結局マヂカルラブリーが好きな話(M-1グランプリ2020編)

寒い日々が続いております。もう年末ですね。私は毎年おもしろ荘で新年を迎えているのですが、皆様は毎年どうやってお過ごしになられますか?


とうとう今年もM-1グランプリが終わってしまいました。

5月くらいの時、「これKOCとM-1出来るのか?」という雰囲気が漂っていましたが何とか2大会とも終えることが出来て1お笑いヲタクとしてとても安心しましたし嬉しいです。

残念ながら当日、祇園がコロナの影響で敗者復活戦欠場となってしまい本当に悲しかったですが、敗者復活戦の出番準抽選会で司会の銀シャリが「祇園の分まで頑張るぞー!」と声をかけてくださったり、インディアンスが掴みで「お待たせしました木崎です!」をやったり、何より会場の幟など最後までそこに祇園がいるかのようにしていただいたのが嬉しかったです。しかも幟には2人のエントリーナンバーのシールが貼られていたとか。ここまで来たら祇園には来年良いことしか起こらない気がしますね。次は決勝で見ることが出来ますように。



さて、4月に私は野田クリスタルR-1優勝記念といった感じでマヂカルラブリーに対する記事を書きました。この4年くらいのヲタク話といった内容なのですが、12月20日、全てのことを上回ることが起こってしまいました。

というわけで今回は結局マヂカルラブリー好きな話、M-1グランプリ2020編です。彼らにとっての最後のM-1を追ったただのヲタクのドキュメントを読んでくださるとありがたいです。


9月18日、ルミネで無観客の単独ライブが行われました。R-1獲ってから初めての単独だったのですがご時世を考えて配信のみでの開催。笑い声が聞こえないということはどこか寂しさを感じましたがそれでも楽しいものは楽しくて大変画面越しに笑わせていただきました。そこで初めて披露したのが「つり革」という漫才です。この時は雰囲気的にこれがM-1に持っていく漫才なのかなくらいの印象で特別好きなネタというわけではありませんでした。

そして例年のようにスタートしたわけですが、今年は波乱の幕開けでした。2回戦直前、村上さんの濃厚接触者判定で2週間の外出自粛。日程的に何とか出場は出来るものの殆ど舞台に立つことなく予選に出なければいけない状況でした。この時に2回戦で落ちるコンビではないとはいえ私は「ああ、今年の運はR-1で使い果たしたのだな」と思っていました。

とまあこんなスタートでして、それで何とか今年も準決勝まで勝ち上がってきたのですが、問題は次。昨年私は映画館で準決勝を見ていて単独で見て大好きだった「師匠と弟子」が思うようにウケていないのを目の当たりにしていたのをよく覚えていたためとても怖かったのです。でも、席に着いたら「つり革」でバッチバチに会場を沸かせている2人がそこにいました。先ほど書いた通り、つり革は単独で見た時は特別好きなネタではなかったのですがしつこさも全て程よくなっていてその時の倍以上に面白くなっているなと思いました。結果は無事決勝進出。名前が呼ばれた時、まあ行くだろうなとは思いつつも映画館で小さくガッツポーズをしたことを覚えています。

さて決勝までの2週間ですが、色々な人の予想を目にしました。Twitterでもそうですし、芸能人の予想、占い師の人が予言したもの。そこでまあ彼らの名前が殆ど出てこなかったんです。でもそれはしょうがないこととは思っていまして、3年前のイメージも強いですしそれより優勝する画が見えているコンビはいました。正直私も優勝予想はおろか、三連単にも入れていませんでした。

ですがヲタク心として名前が出てこないと少し悔しくなるもので、よくよく見たら三連単の人気順も2017年の時よりも低くて「何で!?」と勝手に怒りを覚えることもありました。自分も予想に入れていないのに。

そんなこんなで迎えた決勝の日。準決勝のライビュは母と行ったのですが、その母が決勝直前に「申し訳ないけれどマヂラブは優勝できる漫才ではないと思う、でも準決勝で一番好きな笑ったよ、2本目出来ると良いね。」と言ってきました。私が今年のKOCでGAGの結果に悔し泣きをしていたのを見ていたので予防線を張ってくれたのでしょう、ありがたいです。

