自家感作性皮膚炎体験談(6)

前回のような形でなんとか冬対策はペースがつかめてきましたが、以前書いた皮膚の掻きこわしでできた傷にはまだ困っていました。2020年の1月~2月頃です。

途中で皮膚の保護を目的として一度薬が変わりました。ステロイドはサレックス継続なのですが、そこにサトウザルペという亜鉛華の配合された薬を併用(混ぜ薬)で処方されました。

亜鉛華というのはもともとは酸化亜鉛という白い粉状の物質ですが、それを軟膏の形に調整してあるもので、傷の保護のために使われるそうです。ベビーパウダーなんかにも配合されているものですね。見た目が真っ白な塗り薬で、薄く塗っても皮膚が結構白くなります。服の下なので困ることはありませんが…

自分の感覚ではこれが効いていたのかどうかは良く分かりません。少なくともこれが原因で悪化する感じではなかったと思います。指で塗るときに爪に少しつくのですが、鹿革の爪磨きで磨いたみたいにピカピカになるのでちょっと楽しかったです(笑)本当に簡単に光るので、おしゃれのために使いたくなりますね、これ。

サトウザルペと同じ時に、ステロイドの貼り薬も処方されました。これは傷とも関係があるのですが、何度も掻きこわしを繰り返しているうちに、何カ所か硬い芯のある湿疹ができてしまっていました。

それができたばかりの頃は、傷が塞がって治っていく兆候なのかと思ったのですが、診察時に訊ねてみるとどちらかというと悪化ということで、そうなるととても治りにくいのだそうです。

ステロイド外用の治療は、普通は塗り薬を使いますがとてもひどいとことには貼り薬にして付ける場合もあるそうです。調べてみるとこの貼り薬を使う方法は密閉療法というそうで、効果も高い代わりに薬がずっと同じ場所にとどまるので副作用も強く出るのだとか。貼り方の説明で「できるだけ小さく、湿疹と同じ大きさに切り抜いて貼るようにしてください」と言われました。周囲にはみ出すと周りの健康な皮膚が白く色抜けしてしまうのだとか。

自分は細かい作業はそれほど苦にならないので、ある意味楽しんでしまいましたが、お年寄りの方だとこの使い方は辛いかもです。

この貼り薬は、剥がれなければそのまま貼り続けていいということで2~3日おきに貼る感じで使っていました。ただ、私の場合、固くなったところ(皮膚炎が出始めた一番最初の湿疹、原発巣)が相当しつこい状態になってしまったようで、その部分はだいぶ柔らかく小さくなりましたが今も完全には治っていません。(貼り薬は最近貼ってないです2020.Jun)

真冬の時期、静電気の辛いのとたたかいながら、できるだけ掻きこわさないようにするために、手甲脚絆みたいな感じで使い古して柔らかくなった手ぬぐいで患部をゆるく縛って触れないようにしたりしていました。どうしてもストレスを感じると無意識に掻いてしまうので、物理的に掻かないようにする作戦です。

膝とくるぶしの間の外側辺りに掻きこわしが多かったのですが、その部分は部屋着のズボンの裾の辺りで簡単に手が入ってしまうのです。子供じゃあるまいし我慢しろ、とは思うのですが、半ば無意識にやってしまうので気が付いたときにはもう遅いという感じですね。布で覆ってあればそこで気づくのでなんとか我慢できることが多い。そうやって少しずつ傷は良くなっていきました。

ところが一カ所だけどうしても傷が治らなかったところもありました。左の膝下、向う脛の側面寄りのあたりで、直径1センチくらいがひどくえぐれて2ミリくらい凹んでしまっていたのです。ここは薬を塗るのに治りかけの不安定な薄い皮膚に指がひっかかってはがれてしまうような感じで、本当にどうにもならない雰囲気でした。そこで、自己判断でキズパワーパッドを使いました。

深い傷のところにパッドの一番小さいものを貼り、2~3日おきに取り替えて2週間。だんだん浸出液が少なくなって、2日貼ってもほとんど膨らまなくなったので剥がしてみると、なんとか中の組織が上がっていて平らに近くなりまだ薄いながらも表皮が固まっていました。その表皮を傷つけないように細心の注意を払って、今はだいぶ普通になっています。このパッドの件も事後承諾ですが報告してあります。


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