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無題

かつて、私の支配者は私自身であった。自らが王であり、自身が傅く者であった。
王の言葉は絶対であり、臣下は従うことで守られる。
その王が退位した。自らの地位を他者に委ねたのだ。
他者は王になったことを知らない。戴冠も気付かぬまま王位を持たされた。
王になったことを知らぬ他者の言葉を信じ行動する。責任のない他者の言葉は時に理解し難く辛い。
そして沈黙。
自ら委ねた王位を王冠を奪還し、再び玉座に着かねばならぬ。自らが自らの王となることを。

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