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利尻島 研修レポート 2024/5/20~21

■研修目的

①丘珠空港視察
②利尻島を定期観光バスでまわり今後の案内に役立てる

■研修1日目 5月20日(月)

①   札幌駅→ 丘珠空港(北都交通)
②   丘珠空港 15:00→ 利尻空港 15:55
③   利尻島鴛泊地区ホテルに宿泊
④   利尻富士町 温泉保養施設 利尻富士温泉

札幌駅から丘珠空港までは地下鉄栄町駅を経由する空港連絡バスで約30分。運賃700円。
支払方法は現金、各種クレジットカードのタッチ決済、paypay, バスもり。※タッチ決済は乗車時と降車時にクレジットカードをカードリーダーにタッチすると支払いが完了する。

札幌の空の玄関口 丘珠空港

空港入口に咲くライラック
空港連絡バス
歩いて搭乗

丘珠空港は札幌中心部から北に7キロ離れたところに位置している。
駐車場(345台)1時間まで無料、24時間まで400円、以降24時間毎400円。
ただし、時間帯によっては大変混雑するので、公共交通機関の利用を推奨している。

1階に各航空会社のカウンターがある。
事前に予約・購入・座席指定を済ませており、預ける荷物もなかったため、階段で出発ロビーのある2階へ。

利尻空港行きJAL2885便は満席で、保安検査場の混雑が予想されるとのアナウンスが聞こえた。
保安検査場のレーンは1つしかない。早めに通過すると、先発釧路行き、後発中標津行きを待つ人で搭乗待合室は想像以上に混んでいた。

丘珠空港の発表によると、2023年度の利用者数は43万9127人(前年度比36.9%増)で、1992年の空港ビル開業以来過去最多だった。
札幌市は2030年までに旅客者数100万人を目指しており、さらなる路線拡充のため、滑走路を現行の1500メートルから1800メートルに延伸する要望書をすでに国に提出している。
札幌市の試算によると、丘珠空港で道外路線1便が通年で1往復すると、年間約10億円の経済波及効果があるとのことだ。

ここ最近の新規就航は以下の通り。
①   2023年3月 フジドリームエアライン 県営名古屋空港⇔丘珠空港(夏ダイヤ)
②   2023年10月 北海道エアシステム 中標津空港⇔丘珠空港 / 秋田空港⇔丘珠空港
③   2024年1月 トキエア 新潟空港⇔丘珠空港

当観光案内所でも丘珠空港についてのお問い合わせが増えている。
「就航地を知りたい。」「飛行機の時刻表が欲しい。」「アクセス方法を教えてほしい。」等々、特にシニアのお客様から毎日のように質問を受ける。

わずか55分のフライトで利尻島に到着

窓側席右側からの景色
利尻到着

到着ロビーを出ると、ホテルの方が待っていてくださり、すぐに送迎車に乗ることができた。利尻空港からホテルには数分で到着した。
かなり寒かったため、夕食までお部屋で休ませてもらうことにした。

18時になり、食堂に行くと、テーブルには海の幸、山の幸をふんだんに使った豪華な料理が並べられていた。
かなりの品数だったが、さらに「これ食べてみて!」と愛嬌たっぷりの女将さんが三平汁を持ってきてくれたり、ホタテの陶板焼きに火をつけてくれたり、おいしい料理と笑顔でもてなしてくれた。

夕食後に気になっていた温泉への道順を尋ねると、送迎を申し出てくださった。お言葉に甘え、利尻富士温泉へ。
とても良いお湯で体の芯から温まった。

利尻富士町りっぷくんの看板
利尻富士温泉
温泉から見える夜桜

■研修2日目  5月21日(火)

宗谷バス 定期観光バス 利尻Aコース 所要時間3時間10分、 3,500円

鴛泊フェリーターミナル 8:35→姫沼(30分)→野塚展望台(車窓)→オタトマリ沼(30分)仙法志御埼公園(30分)→寝熊の岩(車窓)→ 利尻空港 →鴛泊フェリーターミナル

①   鴛泊フェリーターミナル→利尻富士温泉
②   利尻富士温泉→利尻空港
③   利尻空港16:25→丘珠空港 17:15
④   丘珠空港→札幌駅

ホテルの女将さんが「観光する日が晴れてよかったね!見る場所によって利尻山の形が違うんだよ。」と笑顔で教えてくれた。
観光バスの窓口がある鴛泊フェリーターミナルまではホテルの方に送っていただいた。宗谷バスの定期観光バスの支払いは現金またはpaypayのみ。

「あの船に今日の旅の仲間が乗っています!」
とガイドさん
稚内6時45分発フェリーが
鴛泊港に8時25分到着
宗谷バス 定期観光バス 
参加者は9名

利尻Aコース 秀峰利尻富士めぐり

①   姫沼 (30分)

逆さ利尻富士!

