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父の余命宣告から1ヶ月後の、娘のキモチ


父は6年前に重度の脳損傷を受けまして、
6年間いわゆる寝たきり状態です。

そんな中、肺ガンが見つかって、
2021年12月14日、
お医者さんに「持って1〜2ヶ月です」
と言われました。
1日800ml、肺から水が出ていると。
これは末期のガン患者さんと同じレベルだと。
母と私は覚悟を決めました。

ただ正直、6年前、
一生ベッド生活やといわれたときから、
ずっとずっとずーっと、
覚悟は決め続けていました。
だから、「え...!?」でなく、
「ああ、このときが、きたか。」という感じ。






さて、余命宣告から1ヶ月。
母の英断により、父は実家へ帰ってきました。
そう。父、生きてます。



父のガンの種類は悪性中皮腫というやつでした。
一時期話題になった、アスベストのやつです。
家中のコンセントを増やすのが好きな父は
実は昔からいろんな現場で働いていたので、
しっかりアスベストも吸い込んでいたのでしょう。
30〜40年で発症するそうで、
脳損傷を受けてても、受けてなくても、
発症していたとのことでした。

私がコロナウイルスに感染して
会えなかったので、
先日久しぶりに実家へ帰り、
父の顔を見てきました。




病院にいた時より、肌艶がとても良くなり、
土色だった顔がピカピカになっていました。

もともと非常に少ない髪の毛が
さらに刈られていました。

「おーい、ただいまー」と声をかけると
ぱっちぱちのくりくりおめめで
じーっと私を見たあと、すぐ寝ました。
そのあと私の旦那が来た時は、
ただ声をかけただけなのに、
なぜか般若みたいな顔をしていました。

そして肺からはチューブが繋がってて
そこからちょっと血の混じった水が出てました。
癌細胞は、水を出すそうです。

喋れないので、痛いのかどうかは分かりません。
般若みたいな顔は、痛いというているのか、
旦那の顔を見て腹が立ったのか、分かりません。


気持ちは分かんないけど、でも、生きてました。





余命宣告を受けて1ヶ月、私の気持ちは
宣告を受ける前と同じくらいのところに
戻ってきました。

いつ死ぬか、分からん。
それは6年前からずっと覚悟していることで。
それは心にずぅっと
ちっちゃくあるトゲみたいなもので。
宣告を受けたその日は、
さらにギュウっと押された感じだったけど、
少しずつ元の位置まで戻ってきた感じ。





私のちっちゃいトゲなんて
手のひらに昔刺さった鉛筆のあとくらい
普段気にすることはないから


痛くないならどうか

少しでも生きてな、お父さん



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