シュペルターと歩む15年記 #5
コラム2:広州エレジー
よくわからない!国際チェーン店名
麦当労(マイダンラオ)
マクドナルドです。むしろ英語の“マクダァーナォ”という発音を
うまく漢字で当てている好例です。
ちなみに中国での就労手続き取得のため中国人の通訳の人と
朝一番から広州入国管理局に行ったのですが、
意外と手続きに時間がかかり、
会社への帰着はお昼過ぎになってしまいました。
その帰途に、通訳の人から『もう会社の食堂も終わってますので、
マクドナルドでお昼ご飯を買って帰りましょう。』と言われ、
立ち寄ったのは普通にケンタでした。
宜家家具(イージャージャージュー)
ギリギリわかるかな? IKEAです。英語だとアイケアなんですけど、
”IKE”っていう感じがギリですかね。
イヤ!
宜は中国語の発音は”イ”だけど日本語だと”ギ”だし、
家は日本語でこそ”ケ”だけど、中国語で”ジャー”なので、
中国語と日本語のハイブリッドにすると、
うまくいくと”イケ”、裏目に出ると”ギジャー”になってしまいます。
IKEAは単品家具の展示だけではなく、
IKEA商品を使ってコーディネイトした部屋をイメージした
スペース全体の展示で、独自性があると思うのですが、
中国の皆さんは展示品のソファーで休憩したり、ベッドで本気寝したりと、ここはくつろぎの空間です。
(南国なのですがエアコンが無い家庭も多いらしく、夏場は家にいるより、公園の日陰で風にあたるかIKEAのほうが快適なのだとか)
吉之島(ジージーダオ)
『じぃじだお!』若者言葉をつかう痛いおじいさんではありません。
JUSCOです。
なぜジャスコがジージーダオになるのか皆目見当がつきません。
最初の“ジ”しか合ってないし。
主に食料品の調達に使いましたが、品揃えは中国製品が中心で
肉はあまり買う気にならない見た目。
(説明するとしたら“中国的な”、としか言いようがない)。
加工品か、野菜、果物を買うのには重宝します。
特に野菜の“無公害野菜”のコーナーは初期の生活では貴重でした。
本気の有機農法かどうかは不明で、単なるブランド名なのかもしれませんが、無公害野菜以外の野菜には公害があるのかな?
とちょっと心配になる。
果物はタイや海南島にも近い南国、広州だけに、
スイカもメロン(瓜かな)もライチもランプータンも凄く安い。
マンゴスチンはちょっと高かったけど。
娘を喜ばすために作成したカットフルーツ集をお届けします。
また娘と”吉の島”に行くときはおもちゃ売り場もありがたいです。
ぬいぐるみなど以外にも
音の出るおもちゃやバービー人形、ガンプラもあります。
うちの娘は1歳のころから、何かにつけ慎重派なので、
おもちゃのパッケージにある“Try me”をやってみせようとすると
『トト、お店の人に怒られるよ!』
と窘められました。 いや、“Try me”って書いてるから!
今でも娘からはトトと呼ばれています、トトム・クルーズの由来です。
(突然のカミング・アウト)
そうこうするうちにマンションを探して入居契約
キッチンも前のホテルのより広いですし、
風呂にはシャワーだけでなくバスタブもあり。
(浴槽に溜めると水が濁っているのが見えてしまうので、
お風呂に入る気にはなりませんが、気分の問題。)
家族でやっと一緒に住み始めることができました。
ここでトトム一家の家族紹介
私(夫) 🛫トトム・クルーズ
奥さん 👌銭ファー・コネリー
娘 🐱ポコぞう(中国渡航時 1歳3か月)
広州ライフについては、会社での仕事や人付き合いのあるトトムの感想
だけでは一方的な見方になってしまうので、
今回は奥さんの銭ファーにもお話を伺います。
🛫銭ファー!
