂きました。ありがとうございます。ここら辺は語れず申し訳ありません。

 無事に全員が監査を乗り越えたらば、次は個別の作品を合作として投稿するために1つ(あるいはいくつか)にまとめる作業があります。

 まずは音源を並べる作業です。合作として複数のパートを繋げるにあたって、とりあえず並べただけ~的なものよりは継ぎ目すらないような美しい構成の方が何かと嬉しいと思いませんか?私はそう思うので、多くのメドレーで毎回視聴者の度肝を抜く構築の鬼、記事口授ちゃんを全体構成担当として運営に招き入れました。ありがとうございます。
 音源が並んだら次はミックスだとかマスタリングだとか言われる作業です。構成班の手によって並べられた音源をさらに綿密に溶接していきます。ここは音源監査に引き続き音に強いふぃりーさんにお願いしました。ありがとうございます。メドレーは音楽作品故に、ミックスはかなり重要な部分だと思いますので、誰に頼ったらいいか分からない時は例によって先駆者にお伺いを立てましょう。

 動画は参加者が別々に作るのか、あるいは誰か一人にまとめて作ってもらうのか等様々なスタイルがあると思います。
 参加者に作らせる場合は、動画の縦横サイズやFPS値など明確に指示しましょう。いざ一つにする段階で合わないとなると最悪を通り越して災厄です。動画を貰った段階で確認し、間違っていた場合は亜光速で修正・再提出を依頼するのが望ましいでしょう。
 誰か一人にまとめて作ってもらう場合は、動画作成のために必要な情報を可能な限り参加者から引きずり出しましょう。いざ完成して参加者に見せた時に「動画の切り替えがイメージと違う」と言われたら厄災です。曲の切り替えや重ねは出来れば動画で、駄目なら時間や小節数を明確に書き出してもらうと良いでしょう。
 どちらにせよ動画も個別に担当者を見繕ったほうが良いと思います。ただし、メドレー界隈ではMedley-PVを作れる技術者は常に枯渇しているため、自力で作れるようになっても良いかもしれません。本合作では参加者に動画に載せたい画像を提出してもらい、私一人で動画作成を行いました。とてもつらかったですが好き放題やれてよかったです
 動画作成にあたって参加者の26Kさんからおすすめのオブジェクト入退場スクリプトを教えて頂いたり、同じく参加者のヒロネさんお手製のBPM表示スクリプトを頂いたりしました。ありがとうございます。


其の参 宣伝と看板作り

 ここまでの過程で参加者から集めた音源と動画は見事な作品になったことと思われます。主催としては一人でも多くの人に見てもらいたい、という気持ちでいっぱいいっぱいでしょう。

 では、それを見てもらうための仕上げの作業に入ります。

・告知
 合作に限った話では無いですが、存在を世に知らしめるには投稿の告知が不可欠です。誰にも言わずにこっそり投稿して口コミで広まることをぼんやりと期待するよりは、視聴者各位が盛大に出迎えられるように覚悟の準備をさせるようなものを作ると良いでしょう。投稿日時は出来れば人が集まりやすい土日のゴールデンタイム~深夜辺りがおすすめです。
 本合作では告知動画を作成するという手段を取りました。Twitterで文字だけ流すよりも多少は影響力が強まるんじゃないでしょうか。この告知動画は、本合作参加者であり各所で貴重なメドレーの動画作成マンとして名を覇せているまるくさんにお願いし、音源は今回惜しくも参加できなかったFullKenさんに提供して頂きました。ありがとうございます。

・動画のサムネ、ロゴ
 続いては動画のロゴとサムネです。動画の看板となる部分なので、なるべく大勢の目を引くようなインパクトあるものにしたいですね。
普段私が作っているようなどうしようもないサムネ(高確率で誤字有)で合作をおじゃんにする訳にはいかなかったため、参加者であり様々なメドレーにタイトルロゴを提供している#ぷるさんにお願いしました。
 ちなみに、必ずしもサムネとロゴは一人でやるものではなく、物によっては作ってもらったロゴを別の人がサムネ用にデコレートするスタイルもあるようです。自分にあった手段を模索しましょう。


其の肆 完成

やったぜ。我が子のように可愛がって全世界に対して合作をみせびらかしてやりましょう。


おわりに

 ここまで読んで頂きましたがいかがだったでしょうか。所詮は一度主催をやっただけの人間の言うことなので、こんなもの参考にするくらいなら「経験者にアドバイスを貰う」の時点でもっと主催経験豊富な人にまるっきり頼ったほうが身になるんじゃねえかとも思います。
 というかぶっちゃけ他人の手を可能な限り借りる所以外は私の真似をしないほうが良いと思います。動画作れるマンが居ないならじゃあ俺が、みたいなノリで全部やろうとしたりしないようにしようね!
 ちなみに私はとんでもない大馬鹿野郎なので、初主催の三拍子合作の動画作成期間中にも関わらず音MYMの運営を手伝ったり、鯖の缶詰さんのご結婚お祝いにご祝儀メドレーを作ったりしていました。絶対に真似しないでください。最悪死にます。


P.S. 三拍子で3分でBPM設定150は遅すぎて参加者の半数以上が途中でBPMを変更したので次にやる人はもう少し調節してください。

―最初で最後の主催より

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