姫沼は周囲800メートル。
大正6年(1917)、利尻山の湧き水をせき止めたことで、当時3つあった沼が1つになった。ヒメマスを放流していたのが名前の由来だそうだ。
橋を渡り、遊歩道を進むと、原生林が広がる。
足元に咲く高山植物を愛でながら散策。

オオバナノエンレイソウ

オオバナノエンレイソウ
ユリ科の多年草 5月中旬▶6月中旬  三枚の葉と三つの花弁が特徴
発芽してから花が咲くまで10年以上かかる。
延齢草の名の通り、寿命は20年から50年とも言われる。
言葉は「奥ゆかしい美しさ」

ツバメオモト

ツバメオモト
ユリ科の多年草 5月中旬▶6月 
直径1cm程の可憐な白い花を咲かせる。秋には藍色の青い実を結ぶ。
果実が燕の頭に似ているのが名前の由来(諸説あり)
漢字名は「燕万年青」 花言葉は「崇高な精神」

姫沼 木道
姫沼 休憩舎

営業期間 5月~10月(11月~4月は閉鎖)
駐車場敷地内にトイレあり

1億円かけて作ったという木道は、ほぼ平らで歩きやすい。
空気は澄んでいて、鳥の囀りが聞こえる。

バスの中で、「三枚葉のツタウルシには気をつけて!絶対に触らないでください。」と念を押された。
触ると大変はことになるらしい。
発症は三日後で1か月間かゆみが続くそうだ。

休憩舎では写真やポストカードを販売している。 ※内部は撮影禁止。

②   野塚展望台(車窓)

残念ながら写真に収めることができなかったが、ラナルド・マクドナルドの顕彰碑がある。
今から176年前、日本に憧れた24才のアメリカ人青年が捕鯨船から単独で小舟に乗り込み、遭難者を装って利尻島に上陸した。

後に、長崎に送られ、日本ではじめてのネイティブ英語教師になる。
その時の教え子の一人、森山栄之助はペリー来航時の通訳として活躍、日米和親条約、日米修好通商条約締結の際にも重要な役割を果たす。

ラナルド・マクドナルドが長崎に滞在したのはわずか7か月。
その短い期間で英語を自分のものにした森山通詞、 オランダ人から基礎は学んでいたとのことだが、驚異の習得力だ。
それにしても先ず、ラナルド・マクドナルドが無事に生きて発見されて良かった。
さぞかし危険な試みだったことだろう。

日本に対して深い思い入れがある彼は「ソイナラ(さよなら)、マイディア、ソイナラ」という言葉を残してこの世を去ったそうだ。
バスガイドさんが紹介してくれたラナルド・マクドナルドと日本の開国を描いた吉村昭著の歴史小説「海の祭礼」も機会があったら読んでみたい。

③   オタトマリ沼

利尻島最大の湖沼。周囲1.1キロメートル。
沼の周辺には「沼浦湿原」(利尻富士町指定天然記念物)が広がる。

6月~7月には島固有の植物リシリアザミ、エゾカンゾウ、ヒオウギアヤメ、ネムロコウホネ、カキツバタなどが開花する。 

「オタトマリ」はアイヌ語で「砂のある入江」という意味。   
駐車場にはレストハウスが2軒ある。
夏には「ウニの軍艦巻き」や「ホタテ焼き」が食べられるそうだ

行幸啓記念碑 平成30年
アカエゾマツに囲まれた美しい沼
ハスカップアイス 680円

④   仙法志御崎公園

利尻山が噴火した際に海に流れ込んだ溶岩でできた
奇岩・奇石が見られる
遠くに利尻富士が見える
エゾカンゾウが一輪
見頃6月下旬▶7月
袋澗
(昔はニシンを貯蔵していた)
岩の上に海鳥

アザラシに会うことができる公園として有名だが、この日は不在。
夏の期間だけ、稚内市立ノシャップ寒流水族館から出張して来るとのこと。(餌やり体験100円)

利尻昆布加工直売所はお休みだったが(不定休)、 バスガイドさんからお土産のとろろ昆布を頂いた。
駐車場には老舗ベーカリーの移動販売車が来るそうだが、こちらもお休みだった。

バス車内で名物ようかんパンやちくわパンを紹介していたので、道外のお客さんは期待に胸をふくらませていたようだが、買うことができず、がっかりしていた。

⑤   寝熊の岩・人面岩(車窓)

うつ伏せの熊に見える?
右耳に海鳥
車内で頂いた
畑宮食品のとろろ昆布

熊が寝そべっているように見える。
人面岩は微妙だった。

ちなみに利尻島には熊や鹿は生息しない。
しかし、平成30年、熊が犬かきで利尻島に上陸!
メスを探して、海を渡ってきたとみられている。
メスもお友達の熊もいなかったので、また泳いで帰ったそうだ。

実は1912年にも利尻島に体調2.4メートル、体重300キロの熊(オス)が現れている。
勇敢な漁師が見つけ、泳ぎで疲れ切った熊を斧で撲殺した。
巨大な熊と大勢の人を撮影した当時の写真は利尻島郷土資料館に展示されている。

