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無菌室:コロナ後の対面鑑定の様子

占いの対面鑑定が再開となりました。

以前と違い、マスク着用、フェイスシールド(これは強制じゃない)、手指消毒、ビニールシートの立てかけでの鑑定です。正直、そこまでして対面鑑定再開する必要があるのか、、と思ってしまう医療従事者ですが、まあいろいろあるのでしょう。それに、すでに、医療関係者の勉強会の開催案内のテーマで、2020年の冬、またコロナが猛威をふるうことに備えてという演題が上がっているほどです。いつまでも自粛していたらあっというまに冬が来て、再開の時期を逃すとも言えます。それにテナントとして入っている以上は、会社だけで決めるわけにはいかないでしょうしね。。

この間、お客様がこられた時にはまずお客様自身が「(占い師との距離が)遠い、、」ともらされました。ビニールの立てかけで顔がぼんやりとしているのと、立てかけの柵がお客様の椅子に当たっていて、前にこれないのです。鑑定中に、ビニールの隙間からこちらをのぞいておられました。。そうよね、、邪魔ですよね。。

その様子を見てふっと思い出しました。私の病棟時代のことをです。

私の勤務していた病棟には無菌室がありました。それは血液のガンの患者さんが、入室する場所。陽圧室といいます。今回のコロナの隔離は、感染者を隔離する病室で陰圧室といいます。陽圧室と陰圧室は空気の入り方が違います。この無菌室(クリーンルーム)は、中がクリーン、つまり清潔ゾーンを保たねばならないので、外にいる医療従事者はいわゆる汚染者となります。入室前に徹底して自分を消毒してから入室します。手を入念に洗い、滅菌されたガウンと靴をはき、帽子をつけ、なるべく短時間の患者との接触で退室するのです。当然、患者は、抗がん剤治療や血中の免疫状態が上がるまではここから一歩もでられません。トイレもオープン、シャワーも病室内で見える位置、24時間のモニターカメラから患者を見守ります。彼らが何をしているかはナースステーションで全部見える状態です。個人のプライバシーを守る前に、命を守ることが優先されます。

患者が抗がん剤治療で嘔吐していても、すぐにかけつけて背中をさすることもできなければ、頻繁に訪室もできません。一応カーテンを開けるとビニールカーテンがあるので、そこから向こう側で闘病している患者に声をかけたり、見守ります。長く接触することは、患者にとってリスクを与えることでもあり、他の入院患者もいるので、双方への感染リスクを減らさねばなりません。長い治療期間、ほぼ誰とも交流することができずに、孤独の中で闘病する患者は、孤独と病気、さらに様々なことと闘います。時に、それで自殺したいという患者もいます。

ビニールカーテン越しに、手袋ごしに患者の看護をしていた時、体を拭いていた時、患者の皮膚に触れるような看護ができていたのだろうか、、とビニールカーテンを見ると思い出しました。今は、占いという場所で、人の心に手を当てる。ビニールカーテン越しにそれをどうやるのか、少し考えています。


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