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①モチベーションとは何か? 【Hack Your Motivation】 


お疲れ様です。
週に一回は生魚を食べないと発作が現れるとしぞーです^^

相当な確率で、今後食料の確保が難しくなります。
回避する可能性があるとすれば科学のイノベーションによる生産量増大なんですが、こればっかりは他人頼り。
段々と食品の値段が上がっていき、今までと全く同じ食生活を維持するのが大変になります。

その変化は品目ごとに多種多様なんですけど、特に食肉に関してはその状況が大きく変わるでしょうね。牛肉に対するイメージなんかは20年ぐらい後戻りする気がします。牛肉は超高級品。あり得ますね。

そんな中でもお米と魚(国産)の価格は比較的安定が見込めます。
今からその食生活に移行しておくのも意外と大事かも・・・


さて。

前回の記事でお知らせした通り、これから数回にわたって【Hack Your Motivation】と題し、モチベーションの向上のためのロジックを解説します。

初回となる今回は『モチベーションとは何か?』について。

何かの問題を解決したいときに、その対象の定義をはっきりさせないと明確な対応策を仮定することができません。
ですので、まずは『モチベーション』を定義づけることが重要です。
そしてその定義は(おそらく)皆さんが想定しているものとは大きく違うので、多少面食らうと思います。

が、これから説明する定義でモチベーションを捉え直すと、様々なモチベーションにまつわる問題について新しい見方ができるようになるはずです。

多少ややこしい内容も含まれますが、ぜひ最後まで読んでください。
なお、文字数を節約するために文体はいつもの敬体(ですます)ではなく常体を利用します。

それでは本編にまいりましょう!


音声も撮りました。


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ブログもやってます。



モチベーションとは何か?


まずは準備が必要だ


「モチベーションが上がらない」
「モチベーションが安定しない」

そのような言葉を使うとき、僕たちはモチベーションをどう定義しているのか?

ときにモチベーションは「やる気」と定義される。

確かにモチベーションを「やる気」と定義すると

「やる気が上がらない」
「やる気が安定しない」

と言い換えることができるため、とてもしっくりくる。

しかし「やる気」という言葉がそもそも曖昧だ。人間の体のどこかに「やる気」に対応した部分があり、その部分にアプローチができるならばモチベーションを「やる気」と定義するのは妥当なのだろうが、現代の科学では「やる気」の全てを解明できていない。

つまり、モチベーションを「やる気」と定義してしまうと、その対象が曖昧すぎるために適切なアプローチを考えることができない。定義が「やる気」という精神的な要素である以上、そこに対するアプローチのほとんどは精神論になってしまう。そして、精神論には普遍性があまりない。

モチベーションにまつわる問題が一向に解決しない原因の一つは、モチベーションの定義を「やる気」だと認識していることにあると思う。

そこで、まずはモチベーションを再定義したい。
再定義の目的は、モチベーションのレイヤーを具体的な要素まで落とし込み、物理的なアプローチを選択しやすくするためだ。

*ちなみに本来のモチベーションは『動機づけ』という意味を持つ。
厳密には「行動を始発させ、目標に向かって維持・調整する過程・機能」である。
それが転じて現在では『やる気』や『意欲』などの意味で使われている。

 



モチベーションの定義


認知のパラダイムシフト


【Hack Your Motivation】においてはモチベーションを

「その人固有のアルゴリズム」

だと定義する。


以後、モチベーションという語が出てきた場合は、上記定義を採用していると理解してほしい。

とはいえ、これだけでは理解に窮するはずだから、簡単な説明を加えておく。


「モチベーションが足りなくてAという行動ができない」
というとき、それは何を表しているのだろうか?

モチベーションを「やる気」と定義するとこうなる。
「やる気が足りなくてAという行動ができない」

前述した通り、これでは何の解決にもなっていない。
モチベーションをやる気と言い換えただけであり、事実上同じことを述べているだけだからだ。

では、再定義したものに則り、同じことを言ってみよう。

「アルゴリズムにAという行動を出力する変数がない」

こう捉えると少し感じ方が変わるのではないか?


