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自分らしく生きる為に〜バセドウ病との共存

「tosique さんの症状はサッカーの本田圭佑さんの病状と非常に似たケースだと思います」

「私は彼を直接診察した事は無いんですが、主治医の方から話を聞きまして、彼も自分の症状にだいぶ悩まれて、周りに相談をされていたそうですよ。」 

仕事上での辛い立場を吐露するようになった私に、今の主治医から言った言葉です。

2018年3月にバセドウ病が発覚してから、転職活動をし、9月から約2年半商社で勤務してきました。

当時の私に自覚症状は全くなく、何をするにも元気いっぱいだったけれど、健康診断の時、たまたま問診を担当した医師が甲状腺を専門とする方だった為に甲状腺の腫れと細かな手の震えを見つけたのが始まりだったでしょうか。
甲状腺ホルモンの血液検査は一般の健康診断には含まれていないので、気づいていないだけで実は甲状腺の病気であるという方はたくさんいるのではないかと思っています。

なぜなら私の親友は子供の頃から手の震えに悩まされて来たそうですが、バセドウ病だと判明したのは結婚後に大学病院で他の治療を受けた時だと言っていました。

3月の健康診断のあと、かかりつけの内科で受けた甲状腺の血液検査の結果、紹介状を頂き、その年の5月から、虎ノ門病院へ行く事になりました。

私の場合、基準値が4以下であるべきFT3という甲状腺ホルモンの数値が倍の8以上でしたから、初診の際、担当の医師は私に自覚症状が無い事にかなり驚かれ、入院レベルだけど体調は大丈夫なのかと問われたのを記憶しています。

おそらく、私に自覚症状が無かっただけで、実際はその時点で既に下記のようなバセドウの症状が出ていたのかも知れません。

でも当時はホルモン数値が高かった為かも知れませんが、あまり疲れないので体調は良いと錯覚し、どこがおかしいのか、分からなくなってしまっていたんだと思います。

5月から通い始めた虎ノ門病院で処方されたメルカゾールでしたが、6月に入り、身体中の発疹と激しい痒みという副作用に襲われました。
最初は蚊に刺されたのかとも思いましたが、発疹が身体中である事、痒みが酷く眠れない事で、主治医の判断で薬をチウラジールに変えて貰いました。

「写真撮った? そうそう、これは副作用で間違い無いね」
という会話がありました。

私のバセドウ病の症状
記憶障害、判断力低下、生理不順、脱毛
倦怠感、頭痛、不眠、手の震え、苛つき

髪の毛が抜けるのは軽いホラーです。長い付き合いの美容院で、禿げるのではないか?と何回を質問したか分かりません。

子供時代から学生の頃

私は子供の頃、心臓病で身体が弱い子供でした。両親が諦めなかった事と、父の転勤で空気の良かった北海道で過ごせた事で、今の私があるんです。
子供の頃から正義感が強く、理不尽な事が嫌いな子でした。
クラスに虐められて無視されている人がいて、仲間外れにする事を強いられても、私は何もされていないので普通に接していましたし。
父から喧嘩で自分からは手を出しちゃダメだけど、手を出されたら、やり返しても良いなんて言われていたので小学校時代に母が呼び出された事もありました。
産まれた時から家にワンコがいたので、私の動物愛護精神は、そこから培われて来たものです。
学生の頃はジャズダンスとバレエを習い、
人と動物の心理学を学び、アニマルコミュニケーションの資格を取り、メンタルケアカウンセラーや、アートテラピストなどの講座も受けてきました。
ヒーリングやレイキも勉強しました。
だから他人が壁を作っているような事は凄く良く分かってしまいます。

自分が自分で無いような感覚…

9月から入社した会社は商社で、入社時の書類にもバセドウ病の治療中という事は伝えていました。
でも甲状腺の病気自体がマイナーなのと見た目にあまり現れないので具合の悪さは伝わらなかったのかな…と推測します。

私自身、バセドウ病だという事を忘れるほど忙しい毎日が続いていました。
バセドウは元気ホルモンが出過ぎる病気の為、数値が悪い時ほど元気に見えてしまいます。残業が毎日続いても平気でした。

今までの私は同じ仕事でも周りのために貢献するのを喜びとし、常にそういった気持ちで仕事に取り組んできました。
難しい状況を打破する事が得意で、以前在籍していた会社では社長のミスが原因で、このままではイベントの納期に間に合わなくなると社長が頭を抱え、上司が慌てふためく中、臨機応変に動いて何とかイベントに間に合わせた事もありました。
常に仕事には自信を持って取り組んでいたんです。

何かがおかしいと思い始めたのは、入社から数ヶ月した年末近くになってからでしょうか。
ストレスチェックでは高ストレス値を叩き出し会社の産業医の方との面談を余儀なくされました。

バセドウ病である事を忘れて仕事をしてしまっていた為、症状が出ている事に気づきませんでした。

会社にいる時に感じる、そこにいるべきでは無いというような思い。 
場違いであるような感覚が常にありました。
心理学を学んだからこそ、感じてしまう疎外感。

自分が思い描いていたとおりに仕事が進まない。つまらないミスが増える。気持ちが空回りする。
その時点ではバセドウ病が影響しているという事が分からなかったので、全部自分のせいにして落ち込んでいました。

更年期だから仕方ない、老いだと言われていくうちに、私の気持ちはどんどん沈んでしまったんです。

頂いたサポートは今後の治療や活動に役立てたり、ボランティア活動をしている盲導犬や保護犬団体への寄付に使います。 宜しければ、サポートをお願いします!!!