「アナログ」感想(ネタバレあり)
二宮和也さん主演のアナログの感想です。ネタバレを含みますのでご注意ください。
すごく素敵な作品でした。二宮和也さん演じる水島悟と波瑠さん演じる美春みゆきの恋愛模様。見てる人全員がきっと誰かに好きって言いたくなるそんな映画でした。そして登場人物が本当に魅力的で、その関係性がとても素敵でした。
特に主人公の水島悟と幼馴染の高木(桐谷健太さん)と山下(浜野謙太さん)3人の関係。こんな幼馴染が欲しいと本気で思いました。お三方の演技が素晴らしくて、本当に昔からの付き合いであるような不思議な分い行きが漂っていました。特に印象的だったシーンは、大阪に転勤になった水島のもとに美春の情報を伝えに行く場面です。今の時代、電話で伝えることができるにもかかわらず、直接会って伝えるところに三人の関係性を感じました。電話では伝わらないこと、電話ではできないこと、対面でしかできないこと、今の時代ここに大きな差はないと思います。でも大きくないだけで違いがあります。その小さな差のために何のためらいもなく大阪から東京に行く。なんて素敵な関係なんでしょう。この3人の関係が大好きです。
私はこの映画で4度泣きました。一度目は水島が高木と山下から大阪で美春の事故や素性についてきくシーンです。美春が言っていた「この世界はちゃんと向き合えば優しい」この言葉を否定するかのように世界は残酷でした。一緒に悲しむ高木と山下の優しい暖かさと非常な現実への水島の悲しい冷たさに涙が止まりませんでした。
2度目は美春の姉から渡された美春の日記を水島が読むシーンです。美春の水島に対する思い、水島が美春を愛するように美春も水島を愛していることが分かる瞬間です。思いが通じ合ったているにもかかわらず、こんな悲劇になってしまったことへのやるせなさで涙が出てきました。特に水島の母が死んだときの美春の想い「悲しみを知っているからこそ一緒にいたい、いや、私がただあなたと一緒にいたい。」と、水島と同じ想いをもっていることが分かりとても感動しました。
ちなみに水島の母の死を高木が美春に伝えているのですが、このために多岐は葬儀の後の食事に鯖缶を買ってきたのかと納得しました。高木、できる男ですね。
3度目は水島が事故で意思の疎通ができなくなった美春に会うシーンです。以前と変わってしまった美春に対しそれでも変わらず愛を貫くシーン。特に美春の姉に合うことを否定されるも「私が美春さんと一緒にいたいんです」と責任感や罪悪感などではなく、好きだという思いのみで頼み込む姿に心をうたれました。
4度目はクライマックス。美春が「今日は木曜日?」と問いかけるシーンです。「毎日が木曜日だよ」と答える水島にダムは決壊しました。号泣です。平日の映画館で人がほとんどいなくて良かったです。
後半にシリアスな展開と前半のブラックコーヒーを飲みたくなるような甘酸っぱい展開にあっという間の2時間でした。すべてを知った今、もう一度見たくなるそんな映画でした。
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