博士課程の戦略

こんにちは。とっとです。私は大学院の修士1年です。現在、これからの進路を考えなければいけない時期で、企業に就職するか博士課程に進学するか起業するかなど様々な選択肢があり、まさに人生の分岐点という感じです。今回は、もし私が博士課程に進学したらどうなるのか、博士課程に進学するならどのような戦略を立てるかを考えていきたいと思います。

1.進学か就職か

修士1年の現在、今から行うの決断の一つ一つが今後の人生に大きく左右することは考えるまでもなく明らかです。どのような決断をすれば将来役に立つのか。何を基準に考えるのか。そういったことを考え、今後の進路について考えなければいけません。

ここから話を進めていく前提として、企業に就職して研究するか、博士号取ってから研究者としての道を歩むかで悩んでるものとします。

まず企業では、給与が貰えて、土日の概念もある素晴らしい環境だと思います。会社によってはやりたいことができない可能性や、上司が苦手な人に当たってしまったなどイレギュラーはあると思いますが、それを踏まえても充実した人生が過ごせると思います。

次に博士課程に進学するとします。給与なし、土日なし、閉鎖的環境で出会いがなくて彼女なし。一体何故、研究者が博士課程に魅力を感じるかと疑問に思う人も多いと思います。

ここからは博士課程を卒業する魅力を述べていきます。博士課程に行くの1つ目は理由は、博士号が取れるからです。日本では、博士号はほとんど役に立ちませんが海外では違います。海外では、博士号持ちの研究者は修士卒より給与と待遇が段違いに良いというデータがあります。修士卒だと、研究者として認められない国もあるそうです。将来、海外を拠点にすることを視野に入れると、やはり博士課程進学は必須条件なのかもしれません。

2つ目理由として、自分の専門分野で起業するとき、有利になることが挙げられます。博士課程に進学し、そこで3年間研究したとすると、自分だけしか知らない専門領域ができます。学会や共同研究などで、研究者達とのコネができます。自分の専門領域とコネ、それに加えて博士課程からの起業は資金援助のツテが豊富です。これらの理由から、技術系で起業をする為に、博士課程に進むというのも一つの選択肢としては正解だと思っています。

2.博士課程の日常

博士課程は単なる修士課程の延長ではありません。同年代は就職し、給与を貰い、土日はしっかり休んでいます。また恋愛においてもお金と心に余裕がある社会人の方が有利です。そんな中博士は、将来が不確定で、給与も貰えず、土日の概念はなく、恋愛する暇もありません。なおかつ、博士論文は修士論文と違い、今までになかった新規の発見や発明が要求されます。死に物狂いで研究しても、発表では先生方から厳しい質問や批判、3年間の意味すらも否定してくるような言動が飛んできます。それに耐え抜き、自分の独創性を主張しなければなりません。博士課程で得られるものは、と聞かれると、「人間としての迫力」と答える人がいるのは、このような厳しい環境に耐え抜いたからだと思います。

3.金銭的戦略

博士課程は基本的に受け身で進学するものではありません。その一つの理由として金銭的理由が挙げられます。普通に進学すると、給与が無く、奨学金や親の仕送りで生活で生活することになるでしょう。お金を得ながら研究するような戦略を立てなければいけません。副業でも構いませんがここでは、お金を貰いながら研究する手法について述べていきます。

まず一つ目の手法として、学術振興会から特別研究員として認めてもらいそこから給与をもらうことが挙げられます。修士2年の6月くらいに特別研究員に応募書類を出し、研究者として優れているかどうか書類や発表などで評価されます。それに認められると月20万程度の給与がもらえます。締め切りを過ぎるとお金をもらえる可能性すら無くなってしまうので注意が必要です。特別研究員になれるのは博士課程に進む5人に1人なので、貰うための努力が必要です。

2つ目の手法は、大学や企業から補助金を貰うことです。私の大学では、博士課程の人に金銭的補助を行なっているプログラムがあります。企業にも、このような制度を発見しました。しかし、100%貰える訳ではないというのと、締め切りや期間を過ぎると可能性すらなくなることの注意が必要です。

3つ目の手法は、共同研究先の企業から給与を貰うことです。共同研究する際に、研究費を企業から貰っています。それを私自身の人件費として使ってもいいか交渉し、交渉が成功すれば自身の懐にお金が入ります。これは自身の研究室や共同研究先との兼ね合いもある為、事前にしっかりと調査することが必要です。

