【「墓じまい」って…そういうことだったの?】
終活の仕事をする中で、知り得た情報は私なりに分析したり、他の情報とリンクさせて、できるだけ分かりやすい内容の発信を心がけています。「終活」の一環で「生前墓」を買う人が多いのですが…一般の人よりも少しだけ知識のある私は…「死ぬ前に、希望だけエンディングノートに書いて、お金を残しておけばいい」と考えます。生前に購入しておくのは「もったいないし、そこまで達観していない(私自身)」と考えるからです。最近、耳にする「墓じまい」をちゃんと説明できますか? ちょっと勘違いしている人もいるかもしれません。
◎「生前にお墓」買うほど…潔くないけれど
◎「墓じまい」は、閉めない!
◎「墓じまい」を考えるきっかけは?
◎「墓じまい」する際に気をつけるべきこと
◎「墓じまい」も、多様化の時代
「生前にお墓」買うほど…潔くないけれど
超少子高齢化社会の日本は、これまでの長男が祭祀を引き継いで「お墓」を守る、ことができなくなってきました。都市集中型もこれに起因します。個人的には、自分のお墓を自分で建てておかなくてもいいのではないか?と考えます。その大きな理由は「お墓の管理費がかかる!」から…。心情的な部分も多くあります。「死ぬことを考えたくない。。。」
「費用がかかる…」これはお寺でも民間公営の霊園でも「お墓を買えば必要になる出費」です。誰もお墓に入っていない(納骨する人がいない)のに…管理費がかかるのは「ムダ」だと感じます。管理費の相場は年間4千円〜1万5000円。人生100年時代だとすると…元気に長生きすれば数十年単位で支払うことになります。買わなくても「こんなお墓ならいいなぁ」とエンディングノートに書いておくくらいでいいのではないかと個人的には思っています。
「墓じまい」は、閉めない!
「墓じまい」という響きからか⁉︎ 「もう先祖の供養はしない」「お墓をクローズしてしまう」ことだと思われがちです。実際私もそういうことなのか?と思っていました。日本は「刑法」第190条により、遺骨を形が残ったまま捨てることは禁じられています。死体や遺骨、遺髪または棺に納めてある物を、損壊や遺棄、領得した場合、3年以下の懲役刑が科せられます。また、「墓地、埋葬に関する法律」第4条によって、墓地以外の区域に埋葬または焼骨の埋蔵を行ってはならないと定められ、違反者は、罰金や拘留、科料など処罰の対象です。
ですから「墓じまい」をしたら、新しい「納骨先」を求めなくてはなりません。つまり「新しいお墓」を買うことです。今あるお墓を「墓じまい」して、新たな「お墓」に埋葬すること。「墓じまい」は「お墓の引っ越し」と考える方が意味が合っています。今の住まいがライフスタイルに合わなくなったり、不満が合ったりして、引っ越しする場合、新しい住居を用意するのは当然です。「墓じまい」は、今のお墓を元の通り、更地にすることを意味します。
「墓じまい」を考えるきっかけは?
超少子高齢化を迎えた日本は、これまでの長男が祭祀を継承する、というスタイルの維持が困難な人が増えてきました。都市集中型の生活もこれを進めています。このような社会背景が「お墓が遠すぎてお参りできない」、「子どもが居ない」、「地元の親戚との関係が希薄」、「嫁いだ娘にお墓の心配をかけたくない」…など「墓じまい」を決心するきっかけとなっています。
「墓じまい」する際に気をつけるべきこと
新しいお墓を求める場合、取るべき手続きは多いのです。新しく買い求めるよりも「墓じまい」するのですからその手続きは多くなります。「墓じまい」と「新しいお墓の購入費」などトータルで費用を考えましょう。今のお墓で抱える問題が解決できるのか?費用はトータルでいくらかかるのか?家族親族と話し合い、理解を得られているか?さまざまな側面から「墓じまい」は本当に必要か?検討しましょう。
「墓じまい」も、多様化の時代
超少子高齢化や都市集中型の社会風景が「墓じまい」が増加する背景といってもいい。それに長男が祭祀を継承する…のはかなり難しい時代になっていると考えます。多様化を進める流れはお墓業界も例外ではありません。近年では継承する必要がないお墓が多種多様に販売されるようになってきました。「永代供養付き」というお墓です。それも各霊園で条件が異なりますので、これに関しては霊園や石材店に確認が必要です。おひとり様の場合にも「墓とも」という血の繋がりに関係なくお墓を購入できる新しい「お墓」がリリースされています。
まとめ
「墓じまい」は、先祖を敬い供養することをやめてしまう!ということではなく、「お墓のお引っ越し」の一部分であることです。管理する人がいなくなれば、「無縁墓」となり、これは現代では社会問題となっています。「無縁墓」にしないためにも、自身の代だけでなく次世代の意見もしっかり取り入れて「お墓選び」をしましょう。「墓じまい」が「新しいお墓」も用意する、ということを知識として覚えておくことです。いろいろ検討したら「今のお墓」を大切にしていこう、という選択をする人もいます。「墓じまい」が気になったら、まずは家族親族と相談して考えに相違がないか擦り合わせしてみましょう。
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