キー坊が最も使用した技は何なのか?

以前、宮沢三兄弟&熹一(キー坊)の技まとめ画像を作るために「高校鉄拳伝タフ」「TOUGH」「TOUGH 龍を継ぐ男」の計111巻を読み直して使用した技を集計するという苦行を超えた苦行としか思えない調査をしました(個人的には楽しかったから苦行とも思っていない)。

今回はその調査データからタフ・シリーズの主人公である宮沢熹一(キー坊)が使用した技で使用頻度が高いものをランキング形式で紹介したいと思います。
ランキングは灘神影流と一般的な格闘技の技が混在したものと灘神影流のみに絞ったものに分けて紹介します。

個人の調査なので見過ごしや細かい数の間違いはあると思います。
ご了承ください。


■ 最も使用した技ランキング

第1位
腕挫十字固うでひしぎじゅうじがため
使用回数:16回

表記ゆれ・バリエーション:腕十字、腕ひしぎ逆十字、飛びつき腕十字、腕ひしぎ、逆腕十字、腕ひしぎ逆十字固め、腕十字固め。

まっ、なるわな…。
貫禄の使用頻度っス。技名を言わずに使用する通称「サイレント腕十字」もなるだけ取りこぼしが無いように集計したけど、どうしても漏れがあるはずなので実際はこれより多くなると思います。

はーーーっ ベーシックな技ほど奥深いものよ(ミノル書き文字)。


第2位
塊貫拳かいかんけん
使用回数:12回

浸透系に属する灘神影流の技。宮沢尊鷹が編み出し、見様見真似で会得した鬼龍→熹一へと受け継がれた。発勁の衝撃波の軌道を体内で自在に変化させ、対象を体内から破壊することができる。コントロール次第では胴体を殴って脳を直接破壊することも可能な危険な技でもある。

意外を超えた意外。タフの代表的な技は「塊貫拳」だった…!?
基本的に同じ相手に複数回使用し、ダメージを蓄積させる使い方なので回数が多くなったと考えられる(ガンビーノの刺客、静虎、ジェット、大観、覚吾、ボリス)。
ただし、手が悴むと威力が半減したり、熹一が命を奪う可能性のある脳や内臓器官を狙わないのでまったくリーサルにならない(決定打になったのはジェット戦くらい、それも弾丸すべりの上乗せ有りで)。灘の技に精通していれば「波濤返し」というメタ技もあるし、ボリスには根性で耐えられたりと、使用回数の割には不遇なのかもしれない。


第3位
弾丸たますべり」
使用回数:9回

相手の攻撃を体表ですべらせて受け流す灘神影流の防御技。名前に弾丸とあるが飛び道具だけなく、打撃や刃物による刺突にも対応可能。熹一に至っては「塊蒐拳」の鬼や「幻突」の謎エネルギーすら受け流すことに成功している。

弾丸すべり→カウンターのイメージが強い。
・弾丸すべり塊貫拳(VSジェット)
・弾丸すべり菩薩拳(VSガルシア28号)
・弾丸すべり幻 突(VS尊鷹・覚吾)

初使用はTOUGHの薔薇丸戦。高校鉄拳伝のラストで静虎が廃人になっているので、その後に自力で会得したor金時が教えてくれたのかな?それか既に静虎に教えてもらっていたけど練度が足りなくて使えなかったか……鉄拳伝時代に使えていたらもう少し楽に闘えていた気がする。
すべらせたエネルギーを次の攻撃に転用することも可能とブースト技の側面もあるので便利過ぎる…便利さの次元が違う。

ここではハイパーバトルで渡米した熹一が銃撃戦に巻き込まれたときの奴をカウントしていないけど、あれって「弾丸すべり」だったんですかね?それを含めると単独3位になるんだけど……。


第3位(同順)
「裸絞め」
使用回数:9回

表記ゆれ・バリエーション:チョークスリーパー、バックチョーク、胴締めチョークスリーパー。

これも腕十字、三角絞め(6回)と同じく使用頻度が高いベーシックな技。熹一のスタンス的に相手を必要以上に痛めつけずに勝敗を決めることができるからこの絞め技がよく使われますね。
まぁ 絞められても失神しなかったり、極まるポイントを僅かにズラすことができる人間が割と出てくる作品なのでイマイチ決め手に欠ける気がする。

以下の順番は一遍こっきりの技を除くとこんな感じ。
・4位
「脱骨術」 8回

・5位
朦朧拳もうろうけん」 7回
覚吾との朦朧拳の応酬で連発してたからちょっとズルかもしれない。

・6位(6回)
幻突げんとつ
「三角絞め(三角締め)」

・7位(5回)
菩薩拳ぼさつけん
大蛇固おろちがため」

・8位(4回)
震脚しんきゃく
「ヒール・ホールド」
「膝十字固め(膝十字)」
「骨砕きローキック(骨折りローキック)」←実は記念すべき熹一初使用の技

・9位(3回)
斧旋脚ふせんきゃく」←ゲームの性能がゴミ。
破心掌はしんしょう
「アキレス腱固め」
百足固むかでがため」
「コブラ・ソード」
「整体術」
「釘突き」
空眼くうがん目付めつけ」
潜隠爆破脚せんいんばくはきゃく←3年前に異常性愛者から教えてもらったのに10年前の清丸に使っている謎。
超鞭打ちょうべんうち」
幻魔邀撃拳げんまようげきけん
精髄破滅拳せいずいはめつけん
鰻絞うなぎじめ(鰻締うなぎじめ)」