理解を深めるために自動販売機を例にとって考えてみよう。

自動販売機の内部にはアルゴリズムがある。
自動販売機にお金を投入して、コーラのボタンを押す。
すると取り出し口からコーラのボトルが出てくる。

自動販売機の内部にあるアルゴリズムは
「お金が投入された」「コーラのボタンが押された」という入力に対し、何かしらの計算をする。計算の結果「コーラのボトルを排出する」という出力を実行する。

つまりアルゴリズムとは、入力と出力の中間にある何かしらの計算過程のことなのだ。

例えば、自動販売機にお金を入れて「コーラください!!」と叫んだとする。もちろんコーラのボトルは出てこない。なぜか?これがわからない人はいないはずだ。自動販売機の中に『「コーラください!!」と叫ばれたらコーラのボトルを排出する』というアルゴリズムがないからだ。
もし「コーラください!」と叫んだらコーラのボトルが排出されるようにしたいなら、アルゴリズムを書き換えないといけない。


これと全く同じことが人間にも当てはまる。
(有機物である人間と、無機物である自動販売機を一緒にするな!と怒る人もいるかもしれないが、最新の生物科学において有機物の活動過程におけるアルゴリズムは無機物のものと原理的には変わらないという結論でおおむね一致している。)

人間の内部にも(自動販売機よりも何万倍も複雑な)アルゴリズムが備わっていて、何かしらの刺激(入力)を計算して行動(出力)として排出する。僕らの営みはそのようなアルゴリズムの計算によって構築されているのだ。

あなたが朝起きたところを想像してみてほしい。朝起きてまずはじめに何をするか?歯を磨こうか、水を飲もうか、カーテンを開けようか。これらは『自分』という確固たる魂のようなものが判断することのように思われがちだが、実際は違う(とされている)
朝起きた時の身体的な状況、外的な環境、ホルモンのバランス。それらをアルゴリズムは複合して計算する。その計算結果として歯を磨いたり、水を飲んだり、カーテンを開けたりするのだ。

*補足
「人間の行動は全てアルゴリズムに支配されている」というのが本当だったとしたら『自由意志』はないことになってしまう。事実、最先端の科学では自由意志が否定されつつある。では僕らが僕らだと感じているものは何なのか?僕らは自分で自分の行動を決めている気がするがその感覚は何なのか?当然のように疑問が湧いてくるが、その疑問に対する答えはまだ出ていない。このトピックにおける様々な主張と論拠を上げることも可能だが、本筋からは外れるので別に機会に譲ろうと思う。


この考え方は直感と反するかもしれない。また、現時点での最新科学で正しいと言われていてもそれが確実に正解かは誰にもわからない。ただ、モチベーションを検討する上でこのような理解を用いることはとても有意義なので、仮に納得いかないところがあるとしてもその前提でこの先を読み進めてほしい。


ここで最初の命題に戻ってみよう。

「モチベーションが足りなくてAという行動ができない」
というとき、それは何を表しているのだろうか?

【Hack Your Motivation】ではこれを

「アルゴリズムにAという行動を出力する変数がない」

と定義する。


自動販売機に「コーラください!!」と叫んでもそれに対応するアルゴリズムがないために出力がなされないのと同様に、人間の中にあるアルゴリズムから導出されない出力はどれだけ祈っても出てくることはない。

逆にいえば「行動Aができている状態」は行動Aに対応したアルゴリズムが存在するとも言える。

行動Aを出力したいならばアルゴリズムを書き換えないといけない。


モチベーションを再定義することによって

「モチベーションが足りなくてAという行動ができない」の場合に『モチベーション』または『やる気』という曖昧な概念に対してのアプローチを考えなくてはいけなかったのと違い、

「アルゴリズムにAという行動を出力する変数がない」の場合には『人間に備わったアルゴリズム』を変化させることで出力を変えるという比較的具体的な目標を立てることができるのである。



