ウナギ王vsライオンボーイ

*これは事実を基にフィクション化したものであり、面白可笑しくするためにかなりの誇張表現が含まれていますのでエンタメとして御覧下さい。

vsライオンボーイ 1章『邂逅(かいこう)』

ウナギ王原田ヨシキ、彼はストリームライブ配信コンテンツ「ふわっち」においてライブ配信を行う傍ら、漁師として主にウナギの仕掛け取り、ハマグリやカニの漁を行う配信者である。

7月某日、その原田ヨシキがいつものように関東某所のカニ漁の穴場(沿岸部)での漁をライブ配信していた。 
配信コンテンツ内では様々なことに期待した視聴者(リスナー)が彼を見守り、水に落ちてくれないか、カニに挟まれて痛がる様子を見てみたい等の淡い期待を持つ若干名のアンチを含め、大多数はカニ漁への関心をもって彼を見守っていた。

そんな折、カニが1匹、2匹と獲れてライブ配信内のムードも盛り上がる中、

ヤツは現れた。。。

【以下再現チャットコメント欄】

 視聴者A:こんにちは、今日もよく獲れてますね^^
 視聴者B:どれくらいでカニって売れるんですか?
 視聴者C:がんばってますねー
 ライオンボーイ:クイズを出していいですか? 
当たれば大花火3つ投げます。                   
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

大花火はライブ配信内で視聴者から配信主へ与えることができるアイテムであり、1個が2000円相当、3つで6000円分の価値がある。
 
アイテムの説明はさておき、今までのチャット会話の流れをぶった切って現れたライオンボーイは突然クイズを提案しだした。

漁であくせくと作業をしていた原田ヨシキだったが、当たれば6000円相当、外れても何も損するものがないと判断し、なぜここでクイズなのかは深く考えることをやめ、作業中の手を止めて画面越しに快諾した。

(原田) 当たればもらえるだけだし、損はないからいいですよ。クイズ出してください。

突然の出来事に理解が追いつかない多くの視聴者を置き去りにし、原田ヨシキの返事から1分が過ぎた頃、ライオンボーイからのクイズの出題が発表された。

 ライオンボーイ:今日僕にとってうれしい事件がありました。それはなんでしょう?

これは問題と言えるのか?と原田ヨシキを含む現場に居合わせた視聴者全員が首をかしげつつも、選択肢やヒントが続くだろうと待つこと1分・・・

選択肢やヒントは続かず問題はこれだけだった。

確かに当たれば6000円の問題なため、当てさせる気はいんだなと原田ヨシキは理解しこう答えた。

(原田ヨシキ)難しいですね、ノーヒントですか? うーん、恋人ができた?

出題者が出題者なら回答者も回答者である。 原田ヨシキの自分の願望をそのまま答えただけの回答だったが万が一もある。そのまま正解を待つことさらに1分。

 ライオンボーイ:ぶぶー、答えは”新車を購入してお盆に納期が決まりました。” 

わかるわけがない。そもそもその問題を出した意味をまず聞きたいと皆が思いつつも、常識のはるか斜め上を飛び越える解答にカニ漁配信はそのまま閉幕した。
                       →2章『二問目』へ続く


vsライオンボーイ 2章『二問目』


ライオンボーイ本人以外誰得情報を無駄に手に入れ、原田ヨシキ及びそのリスナーが釈然としないまま眠れぬ夜を悶々と過ごした翌日昼過ぎ、原田ヨシキの姿が彼の自室にあった。 もちろん日課のライブ配信をつけてである。

カニ漁での肉体的疲労に加え昨日のクイズやりとりでの精神的疲労による休憩をとるため、本日は「ハンドメイド配信」に切り替えたのである。

ゴリラのような指に似合わず細かい緻密な作業により、ハンドメイドによる粘土細工を次々と作っていく姿は正に「疲れ切った類人猿」そのものである。

視聴者も疲れをいやしながらゆっくりとした時間がすぎていく・・・


そんな中、再びヤツは現れた・・・

【以下再現】


・・・・・・・・突然である。 そう、昨日よりバージョンアップし、予備動作なしで縮地を決めてきた彼の行動はまさに進化していた。 しかし、問題の質は進化していないことに原田ヨシキ及び視聴者は時が止まり、そして3分後何事もなかったかのように動き出す。

(原田ヨシキ)今日の問題も難しいですね、4択とかは無理ですか?無理ですよね。じゃぁ答えは”胸のレントゲンを間違って取られた!”

