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柳川一のお祭り 「おにぎえ」ってどんな祭り

毎年10月に開催される柳川一のお祭り「おにぎえ」とは、一体どんな祭りなのか。柳川滞在3ヶ月の初心者の私が、色んな人に聞いて知ったお祭りのことをまとめてみたいと思います。知識不足、勘違いしているところもあるかもしれませんが、ご了承ください。

柳川に着いてすぐの頃、「10月におにぎえがあって、どろつくどんに参加する?」と言う謎ワード連発のお誘いを受けました。おにぎえ?どろつくどん??なんだそれは。ハテナがいっぱい。参加する前に歴史や由来を調べてみました。

「御賑会」と書いて、「おにぎえ」 これが祭りの名前
おにぎえとは、柳川で開催されるお祭りそのものを指します。「柳川祭り」=「おにぎえ」と言ったところでしょうか。名前の由来は「大賑わいする」ことから自然とこう呼ばれるようになったそうです。約200年の歴史(1826年起原とされる)がある筑後地方最大級の秋祭りで、五穀豊穣に対する感謝祭にあたります。
身分制度のあった江戸時代でも祭りの期間は身分の区別がなくなり、無礼を働いても罰せられなかったそうです。商家の奉公人たちもこの期間は休みがもらえ、各家庭では蒲鉾や煮しめなどのご馳走を作り、遠方から来る親戚に振る舞ったそうです。

県無形民族文化財 どろつくどん
「どろつくどん」とは囃子山車のことで、お囃子の音色がどろつくどんと聞こえることから、そう呼ばれるようになりました。「囃子山車=男山」に対して、「踊り山車=女山」があり、柳川の各町内ごとにどちらか一基を所有しています。

これが「どろつくどん」
写真引用:http://www13.plala.or.jp/mihashirajinja/omatsuri.html

1826年、三柱神社造営の基礎工事が行われた際、旧柳河町の商人たちが無償奉仕で手伝い、女衆が三味線と太鼓で興を添えました。しかし問屋街ではこれに加わらなかったため、不評を買ってしまいました。何とか名誉を挽回しようと考えた問屋の北川新十郎、弥永久右衛門が江戸の神田明神に奉納されていた葛西囃子と京都の祇園山鉾を参考にお囃子と山車を作り、翌年の遷座式に披露して大好評を得たそうです。それ以来毎年、三柱神社のお祭りに奉納されるようになりました。

どろつくどんの特徴
お囃子の音色に合わせて般若や天狗などの面を付けた踊り手が、山車から大きく身を乗り出すように踊りながら山車が進行していきます。踊りは能から取り入れたものを庶民的にアレンジしたものです。

天照大神が岩ごもりからあける神話をモチーフとし、

天狗面=サルダヒコの踊り。
天の岩戸へ道案内されたサルダヒコ。非常に利口でそつのない踊りが要求され、安心感を伴わないといけない。

お多福面=ウズメノミコトの踊り。
天の岩戸の前で舞われたウズメノミコト。乙女の祈りが込められている。

チャリ面=アメノタジカラオノミコトの踊り。
天の岩戸を押し開かれたアメノタジカラオノミコトの力強さを著している。これには人間の滑稽味に喜びを加えて表現している。

般若面=スサノオノミコトの踊り。
天照大神の弟であるスサノオノミコト。勇壮美を表現している。

この他に十数個の面があり、それらを借りて人間の感情、喜怒哀楽を表現する庶民的な芸能です。

天狗の面はサルダヒコ
写真引用:http://www13.plala.or.jp/mihashirajinja/omatsuri.html
お面で人間の様々な感情を表現している
写真引用:http://www13.plala.or.jp/mihashirajinja/omatsuri.html


お囃子
大太鼓、小太鼓、横笛、ドラ、スリガネの五楽器を用いて、神田囃子にない南国的な情緒を出しています。
道ばやし(まちばやし)
参道ばやし
神楽ばやし(神前ばやし)
の三曲を使い分け、囃子と囃子の変わり目に「シャギリ」という大太鼓とドラのみで激しくはやして、若い衆の士気を鼓舞することがあります。

踊り山
艶やかに着飾った女性たちが美しく舞い唄を披露する踊り山。その昔芸妓さんが舞台に上がり舞を奉納していました。柳川には長崎から芸妓さんが出入りしており、「柳川の旦那さんと長崎のお嫁さん」と言うご夫婦が沢山いたそうです。

女性が乗る踊り山
写真引用:https://plaza.rakuten.co.jp/momo009/diary/201810160000/

また近年は人口減少、後継者不足などによって地区で山車を出せなくなったところもあるようです。そして元々山車を持っていなかった地区などもあり、そのような地区の人が有志で集まり誰でも参加できる新しい山車も出てきています。今回私が参加させていただく飛龍と言う山車は、囃子山車(男山)ですが女性も参加することが可能です。時代と共に祭りのあり方も変わっていくものですね。


御神幸行列

3日間開催される御賑会の中日に行われるのが御神幸行列です。どろつくどんや踊り山車がお供して神輿が市内を練り歩き、御旅所(神が巡行の途中で休息する場所)である日吉神社と八劔神社を巡ります。その年の五穀豊穣と無病息災を祈願します。

写真引用:http://www13.plala.or.jp/mihashirajinja/omatsuri.html
写真引用:http://www13.plala.or.jp/mihashirajinja/omatsuri.html


三柱神社

三柱神社は「西国一の強者」と称された百戦錬磨の武将初代柳川藩主立花宗茂公、岳父戸次道雪公、宗茂室誾千代姫の三神を祀ったことから、三柱神社と称します。文政八年、九代藩主鑑賢公により現在の地(約二万坪)を境内として社殿の建立を計画し、翌九年(1826年)旧八月十六日に御神霊が遷座され、これより三柱神社となりました。
柳川をはじめ、地方の尊崇はもとより、その御神威御神徳は年々輝きを増すと共に武神軍神、水利・干拓・開田・郷土繁栄の守護神として、近年では御功績を以て必勝・就職・再就職・復活の社として、遠方を問わず多くの方に崇敬されています。

今年2022年のスケジュールは
祭典
10月8日(土曜日)
午前11時 御賑会始祭(拝殿)

御神幸行列
10月9日(日曜日)
午前12時  「御賑会本祭」・「出御祭」(御本殿・拝殿)
午後1時  (日吉神社へ)
午後2時   日吉神社御着「御旅所祭」   午後3時30分  御発興(八剱神社へ)
午後4時   八剱神社御着「御旅所祭」
午後4時30分  三柱神社へ
午後5時   三柱神社御着「本殿還御祭」 
※本年は、どろつくどん(山車・踊り山)は7基が巡行予定。
午後7時 共演会(京町駐車場)

 御賑会納祭
10月10日(祝日・月曜日)
午前11時 御賑会納祭(拝殿)

となっています。

調べてみると、おにぎえが柳川にとってとても大切なお祭りだということが分かりました。祭りの成り立ち、山車や踊りの意味を知ってから参加するとより一層お祭りが楽しめますね!

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