上着
どこかに忘れてきてしまったらしい。
デイに置き忘れたのかと電話で問い合わせたが、無かったとのこと。他のどこに置いてくるのだろう。スーパー?病院は私が一緒に行くのでそれはない。
姑宅でクローゼットやタンスの中を探してみたが、なるほど無い。居間の隅にたたまれている服の中にもない。
無くしてしまったのだろうか。他に着る服はあるようなので、そのまま忘れることにした。私が。
姑は忘れなかったのだ。というか、ふと思い出してしまうようで、その後も数日、デイで聞いてみたり、私にもまた話すのである。
何度もデイで聞いてるようなので、ケアマネさんにも相談しようかなと思っていたところ、「あった」と言う。
麻風の素材の上着は季節が過ぎたので、畳んで物置にしてる部屋の袋に仕舞われていた。仕舞った事を忘れてしまったのだ。
「出てきてよかったね」
脱力しつつそう言うしかなかった。
型崩れするかもしれないので、クローゼットに仕舞ってもらうことにした。その方が、掛かってるのがよく見えて、無くなってないことがわかるから。
捜索はたびたびあるけれど、今回わりと大きめのものなのになかなか見つからなかった件でした。
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