動的アルゴリズム


人は変わる


とはいえ、自動販売機と人間のアルゴリズムにはいくつも相違点がある。
その一つが「時間による変化」だ。

自動販売機のアルゴリズムは昨日も明日も(そこに人的な操作を加えなければ)全く同じであると考えられる。故障でも起きない限り、お金を入れてコーラのボタンを押したらコーラのボトルが排出される。
(コーラが欠品していたら?これは良い疑問だ。コーラが欠品していたら「コーラのボトルを排出する」という出力は成されない。人間でも同様に物質的な材料が足りなければ成されない出力が多々存在する)

一方で人間のアルゴリズムは刻一刻と変化する動的な仕組みである。昨日今日の話で考えると分かりづらいので、大幅に時間軸を伸ばして考えてみよう。

大人Aは20年前には少年Aだった。
一般的には大人Aと少年Aは同一人物だとされる。しかし両者のアルゴリズムには同一人物だとは思えないほどの開きがある。
道を歩いていてどんぐりを見つけたとする。大人Aはその入力に対して何かしらの計算を行い「素通りする」という出力を決定するかもしれない。子供Aはその入力に対して何らかの計算を行い「拾う」という決定をするかもしれない。

このように、たとえ同一人物だと言え、その人物が存在する時間軸が変われば中身のアルゴリズムも変化する。これが短いスパンでも同様に起きているのだ。

昨日の自分と今日の自分ではアルゴリズムが微妙に違う。
同じ事柄に違う行動を取ったり、違う感情を抱いたりする。
1時間前の自分と今の自分ではアルゴリズムが微妙に違う。
さっきまで楽しいと思っていたことが、つまらなくなったりする。

つまり人間のアルゴリズムは動的なのである。
これはモチベーションを捉える上で非常に重要な観点だ。


当たり前の話だが、僕たちはモチベーションが変化することを知っている。異常にやる気に満ち溢れることもあれば、何にしたいても気力が起きないときもある。【Hack Your Motivation】ではこの変化を「アルゴリズムの状態が変化している」と捉える。

だから、アルゴリズムの状態に介入してその状態を求める位置で安定化させることができれば、結果的に「モチベーションが高い状態を維持」していることになるわけだ。


だから【Hack Your Motivation】では徹頭徹尾、アルゴリズムに対してどのような介入ができるのかを考えていく。人間の内部にあるアルゴリズムに関しては幸いなことにそれなりの研究結果が揃い始めている。

人間の意思決定の多くを司るのは脳内で分泌されるホルモンだが、そのホルモンが何のためにどういうときに分泌されるのかという謎に関しては、最先端の生体化学が段々と明らかにしている。

とはいえ、人間のアルゴリズムは完璧に解明されていないし、おそらく完璧に解明されるのは(それが可能だとしても)ずいぶん先のことだろう。

だから【Hack Your Motivation】では、依拠できる部分は科学的なデータに依拠したロジックを提供するが、相変わらず不明な点に関しては経験則にて類推したロジックを提示する。(割合で言ったら7割はそのような経験則だ)これは予め理解しておいて欲しい。


一旦内容をまとめる。


・人間の行動は情報の入力をアルゴリズムが計算した結果である
・行動はアルゴリズム次第である
・「ある行動ができない」のはアルゴリズムに原因がある
・アルゴリズムを改善すれば「ある行動」ができる可能性がある
・一般的に「モチベーション」と認識されているものは「アルゴリズム」と言い換え可能
・人間のアルゴリズムは動的である
・アルゴリズムの状態を「期待する行動」が出力するように設定し、それを安定化させることができれば、それは「モチベーションが高い位置で安定している」のと同義である
・だから【Hack Your Motivation】ではアルゴリズムに介入をして『「期待する行動」が出力するように設定し、それを安定化させる』ことを目標にする


次回はアルゴリズムに介入するとはどういうことなのか?
また、出力を変える可能性のある2つの変数について触れようと思う。






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