王ドロボウJINGは良かったなあ…

NOTE公式にて影響を受けた好きな漫画を紹介しようというようなタグがあったので、僕も挙げてみる。

僕にとってのそれは何かというと「王ドロボウJING」だ。

後に「KING OF BANDIT JING」という名前に変更して連載が続く。

ストーリーは、過去に王ドロボウとして名を馳せた者の血を引くジンという少年が、鳥の姿をした相棒のキールと共に、この世のありとあらゆるものを盗むというもの。

基本的には、一巻毎に舞台や登場人物が変わるオムニバス形式で、そのお話のキーパーソンとなる「ジンガール」と呼ばれるヒロイン(話が変わる度に毎度変わる)と共にお宝や謎を解き明かしていく。過去にアニメにもなったことがあり、ゲームも発売されている。

この作者、何がすごいかと言うと、1番は世界観である。

ナイトメアビフォアクリスマスやディズニー的世界観に強く影響を受けている絵柄で、名前の付け方もどれもハイセンス、また舞台となる世界観設定もこれもまた秀逸かつオリジナリティ溢れるもの。

だって、「色彩都市ポンピエ」とか「ザザの仮面舞踏会」とか「千年シチュウ」とか「恋愛税」ってあるんですよ。この字面を見ただけで「え?何それ?」ってなりません?ストーリーとか字面から想像できなくない?

特に個人的に好きなのは「恋愛税編」で、「恋をすると税金を取られる」っていう世界観設定とか本当狂おしいほど好き!!!!!

2番目に凄いのは、独特なセリフ回し。

物凄く文学的だったり、当時の社会時事を表すようなメタなセリフだったり、韻を踏んでたり、物凄くセリフ回しに気を配っているのがわかる。

僕も同業者なのだが、こういうセンスが欲しいなあと未だに思う。

その他にも、絵が精緻で美麗であったり、良いところが他にもあるのだが、欠点というか未読者に薦めづらい点もある。

一つ目は主人公の絵柄が頻繁に変わること。笑

一巻毎に世界観やお話が変わる中で、意図的なのかそうじゃないのか分からないのだけど、とにかく毎巻と言って良いほど主人公の顔が変わる。笑(もしかしたら遅筆による連載長期化に伴っている部分もあるかもしれない)

二つ目に、ジンの性格付けが薄味である点。

これも、ある意味仕方ない部分もあるのかもしれないが、独特な世界を説明する描写、新しい登場人物の人間関係の説明、ストーリー進行にページを割かなければならないので、必然的にジンがどういう性格でどんな思想信条を持っているのかといった部分があまり描かれていない。

だから、当時子供ながらに作品を読んでいてジンがどんな人間かというのがイマイチわかっていなかった。笑

3つ目は、韻を踏んでいたり文学的かつオシャレなセリフ回しである為、行間を読む必要が出てくる。

これは、ともすれば1コマ1コマ計算されて書かれている為、無駄なセリフやコマがないのだ。だから極力説明的なセリフが割かれている。

それ故か、コマ間にある描かれてない行動やキャラの思考を読者側が多少補完する必要が出てくる。

これが幼い自分には難しかった。笑

とまあ、多少辛辣に書いてしまった部分もあるけれど、それでも、この作品が好きなのに変わりはない。

ここまで独特な唯一無二の世界観を構築できる人は、漫画家の中でも数少ない。

現在、作者の熊倉先生は10何年も公的に作品を発表はしてない模様。

また、先生の作品を見れることを切に願っています。いつまでも待っていますよ!!

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