メルマガ『東医宝鑑(東醫寶鑑)とういほうかん─古典から東洋医学を学ぶ─』第391号「氣爲精神之根蔕」(内景篇・氣)2
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◇ 東医宝鑑(東醫寶鑑)とういほうかん─古典から東洋医学を学ぶ─ ◆
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第391号
○ 「氣爲精神之根蔕」(内景篇・氣)
◆ 原文
◆ 断句
◆ 読み下し
◆ 現代語訳
◆ 解説
◆ 編集後記
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こんにちは。気の章「氣爲精神之根蔕」のつづきです。。
◆原文◆(原本の文字組みのままを再現・ただし原本は縦組み
・ページ数は底本の影印本のページ数)
(「氣爲精神之根蔕」p86 下段・内景篇・精)
茅眞君曰氣是
添年藥心爲使氣神若知
行氣主便是得仙人養性
▼断句▼(原文に句読点を挿入、改行は任意)
茅眞君曰、氣是添年藥、心爲使氣神、
若知行氣主、便是得仙人。養性。
●語法・語釈●(主要な、または難解な語句の用法・意味)
▲訓読▲(読み下し)
茅眞君(ぼうしんくん)曰(いは)く、
氣(き)は是(こ)れ年(とし)を添(そへ)る
藥(やく)、心(しん)は氣(き)をして
神(しん)ならしむることを爲(な)す、
若(も)し氣(き)を行(めぐら)すの
主(しゅ)を知(し)らば、便(すなは)ち
是(こ)れ仙(せん)を得(え)る人(ひと)ならん。
養性(ようせい)。
■現代語訳■
精は気の子である。気は精神の根幹である。
茅真君が言う、気は寿命を延ばす薬であり、
心は気を神に変えさせ、
もし気を運らせる主体を知るならば、
彼は仙人となることができるであろう。『養性』
★ 解説 ★
気の初めの項目「氣爲精神之根蔕」の続きです。
この前の部分で、精と気、また神の関係が説かれていましたが、ここでは気と神との関係が説かれています。
原文で見ると五字単位で文が構成されていることがわかりやすいですね。
そして四つのユニットで文章が構成されていることもわかります。
1、3、4段は比較的わかりやすいですが、2段目が少しわかりにくく、前後の関係や、また精の章、さらに気に続く神の章なども参照しながら意味を考えるのが良いかもしれません。
先行訳は「心は気を呼ぶ神ともなる。」と、わかったようなわからないような訳にしていて、「神」が「しん」なのか「かみ」なのかもよくわからない訳ですね。
いくつかの韓国語訳でも「気と神」と並列にしているもの、「心は気を働かせる神である」としているものなど、読みがわかれますが、私の読みはそれらのどれとも違う解釈をしています。
「爲(為)」には「変わる」という意味もありますので、それを採用してみました。どれが妥当か、もしくは他にもっと良い読みがあるのか、ご検討いただけたらと思います。
何気なく説いていますが、最後に「若知行氣主、便是得仙人」と言っており、この秘訣を読み解くことができれば、また体得することができれば、仙人になれる、という極めて実際的な教えとして読むことも可能です。
このような文は、わからない人にはチンプンカンプン、わかる人だけにわかる、その段階に至った人にわかる、というような意味合いが多々ありますので、これもそのような文と考えても良いかもしれません。
東医宝鑑には、直前に導引法があったように、また身形の章で導引や、今でいう気功、仙道のような内容が多く登場しており、むしろこの分野を強く推奨し、医学の根幹の一つに据えていることが読み取れます。
そして今号の文章のように、秘訣的な内容も含んでいる可能性のある文も散見され、湯液や鍼灸に比して、まだまだ手付かずのお宝的な内容が眠っていると言えるかもしれません。
◆ 編集後記
気の章の続きです。これでもう「氣爲精神之根蔕」は終わりです。素っ気ないような記述ながら、極めて大切な内容を説いているものと思います。
次は続く「氣生於穀」の項目です。
(2020.11.08.第391号)
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