見出し画像

金融や会計ってやっぱり学ぶ必要あるよねって思った瞬間


お疲れ様です!
興味本位で糖質制限を初めてみたら、すこぶる健康的な押川です。

食後眠気こない。最高。

さて、本日のシェアはこちら。

昨年末話題になったRIZAPの「負ののれん」についてシェアしていきたいと思います。

❶ P/L と CS について
❷ 企業発信の情報を鵜呑みにせず一次情報を取る必要性について
❸ 投資資金の回収について

でお送りします。


❶ P/L と CS について

記事を読んでいただいた方はわかると思いますが、

「負ののれん」とは、買収先の純資産が買収金額(支払対価)を上回った場合の純資産と買収金額(支払対価)の差額です。そして、その差額(割安購入益)を割安に購入できたとして「その他の収益」に表示することになるのです。

ということです。
つまり、お金はいっさい会社に入ってきていない(むしろ投資をしているのでお金は出ている=投資キャッシュフローがマイナス)のに割安で会社を買えたから、その差額分をP/Lに利益として計上し、あたかも利益が出ているように見せることができるわけです。

この表記方法は適切なのですが、肝心なのは財務を読む投資家側がしっかりキャッシュフローを理解しているかどうかという点です。

会計の世界ではよく言われますが「利益は意見、キャッシュは事実」ということです。

そして、「割安で買える」ということはその会社自体が赤字を抱えているなど、なんらかのリスクがあり、将来的に価値が減損していく前提になります。

RIZAPはこういった赤字企業を割安で買収し、RIZAPのノウハウを駆使することで経営のV字回復をする前提で買収していたのですが、あまり上手くいっていなかったようで、昨年末に減損損失として計上し、営業利益(国際会計基準)を230億円から▲33億円に下方修正したわけです。

RIZAPの主力ビジネスである「ボディメイク事業」は2~4カ月にわたるプログラムの一括前払いが基本なので、資金繰りは通常、有利に働くはずです。
決算説明会資料によると、主力の「ボディメイク事業」は売上高も会員数も順調に増加しているにもかかわらず、営業CFがここまで小さいということは、買収した企業の立て直しに、相当なキャッシュを使っていることが予想されます。

⇩決算説明会資料はこちらから確認できます!
https://ssl4.eir-parts.net/doc/2928/ir_material_for_fiscal_ym/48383/00.pdf

また日本の会計基準ではのれんは減価償却をしなくてはなりませんが、IFRSでは経営者のタイミングで減損損失を計上することが可能です。

こう言った点から、有価証券報告書などの一次情報をしっかりと読み取り分析していればいずれ下方修正されることは想定の範囲内に入れることができます。


❷ 企業発信の情報を鵜呑みにせず一次情報を取る必要性について

RIZAPの決算報告書や対外的なアクションを見てみると

・決算説明会資料なども増収増益でイケてる感じ
・P/Lも見かけ上成長している
・営業CFが8,800万円にも関わらず配当を15憶円吐き出している

対外的には良さげな数字であり、嘘もついていないわけですが、有価証券報告書など一次情報を深めてみると事業のリアルな状況がよくわかります。


❸ 投資資金の回収について

そもそもですが、今回このテーマについてシェアするきっかけになったのは、一昨日湾岸エリアにてメディア事業を立ち上げている女性社長と飲んでいた際に「RIZAPがフリーペーパーを発行する『ぱど』を破格の10億円の高値で買収した」という話が発端だったりします。

ぱどはフリーペーパー事業ではNo.1の発行部数を誇っていますが、2016年3月期の営業損益は1億7500万円の赤字になっていました。

某大手新聞会社も買収に乗り出していましたが、投資資金は基本的に5年で回収するのが王道だったりします。

なので10億の投資資金を5年で回収という目線で見た時、年間1億7500万円の赤字を年間2億円の黒字にしなくてはならないということになり、フリーペーパー事業としてはなかなかにハードルが高いように思えます。

ですが、RIZAPの場合、自社で沢山の事業を所有しており、広告費を年間90億円かけている中で考えると、広告費の一部としてフリーペーパー事業を買収というのはありなのかもしれませんね。

利益なのか、チャネルなのか、ノウハウなのか、特許などの権利なのか
投資で得るゴールについて考えてみると面白いかもしれません。


❹おわりに

主力の「ボディメイク事業」が売上高も会員数も順調に増加しており、「RIZAP GOLF」や「RIZAP ENGLISH」も軌道に乗りはじめているRIZAP。

瀬戸社長は「今期中に構造改革の損失を確定し、来月から再び成長軌道に戻す」と言っています。

2019年3月25日現在、だいぶ株価の下がったRIZAPの株価が今後どうなっていくか考えてみてもいいかもしれません。

⇩現在の株価はこちらから確認できます!
https://minkabu.jp/stock/2928

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?