⑥   宗谷バス沓形営業所 →利尻空港→鴛泊フェリーターミナル

ミシュランガイドに掲載されたことがある「味楽」のラーメンを食べたい人は宗谷バス沓形営業所で下車可能。
お昼の2時間半しか営業しておらず、アクセスが日本一難しいラーメン店としても有名だ。
利尻昆布で出汁をとった贅沢なスープが特徴なのだとか。
1番人気は焼醤油ラーメン。

利尻空港を経由して出発点の鴛泊フェリーターミナルに到着。
宗谷バスの定期観光バスは利尻島の見どころを凝縮しており、大変おすすめだ。

鴛泊フェリーターミナルとその周辺と利尻空港

① 鴛泊フェリーターミナル(りしりとう・おしどまり海の駅)とその周辺

おしどまり海の駅 
登録H26年3月22日
利尻富士町観光案内所 1階
海の駅から見た
利尻富士
ペシ岬 通称ゴリラ岩 
標高93メートル
満開の桜と利尻富士
利尻富士温泉前の桜 
遠くにペシ岬

海の駅2階には食堂丸善とPORT COFFEEが入っている。
全国ご当地どんぶり選手権2年連続グランプリの名物「うにめし」はなかった。

海の駅前には食事処が数軒ある。
磯焼亭の「利尻らーめん」は1,700円。
5月だったこともあり、ウニはまだメニューにない。

太平洋沖で赤潮が大量発生し、根室沖からえりも岬まで広範囲に渡る漁業被害があったのは記憶に新しいところだ。
また、海水温の上昇で海の環境が悪化しており、ウニの漁獲量は減少している。

言うまでもなく、市場価格は高騰している。
地元の方に伺うと、利尻島でも昨年は強気の値段設定だったそうだ。
(生ウニ丼は平均8,000円) 
今年はいくらになるのだろうか?

② 利尻空港から札幌丘珠空港へ

空港には土産屋が1軒だけ。
自動販売機ではウニ瓶詰、アワビ、刺身等を販売している

ど冷えもん 
ウニ瓶詰3,500円
利尻空港内の様子
歩いて搭乗
利尻山(標高1,721m)上空
札幌上空

■研修を終えて

 ◆定期観光バス
利尻Aコース「秀峰利尻富士めぐり」は鴛泊フェリーターミナルを起点に時計回りに進む。海を見たい場合は左の窓側席がおすすめだ。
ラナルド・マクドナルドの顕彰碑、寝熊の岩、人面岩はすべて車窓見学で、海沿いにある。

周囲60キロメートルの利尻島を約3時間でまわることができる。
利尻島の魅力が凝縮されており、大変おすすめだ。
何よりもガイドさんのお話が楽しい。

利尻島の花
桜の花が満開だった。
姫沼では5~7種類くらいの花を見つけることができたら合格点。(5月) 利尻島固有種のボタンキンバイ(利尻山8合目以上に生育)やリシリリンドウは7月上旬~7月中旬が見頃。

標高が高くなるにつれて、様々な種類の花を見ることができるようだが、利尻山の登山は中・上級者向けで難易度も高い。
天気の良い日でも、上り6時間、下り4時間はかかる。 
休憩時間も含めると、11時間は見なければならず、気軽に登ることができる山ではない。

飛行機の座席
行き(丘珠→利尻)は右の窓側席、帰り(利尻→丘珠)は左の窓側席がおすすめだ。帰りは快晴で利尻島上空を撮ることができた。

利尻空港
レストランはない。軽食等の販売もない。必要であれば、コンビニで事前に購入しておいた方が良い。(※島内にコンビニは3店舗ある。)

2階には展望デッキがあり、晴れていれば、見事な利尻山を眺めることができる。自動販売機「ど冷えもん」がある。魚介類を購入することができる。

 ◆交通
JRとフェリーを乗り継いで移動すると、札幌から利尻島まではおよそ7時間かかるが、今回は最短ルートを選択した。
自然豊かな利尻島に札幌からわずか55分で行けるのは素晴らしい。

利尻島内には宗谷バスの路線バスが走っており、AコースとBコースの2つのルートがある。1日乗車券は大人2,000円。
また、自転車を積み込むことができる。(要予約) 

タクシー会社は2社ある。①富士ハイヤー ②りしりハイヤー

◆利尻島は見どころがたくさん!
お天気に恵まれ、姫沼では素晴らしい逆さ利尻富士を見ることができた。
空気は澄んでいて、静かな新緑の森から聞こえてくるのは自然の音だけ。
とても贅沢な森林浴を楽しむことができる。

ペシ岬、夕日ヶ丘展望台、神居海岸パーク(うに採り体験)、甘露泉水、郷土資料館等々、まだまだ訪れてみたいところはたくさんある。
お客様にも利尻島の魅力を伝えていきたいと思う。
(reported by RK)

利尻土産
東区キャラクター「タッピー」
お菓子


 

 

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