【彼女との出会い】
片田舎の小さな飲み屋「ガパガポ」で行われた友人主催のハロウィーンパーティー。外壁がツタで一面覆われた古い喫茶店を改装した小さな洋風居酒屋さんで、地元の差ほど多くはないだろう若者向けに、手ごろな値段で気軽に飲みに行けるような敷居の低い店だった。20名程度で一杯になってしまうような薄暗い店内には、南国的というかサーファー的というか、海のイメージがあって、カウンター裏の酒棚にも、トロピカル系のリキュールが目立った。蛍光灯とブラックライトでぼんやりと青く酒棚のお酒を照らしていて、横にあるプラスチックのプルメリアの白がブラックライトで際立っていた。
ハロウィーンパーティーだから、スタッフも其々思い思いの格好をしていて、ミイラ男、ターミネーター、馬や、サル・・・様々だ。私はパーティーの1コーナーでバンド演奏を頼まれてきたから、黒のスーツだったかな、、、開宴前、仮装したスタッフと一緒に会場の設営も手伝ったりしていた。カウンターに準備される大皿料理、揚げ物の臭いの中、ステージになるだろう店の一角で仲間とリハをしていると、受付のサルと目があった。ハッとして目を逸らしたがまた見たくなって、もう一度目を合わせた。
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