と言うわけで始まった決勝。見取り図→おいでやすこがで会場のボルテージが上がっていたのは画面越しで伝わってきました。次6番目、嫌な予感はしました。2017年と同じ出順、ここで呼ばれたらあの時のデジャブだ。頼む、まだ引かれないでくれ。今田さん、笑神籤を引く。上戸彩「マヂカルラブリーです!」私、絶望。2回戦から踏んだり蹴ったりで開始した彼らのM-1、それが決勝でも続行かいな!なんて思いながら漫才スタート。

ただ、1つおや?と感じたのは紹介Vで3年前のことが写った時に会場の笑い声が聞こえてきたことです。あれ、もしかしてお客さん味方に付けてない?とここで思い始めます。そしてせり上がりの土下座。もしかしてあそこでも何かやってくるかなと思ったらM-1史上最速の掴みをしてきました。これで私はそれまで感じていた不安が殆ど取り除かれたわけです。

ネタは「高級フレンチ」2018年の敗者復活戦でも披露した漫才。確かこの年の準々決勝でも披露しました。これを持ってでも決勝は無理なのかと当時がっくし来た一本をここで持ってきたことに感動しました。会場大爆発ということに気が付かないくらい爆笑する私。この漫才好きだなと再確認しました。この5分で絶望したり爆笑したり忙しいですねこのヲタク。

問題は得点。会場ウケは上々とは思っていましたがどうだろう。一人目の巨人師匠が88だった時、あー好みが分かれて厳しいかと思いましたが、次の富澤さんで流れと空気が変わりました。(本人たちも「巨人師匠との第2章が始まると思った」と発言していましたね。)並ぶ90点台。そして上沼さんの94点。叫ぶ2人。私ガッツポーズ。「あんたら阿保やろ。」は最大級の賛辞だなあと思って噛み締めました。本人でも何でもないのですがこの点だけで嬉しかったしそれだけで十分だと思っていました。

最終決戦が決まった時は嘘でしょ?いいんですか?という思いだった。R-1の時も「2本目出来るの?いいんですか?」と思っていましたが、やはり一悶着あったM-1で2本目まで行けるということが信じられなかった。

最終決戦に選んだネタは「つり革」準決勝で披露した漫才。そういえばファーストラウンドで準決勝でやったネタでないものをしたのはマヂラブだけでしたね。

会場ウケる、ずっとウケる。ネタ終わり、今田さんが涙を流して笑っているのを見て「ああ幸せだな。」と感じていました。2017年で見たかった景色をずっと見ている感覚でした。

結果発表前は武士になった気持ちでした。もうどんな結果でも受け止める覚悟で、準優勝、3位の時の感想文も考えていました。なんにせよこの一晩で2017年のイメージが完璧に払拭されたことは事実であり、マヂラブの漫才は面白いということを全国に伝えられたということだけで嬉しかったのです。開示の瞬間は正座で真っすぐテレビを見て待機していました。

正直全ての結果が分かった瞬間はあんまりよく覚えていませんでした。「優勝は、マヂカルラブリー!」で舞う銀テープ。決勝が決まった時のように女の子みたいな喜び方をする村上さん、対して野田さんは私が見たことない表情をしていました。そこで「ああ、優勝したんだ・・・」と理解したのですが、それでもあの時はまだフワフワしていました。

反省会が始まった辺りで私は2016年からのヲタク人生を勝手に振り返りました。2016年の敗者復活戦で衝撃を受けたこと、2017年決勝が決まって嬉しかったこと、決勝後に本人たちにも誹謗中傷のメッセージが来て悲しかったこと、2018年昨年のファイナリストが殆ど決勝に行く中でマヂラブが落ちて悔しかったこと、敗者復活戦の順位が低くて愕然としたこと、2019年KOCもM-1も予選で落ちたけれど不思議と悔しい気持ちはなかったこと、決して楽しいことばかりではなかったけれど確かにこの4年私は一ヲタクとしてマヂラブのM-1追いかけて、夢を託していました。そんなことを思っていたらようやく「良かった~」と実感がわいてきました。今のところ最下位から優勝したのは彼等だけということでまた新しい記録を打ち立てたのも嬉しかったです。