・10位(2回)
鼓爆掌こばくしょう」←内1回は右近による鬼龍(in熹一)の幻影。其の二も含めると3回。
巨蛸固きょしょうがため」
逆毒蛭ぎゃくどくびる
「ボーン・コントロール」
蠢蟹掌しゅんかいしょう」←使用回数:"2"ってのが重い。
発勁はっけい
虎腿蹴タイガー・シュート
「気の施術」


■ 灘神影流に限定した使用技ランキング

第1位
塊貫拳かいかんけん
使用回数:12回

繰り上がり1位。


第2位
弾丸たますべり」
使用回数:9回

同じく繰り上がり。


第3位
「脱骨術」
使用回数:8回

任意の関節を外して可動域を広げ、相手の逆技を抜け出すために使用する灘神影流の防御技。

「弾丸すべり」と同じく使用頻度の高い防御技。作中では関節を外す際に特に痛そうな描写もなく、簡単にはめ直しをしていることからデメリット無しに見えるが、熹一曰く関節の付け外しはそれなりにダメージが蓄積する模様。ミノル戦で飛びつき腕十字をやられた時の【旋回しながら飛び上がり→脱骨術】の流れが個人的に一番好き。

特異体質である大蛇の武山と違って、技術や鍛錬で関節の付け外しが自由になる灘神影流ってすごい。なんで道場潰れたんや?


第4位
「幻突」
使用回数:6回

相手に触れずして拳を放つ入神の打撃。軽やかさ・しなやかさ・力強さを備えた玄腿モンスター・フットを持つ者のみが使用可能。その脚による踏み込みから日下部丈一郎・覚吾は腕を後ろに組んだまま、熹一は拳を突き出す形で不可視のエネルギー波※を放つ。射程は長く、当たれば成人男性を数メートル吹き飛ばす回避不能の技となっている。
幽玄真影流の奥義だが灘神影流にも幻突についての情報や修行方法が伝わっていたので、ここでは灘神影流の技としてもカテゴライズしている(というか日下部の血筋しか使えないっぽいのにどういう立ち位置の技なんだ?)。

静虎、ジェット、尊鷹、夢二、覚吾に使用。静虎に関しては覚吾からも食らっているから被・幻突マスター(笑)。あとジェット以外は全員轟沈させている驚異のフィニッシュ率。
この技、特に寿命縮めるとかのデメリットないのに龍を継ぐ男の序盤以降使わなくなったのが勿体ない。やっぱり強すぎて作劇上使いにくいのかな?でも龍を継ぐ男で再び登場させてカマセになるくらいなら
読者「幻突使ったら勝てるやん」
って言われる今のポジションでいいと個人的には思う。

※龍を継ぐ男で龍星の「"風圧"でも合気道や気功における"気"でもない」という発言あったのでガチで謎エネルギー。覚吾が巻き藁を破壊していたので何かしらの物理的な力が働いているはずなんだが……。
"幻魔エネルギー"なんてものがある世界なので"幻突エネルギー"のようなものもあるのでしょうか?


第5位
「菩薩拳」
「大蛇固め」
使用回数:5回

「菩薩拳」:踏み込んで両拳を相手に打ち込むと同時に自身の気を放出する灘神影流の奥義。被弾箇所に菩薩のようなアザができる。また、龍を継ぐ男では命の消えかかっている相手に放った場合はアザが菩薩から蓮の花に変わるというオカルト要素が追加された。
「大蛇固め」:相手の首を絞めつつ同時に足関節も極める灘神影流の複合関節技。そのままグラウンドポジションで後頭部を殴りつけることも可能。

シリーズ皆勤賞であるこの2つの技が同着。
「菩薩拳」に関してはシリーズの要所要所で使われているからタフと言えばこの技って読者も多いと考えられる(蓮の花はマジで謎な追加要素だけど)。実は技まとめの記事では別技として「蓮華・菩薩拳」を載せていますが、蓮華のアザに両手を重ねて放つ掌打なので派生技なのか只のダメ押しの通常打撃なのか不明なんですよね。この「蓮華・菩薩拳」を「菩薩拳」とするなら回数は6回になって単独5位になります。
「大蛇固め」は灘の逆技のカテゴリでは一番使用頻度が高く、タンカー編のガルシア28号戦でも再登場と出番に恵まれている……が、出番が多いと言うことはそれだけ破られる回数も多いわけで、相手の攻勢フラグにもなっている。


■ 最後に

ウム…灘神影流ビックリ箱のおもちゃは使い捨てが多いと思っていたが、こうやって調べると2・3回は使われている技も結構あるんだなァ。

みなさんはまた登場してほしい技はありますか?
私は「百足固め」か「朦朧拳」あたりです。


出典
「高校鉄拳伝タフ」 1~42巻/猿渡哲也/集英社
「TOUGH」 1~39巻/猿渡哲也/集英社
「TOUGH 龍を継ぐ男」 1~30巻/猿渡哲也/集英社