4つ目の手法として、研究に似通った副業を自分で行うです。例えばプログラミングが出来るなら、プログラミング関係の副業を行うなどが挙げられます。


4.研究者としての価値

研究者として価値があるとは一体どのようなことでしょうか。私は以下のように研究者の価値を定義しました。

研究者の価値=肩書き×専門領域×実績

実績=論文×学会×特許

肩書きは教授や准教授などを指します。この肩書は、研究実績だけで無く、運や年齢なども関わってきます。

専門領域は、例えばAI、がん細胞、ロボット、農薬、地球温暖化など、自分が研究する対象の分野を指します。世の中に需要がある分野を研究する方が、研究者として重宝されるでしょう。需要がなくても重要な研究はあるので、その時は上手く研究を伝える技術が必要です。

次に実績を得るためにどうすればいいか考えていきます。この項目が研究者としてやっていく上で1番重要だと考えています。

研究するフローとして、まず研究費の調達を行います。何を研究するかを発表をして、国、企業または大学からお金を貰います。それから仮説と検証を繰り返し地道に研究を続けた後に、発表や論文の執筆を行います。学会発表で自身の成果が他の人の目に留まると、新たな繋がりができて、共同研究が始まることもあります。このようなプロセスを繰り返し実績を積み重ねていきます。

ここで1番重要になってくるのは、プレゼン力です。研究費を得るとき、学会で発表するときなど、研究を伝えることによってはじめて成果得ることが出来ます。全ての過程に関わってくるプレゼンは特に重要で、最優先事項と言えるでしょう。

5.これからすること

色々語りましたが、私はまだ修士の1年生です。これからどのような戦略を持って行動するか考えなければなりません。

私は先の10年ではなく、2,30年先の将来を見越して考えると博士号を取っておいた方が良いと考えています。そう考える理由として、日本だけでなく海外を視野に入れているからです。現在、日本人研究者が韓国や中国、アメリカの企業に好待遇で引き抜かれている現状があります。日本での研究者の地位、年収共に低く、アメリカや中国では年収が高いです。今後の日本を考えたとき、研究者需要が高くなるかもしれませんが、変わらない可能性もあります。このような不確定要素が多いので、選択肢はできるだけ広げておいた方がよいと考えています。そう考えたとき、海外からお金を調達できる力や海外にコネを持つことは必要になり、博士課程進学はそれを可能にする手段の一つとして考えられます。

次に考えるべきは、金銭的課題と、結婚に関する課題です。金銭的課題は上記に記した、学術振興会を狙い、なおかつ共同研究先からの資金援助を受けるように交渉することが修士のうちにできる最善の行動だと考えています。

結婚に関する課題は、正直どうしようもありません。せめて金銭面で社会人に見劣りしないようにし、後は一回一回の出会いを大切にするくらいしか対策が思いつきません。

ここに関しては今後調べる価値がありそうです。


続いて、研究者として何の能力が必要か考えていきます。私が最優先事項として掲げようと思うのは、プレゼン能力の向上です。これは日本語英語共にです。プレゼン能力は研究者にとって必須のスキルで、研究費を得るために自分の研究を紹介する。研究で新しいコネを作る。実績を出す。全てに置いて、プレゼン力が必要です。だから、私は今からプレゼン能力の向上を最優先事項として修士の生活を歩んで行きたいと思います。

専門領域はどうするのかというと、私は複数してる研究の中に教授がそれほど詳しくない分野が一つあります。なおかつその分野は世の中に需要もあります。それを重点的に極めて、研究室の過去の研究財産と組み合わせていきたいと思っています。

最後に、ここまで話したら私は博士課程に進学するのだろうなと思うかもしれませんが、実際そうとは言い切れません。お金がどの手法でも100%貰えるという確証がないからです。だから私は、学術振興会から特別研究員として認められ金銭的課題の解決の目処が立ったら進学するという結論に至りました。

それができると確証が得られるまで、就活はするつもりで、就活における最善の行動を取りたいと思っています。

就活の戦略も機会があれば別のノートで述べたいなと思います。

ここまで読んでくれてありがとうございました。次回もお楽しみください。

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