2000年代のYELLOW MAGIC ORCHESTRA④ -HUMAN AUDIO SPONGE-

2003年に入り、1月にアルファレコード時代のYMO作品の版権がSONYに移り、再度CDとして発売されることになりました。1999年の細野さん監修の盤においては細野さんのインタビューが収録されてましたが、今回は更に坂本さん、幸宏さんのインタビューも新たに付け加えられての発売となりました。また、幸宏さん監修による映像DVD作品「VISUAL YMO:THE BEST」も同時に発売され、副音声に幸宏さんの解説が収められていました。

2月には<SKETCH SHOW>としてミニ・アルバム「tronika」を発表、前年末のライブですでに演奏されていた4曲と小作品、リミックス作品を収めたものでした。これには坂本さんは参加していませんが、ライブにも参加していた、コーネリアスこと小山田圭吾さんが参加してます。小山田さんはこれ以降、3人の重要なブレーンとして各作品やライブに数多く参加していくことになります。

6月、<SKETCH SHOW>としてスペイン・バルセロナにおける「sonar」、イギリス・ロンドンにおける「Cybersonica」のそれぞれの音楽フェスティバルに出演、翌年の坂本さんを加えた「sonar」公演への布石となります。

8月には坂本さん監修によるYMOとしての2枚組ベスト・アルバム「UCYMO」が発売され、これで、メンバー3人が選曲したそれぞれのYMOのベスト・アルバムが出揃うことになりました。

そして9月、『Audio Sponge Vol.1』なるコンピレーションに細野さん+坂本さん+幸宏さんによる<Human Audio Sponge>なるユニット名で「quarter dream」という”新曲”を収録、当時、隆盛していた「エレクトロニカ」サウンドを基調としたインストゥルメンタルの小品で、3人でインターネット上のデータのやり取りで作られた、と推測されます。YMO名義ではないものの、再生YMO以来、3人での新作ということになりました。この<Human Audio Sponge>は翌年以降の3人での活動の際に使用されるユニット名として機能してくことになります。

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