悲しいことがあるとすればもうM-1の予選で無双するマヂラブが見られないということ、M-1サイコー!とか決勝での脱ぎ芸(今年はなかったですが)も、とにかくM-1用の漫才をもう見ることが出来ないんだなと思うと寂しく感じます。そういえばマヂラブは今年で5年連続準決勝進出。連続進出記録はかまいたち、和牛と並んで1位タイ。いつの間にか私にとってマヂラブはM-1に必要不可欠な存在になっていました。

それでも優勝と言う形でM-1を卒業できたのは嬉しかったですし、コンビのこれからがとても楽しみです。


先ほど、2019年KOCとM-1のどちらも決勝に行けなかったけれど悔しい気持ちはあまりなかったと書きましたが、これについても書かせてください。端的に言うと2018年の準決勝落ちで正直以前の勢いがなくなってしまった気がして、決勝の予想にも入れていませんでしたし何より準決勝のネタを実際この目で見たのが大きかったです。好みどうこうではなく明らかに決勝進出組よりもウケは劣っていたし勢いも私は感じませんでした。2019年は敗者復活戦も投票しませんでした。だからまあ予選で落ちるということに慣れてしまっていたのですかね。

だからこそR-1の決勝行きが嬉しかったですし、確実にそこから風向きが変わった気がします。決勝予想に入れてくる人も多くなりましたし、実際予選の動画を見ても追い風を感じていました。

やはりその年の勢いとか予選の評判とかは少なからず影響はするのだなと改めて実感いたしました。(もちろんそんなものは関係ない漫才師もいますが)


さて、優勝したその瞬間はずっとフワフワしていたのですが、決勝から2日後にこの一年を振り返っていました。正直皆さんもそうでしょうが、ろくなことが本当に起きなかった年でした。

荒れてしまうことが多くて、友人に俳優志望や作家志望の子もいるのですが決勝の前日くらいに何かが爆発したみたいに「大学生にもなって夢追いかけてるのダサいし馬鹿みたい」とずっと家で愚痴を言っていました。母親にも「そういうこと言うの辞めなよ」と言われて口論にもなりました。でもそれは自分がそういう道に行く勇気がない嫉妬から来るものということは分かっていました。そして進路についてもう決めなければいけない時期に夢に向かってまっすぐ進む友達が羨ましくてしょうがなかったんです。そんな気持ちが突然暴走してしまいました。でも次の日に私の大好きな漫才師が夢を叶える瞬間を目の当たりにしました。荒れた考えになっていた自分に神様は喝を入れてくれたのだなと思いました。夢は自分次第で叶うって教えてくれたのかもしれないと。

ヲタク事情も色々ありました。好きな芸人が解散して、佐々木琴子ちゃんが選抜を経験しないまま卒業して、欅坂が解体して、KOCの結果で悔し泣きをして、R-1の謎改正でも悲しんで、正直ここまで辛いことが立て続いたのも初めてでした。3週間前くらいは北野日奈子ちゃんが選抜落ちして大泣きしていました。ネガティブな言葉が口癖になってしまっている時もあって毎日死にたいと言っている時期もありました。

だから今回のM-1で本当に救われました。「最下位から優勝をした」と言う事実だけで希望を見出せました。人生なんて自分次第なのだから、自分にもきっと良いことは起きると信じて生きて行こうと思います。本当に今回のM-1には救われました。


長々とごめんなさい、それでは最後にですが今回のM-1、私はずっとゲン担ぎをしていました。これはマヂラブが優勝してほしいからと言うわけではなくこのようなご時世だからファイナリストがみんな健康で決勝に挑めるようにしたことです。その一覧がこちらです。

準決勝から決勝までの期間おやつとお酒を辞める、家の風呂掃除1時間(6月からやっていました)、家とバイト先のトイレ掃除(8月から実施)、寝る前にお祈り(キリスト教のミッションスクール出身なので知っています)、つり革に掴まらずに電車移動

以上がM-1に憑りつかれたヲタクの末路です。皆様はこんな危険な応援の仕方をしてはいけませんよ。最後に関しては結局マヂラブの漫才からですし。


さて余談ですが決勝までの1週間、気持ちを高めるために聞いていた曲があります。それが山下達郎の「希望という名の光」でした。低い下馬評、なかなか優勝予想で名前が上がらないのを見ていて、「運命に負けないで」のところで「負けないで~・・・。」と祈っていました。

いや結局優勝してほしかったんかい!!!


長々とごめんなさい!改めておめでとうございました!

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