10年前の事で忘れかけてることもあると思うけど、ジャピオン(注1)
の取材だと思ってよろしくおねがいしまーす。
(注1) 在広州日人(注2)が発行している情報誌
(注2) 広州では日本人のことを日人という
広州のいろいろなマンションを下見して、4月にマンション契約したけど、入居して早々に新型(豚)インフルエンザで銭ファーとポコぞうは
日本に緊急退避!と最初から波乱でした。
👌そうそう、来て3ケ月もしないくらいに帰ったよネ。
🛫写真の日付で調べると入居が4月5日、日本への退避が4月29日なので、
3ケ月どころか、3週間ちょっとだったよ。
入居した時点ではインフルの話はなかったのでホント急展開でした。
👌あの頃の豚インフルは、今思うと新型コロナくらいの大騒ぎだったよね。
まだ1歳半にならないポコぞうを抱っこして飛行機乗って
なんか大変だった。
でも、一人で中国に残ったトトムも大変だったよね~。
🛫毎日会社で一列に並んで検温してました。
豚インフルは幸いにも2か月でなんとか終息し、
再び広州にトトム一家集結!
ホテル住まいに較べてマンションどうだった?
あっ、まぁ最初のオーナーズマンションは、
そのオーナーが一番の問題だったんだけど。
👌あのオーナーズマンションは内装がすごくて
(中国では割と平均レベル)、
壁が鏡張りになってたりして面白かった。
なんか韓国ドラマにでてくるみたい
🛫うん、その見た目に騙されたな。
まぁ毎日がアトラクションというか、
自宅ならば“いかがなものか”という趣味だけど、
仮の住まいなので変に生活感を出すよりも、
ノリとテンションで毎日が過ごせるかと。
あと意外と水回りもしっかりしているようだったしね。
🛫中国のお金持ちはリッチさが桁外れで、
”貸しマンションのオーナーなんて、お金の使い道の一つとして
道楽でやっているようなもんだから、
入居の時に調度品のリクエストしたら何でも聞いてくれる”
という事前情報だったけど、
(まぁそこまで贅沢を言うつもりもなかったんだけど)
なぜかリビングの壁の一面が白樺林の写真になっていて、
白樺に囲まれたリビングも落ち着かないので
普通の壁紙にしてもらえないかと、(これは絶体通る妥当な線と思って)
お願いしたんだけど…
思い出の写真で撤去不可ということで…。
芸術品というならいざしらず、かなりチープな感じの写真だったのでアレ?って感じだったね。
どうか賃貸物件を思い出共有の場にするのはやめていただきたい。
それから唯一聞いてくれたリクエストの、水道の浄水器。
数か月後、蒸留水の会社の人がやってきて水回りもチェックしてくれたら、
『この安物の浄水器では全然ろ過されませんよ。』と言われ愕然。
沸騰させたとはいえ、中国の水道水でお腹も壊さず、しばらく生活した
我々の免疫力おそるべし。
👌こんなところまでケチっておかしいなと思ってたら、
いきなり壊れた、備え付けドイツ製の洗濯機の新品購入費まで
弁償しろって言われるしね。
アレ(洗濯機)壊れた間は、不動産屋の担当の方のお古(実家?)の
洗濯機を貸してくれたんだった。
担当の林(リン)さんはオーナーには弱かったけど、
私達には親切だった。
後で不動産屋さんから聞いたのは、オーナーは香港に住むお金持ちだけど、愛人に物件管理を任していて、その愛人は少しでもマンション家賃のお金を懐に入れたいから超ケチなんだって。
🛫それは先に言ってほしかったですね(言う訳ないか…)。
契約の時もオーナーは香港に住んでいるから直接は会えず、
不動産屋が契約任されてるって聞いてだけだったんで。
🛫でも最初の頃は、トトムが会社行ってる間は
マンションでどう過ごしてたの?
