ひこうしょうねん(非行少年/飛行少年)
「お父さんなんて嫌いだ!」
その日の晩ごはんが全部ひっくり返るような大ゲンカをした。お母さんはどちらかといえばお父さんの味方をしていた。
ええい、グレてやる。
ぼくはお母さんのお気に入りの大きな白い毛布を手にとって、マントのように首に巻きつけた。そのまま一階のベランダからぴょんと飛び出る。
そうして、お父さんなんか嫌いだ!お母さんなんかもっと嫌いだ!という力をマントに込めてもう一度低く飛んだ。なるべく低いところから飛ぶ方が力が出るのだ。
するとぼくの体は高く高く、屋根