出題者も出題者なら回答者も回答者である。 結婚願望120%の原田ヨシキにとっては、すべて女性に対する欲望が何よりも優先される。 
ちなみにこの問題の答えはもちろん斜め上のため割愛させて頂く。
*下ネタがすぎると原田ヨシキ自らの手により回答は即コメント欄より削除された。

                      →3章『進化』へ続く

vsライオンボーイ 3章『進化』

さて、これで終わるかと思われた「出会って3秒でクイズ」も3日目にして進化をみせる。 あてられるわけがないと出題者のライオンボーイもきづいたのか、問題に大きな進化が現れる。 そう、4択である。

ライオンボーイ:今日かわいい子がいたので車のコーティングをしてあげました。さていくらでしてあげたでしょう?当てたら大花火3発あげます。
①1000円
②10000円
③5000円
④20000円

どうも仕事場が車関係のようらしく、ライオンボーイの個人情報をクイズにした問題に原田ヨシキは戸惑った。

(原田)4択ですか、大花火3発ってことは6000円以上ですよね。簡単です。答えは4番の20000円!

しかし、3分待っても答えが発表されない。さすがに4択は簡単すぎて当てちゃったか?と配信をみている皆も思い始めたころ、答えが発表される。

ライオンボーイ:ぶぶー。答えは①の1000円でした。

クイズの答えはさておき、原田の視聴枠にいた皆はこう考えた。
「日給1000円・・・・」

日給1000円で大花火3発投げるには6日分の労働をすべて原田ヨシキに搾取されるのと一緒である。 つまり、今まで当たらない理由はそこだったのだ。

ライオンボーイ本人は、自分と仲良くすればコーティングも1000円でやってあげるくらい価値があるぞ! というアピール問題のつもりだったのだが、渡る世間は非情である。 皆は日給1000円でどうやって暮らしているのだろうと、世知辛い世の中に心が沈んでいく。

そうして3日目のクイズは終えた。
                      →4章『月光』へ続く

vsライオンボーイ 4章『月光』


さて、このやりとりもそろそろ飽きてきた読者も多いのではなかろうかという4日目、ついに終幕を迎える。

当てさせる気ないなら先に答えを書いて伏せておけば、答えによって解答が変わることないじゃないかとトイレ中気づいた原田は奇策を思いつく。

そんな奇策が用意されていることをつゆとも知らないライオンボーイは元気に今日も現れた。                                

問題についての批評は割愛し、原田は用いた奇策を披露する。

(原田)先にこちらが答えると後出しじゃんけんみたいになる可能性もあるので先に携帯に答え書いて伏せておきますね。 で、解答発表後に答え合わせしましょう。

そして、原田は端末に答えを打ち込み、そっと伏せる。
セミの鳴き声だけが配信内に響き、原田を含む視聴者全員が手に汗を握り答えを待つ・・・

掲示された解答はC。 さて、その後は【再現VTR】に続く











とうとうライオンボーイを仕留めた原田。 しかし、ご褒美の大花火もそのあとのライオンボーイのコメントも急に途絶えた。 待てど待てどコメントが来ない。 

30分後、原田は気づいてしまった。 これってもしかして新手の詐欺なんでは・・・と。

再び【その時の再現VTR】


話せばわかるではないが、ライオンボーイも人の子、涙の訴えにとうとう隠れてもいられず、現れてこう声を振り絞った。

まて、まつのだライオンボーイ。 分割はともかく、分割して割引って何?そして、そもそもそれは買い手が用いる言葉であって与える側の言葉ではないんじゃないだろうか。

今日も晴れわたる夏の空、原田の配信内は疑問という台風が襲っていた。 

                               


vsライオンボーイ エピローグ


私原口ヨツキはこの物語をしたためた後、分割払いの行方が気になっていた。 
そんな折、事件の時からすでに3日経とうとしていた頃に原田ヨシキから夜LINEがきた。

(原田)原口さん、ライオンボーイが配信してるみたいです。行ってアイテムでも投げて挨拶しにいきませんか?

(筆者)それは是非、ところであの後アイテムの分割納品はあったんですか?

(原田)いいえ、まだなのでその督促も兼ねて。

(筆者)わかりました。では枠に一緒にいきましょうか

そしてリンクURLを張ってもらい、配信へお邪魔しようとすると・・・・

システム:あなたはブロックされているため配信を視聴できません。


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意外と繊細なライオンボーイへ愛をこめて    
                        ~FIN~



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