👌寂しくポコぞうと2人、部屋でどこにも出ずに過ごしてました。
テレビも中国語でわかんないし・・
🛫あー、テレビね。
おそらく当時の中国のテレビは中国語わかっても面白いとは…
(今は陳情令とか傑作ドラマもあるけど)
NHKも途中でカットが入るしね。
まぁそのおかげで日本に帰ってからもテレビを見るという習慣が
すっかりなくなりました。
🛫マンションの部屋に話を戻すと、
洗濯機事件でもうアカンということで、
住んで一年でまっとうな管理会社が運営している同じマンションの別棟に
引っ越したんだった。
この管理会社が運営している部屋は評判が良くて、
北向きの部屋にたまたま空きが出たので運が良かった。
前の愛人の部屋(誤解を受ける呼び方だが哀しいかな正確に言い表している)も北向きで
広州の強烈な日差しが差し込まないのは良いのですが、
やっぱり人気は広州の街が一望できる南側で、なかなか空きがない。
北側の部屋からは広州東駅と駅前の公園が見えるくらい。
あと建設途中で放棄されたビルとね。
公園で過ごす人の人間観察にはよかったです。
🛫新しい部屋は地味というか、ごくまともな内装で、
記憶に残っている特徴といえば、
キッチンの火力が最強って事。
電気も200Vで瞬間湯沸かしがマジ瞬間やった。
👌そうそう、
火力がすごいからフライパンの柄のプラスチックが溶けたり・・!
あとサービス付きでホントちょっとしたお買い物頼めるし
お部屋掃除、絞らないモップで水浸しだけどしてくれたり、
週二回ベッドメーキングと洗濯物を干してくれたりして助かったなぁ。
🛫あーアイさん(阿姨さん;中国の家政婦さん)ね。
うちのマンションは管理会社のサービスで日にちとメニューは限定だけど、ほんとに個人で雇って、家事の全てから子守りまで頼む人もいたようで、
『もう日本に帰っても家事できない!』ってなるらしいね
👌うちはそこまではないけど、
バスタオルを洗濯したりするのって嵩張るけどさ、それをしなくていいのとシーツ替えてくれるのって楽だった!
ポコぞうが小さかったからよかったよ。
だけど思いっきり台所泡だらけにして掃除してくれるから
怖かったけどね・・
🛫台所といえば、タイル爆砕事件あったね
👌そう、そう、普通にリビングにいたら台所が凄い音がして見に行くと
床が割れていたというか爆破されたみたいになってた事件!
あれは乾燥していたからだったけ?
🛫原因不明というか、
原因を調べても仕方ない、直せば良いのダ!と謎に前向きな対応だった。
原因を調べて二度と発生しない根本対策なんてするより、
ちゃちゃっと直したほうが早いもの。
これが大陸的合理主義です。(6割賛同)
👌でも修理するのに引っ越し?
マンションの違う部屋に引っ越して2週間くらいかかったけ?
途中部屋にいったら工事現場かっていうくらいでビビった~
🛫うん!管理会社に修理を頼むと、
『わかりました、工事の間部屋を移っていただきます。』
”えっ!台所のタイルを張り替えるだけでそんな大変なのですか?”
と理由を聞いても仕方がないのはわかっているので、
とりあえず必要なものを持って、
用意してもらった同じマンションの空き部屋へ。
でもちょうど年末だったので、最上階に近い南向きの部屋から
広州の夜景を見ながらの年越しを経験できて良かったなぁ。
マンションの窓は開かない構造で、
年一回、マンション全体の窓拭きをしてくれるのですが、
入居者サービスというよりは専門の人しか出来ないためです。
広州、特に都市部のマンションは私のところだけでなく、
ほとんどがベランダがなくビルのような造りなのです。
どうしたって広州は大気が汚れているので、
部屋の中の空気をきれいに保つのは、換気しないのが一番!
洗濯物も室内干しか乾燥機が基本。
ということでそんな感じなのでしょうが、
窓ふきイベントといえば、こんな感じで危なっかしい!
窓掃除は平日の日中なので私は直接見たことがないのですが、
銭ファーはいつもハラハラしながら写真を撮って教えてくれます。
中国での暮らしに慣れた後半戦ではいろいろとお出掛けしたので
マンションの話はこれくらいです。
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