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弓馬問答 笠懸の事 笠懸乗様

「小笠原信濃守入道清順の御方江子息兵庫助長秀弓矢井馬の事尋被申不審之條々」とあり、また「右一巻者。従源朝臣貞宗之時信濃守相傳流仕候書也。」とも。小笠原 貞宗(おがさわら さだむね、1292-1347)によって伝えられた弓馬術を、小笠原 長秀(おがさわら ながひで、1366-1424)が記した書であろうか。

一笠懸の事。……笠懸乗様馬場本へ打よせて。馬の頭を立なをさせて。蟇目尻をうちたれて。くるりとかへして立すかして前輪にかゝりて。蟇目尻を耳の二ツの間へ少しひらをさくり入て。打いれて三足かゝせて。耳の先をなて様に。にほにほとひらいて。三足かゝせて。髪中へ入て。手をすて候へハ。はすなとり三足かかせて。もロうちあけ。二ある程打あけ。引きおろしとてかつ手に付て。其後馬二ツめさせて。さくりならハ後ロのちの方の矢所十文字ならは。後の腰のつかひ中の矢所にあつへし。矢放て弓のうらを少しなひけて。両方同しことく手綱を取て。二足三足が内にてとむへし。……

射御拾遺抄とほぼ同じことが記されている。馬場本から馬を返して立ちすかして乗る。矢を番えたら手綱を離し、両手を持ち上げ弓を引きながらおろし少し後ろ向きに矢を放つ。両手で手綱を取って馬を止める。

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