メルマガ『東医宝鑑(東醫寶鑑)とういほうかん─古典から東洋医学を学ぶ─』第396号「氣爲衛衛於外」(内景篇・氣)1

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 ◇ 東医宝鑑(東醫寶鑑)とういほうかん─古典から東洋医学を学ぶ─ ◆


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  第396号

    ○ 「氣爲衛衛於外」(内景篇・氣)

        ◆ 原文
      ◆ 断句
      ◆ 読み下し
      ◆ 現代語訳
      ◆ 解説

      ◆ 編集後記
          

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 こんにちは。気の章「氣爲衛衛於外」に入ります。
 

 ◆原文◆(原本の文字組みのままを再現・ただし原本は縦組み
      ・ページ数は底本の影印本のページ数)


 (「氣爲衛衛於外」p86 下段・内景篇・氣)

氣爲衛衛於外
                  靈樞曰衛氣者所以温分肉而充皮膚
       肥〓理而司開闔故衛氣温則形分足(〓月奏)
   矣

 ▼断句▼(原文に句読点を挿入、改行は任意)

 氣爲衛衛於外

       靈樞曰、衛氣者、所以温分肉、而充皮膚、

  肥〓(月奏)理、而司開闔、故衛氣温則形分足矣。


 ●語法・語釈●(主要な、または難解な語句の用法・意味)

 ▲訓読▲(読み下し)

氣(き)は衛(え)爲(た)り

  外(そと)を衛(まも)る

       靈樞(れいすう)に曰(いは)く、衛氣(えき)は、

  分肉(ぶんにく)を温(あたた)め、

  皮膚(ひふ)を充(みたし)て、

  〓(月奏)理(そうり)を肥(こや)し、

  開闔(かいごう)を司(つかさど)る所以なり、

  故(ゆえ)に衛氣(えき)温(あたたか)きときは

  則(すなは)ち形分(けいふん)足(た)る。


 ■現代語訳■
  
気は衛気となり、外を衛る

       霊枢に言う、衛気は、分肉を温め、

  皮膚を充たし、〓(月奏)理を肥し、開闔を司る、と。

  ゆえに衛氣が温かければ身体は充実する。


 ★ 解説 ★

 「氣生於穀」の次の項目「氣爲衛衛於外」です。前の項目で栄気と衛気という概念が提出されましたが、ここで後者の衛気を主題に取り上げています。

 表題からして「衛気」の「衛気」たる所以を物語っています。つまり外を
 「衛(まも)る」ために「衛気」と呼ばれていることがわかります。


 文の基本は霊枢からの引用ですが、陰陽は「故」の前までで、つまり初めと終わり、「靈樞曰~故衛氣温則形分足矣」は東医宝鑑の編者さんの言葉ということになります。

 霊枢の引用の中には、「分肉」「皮膚」「(月奏)理」「開闔」という4つの要素が取り上げられており、それぞれ「温」「充」「肥」「司」という作用が挙げられています。

 この4つがなぜこの順番で挙げられ、それぞれなぜこの作用が挙げられたのかを検討すると霊枢の作者さんが衛気に見たものが透けてみえるのではと思います。

 以前に書いたように、先行訳には引き続きこの項目もありません。先行訳をお持ちの方は先行訳にない情報としてお役立ていただけたらと思います。

 ◆ 編集後記

 「氣爲衛衛於外」に入りました。この項目は文が長く、少なくともあと6回は配信が必要で、この項目のうちに年をまたぎそうです。

 全体の翻訳を進めつつ、メルマガは引き続きこのペースで配信を続けていくつもりです。どうぞよろしくお願いいたします。 

                      (2020.12.13.第396号)
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