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ビバ・セルフ・ハピバ

誕生日を喜べる気持ちだけは持っておきたい、と思う。
小さい頃は誕生日が待ち遠しかった。
新作のゲームに、地元の有名店のケーキ…
プレゼントを貰えるだとか、好きなものを食べられるだとかあるが、年齢を重ねるというのが素直に嬉しかった。
対象年齢◯歳以上のおもちゃやゲームが解禁されていくのも、自分の格が上がっていくような感覚だった。

特別、田舎に住んでいたわけでもないのだが、実家は中心部から離れた場所にあり、近所の同級生なんかはほとんどいなかった。
仲のいい友人はいたが、距離が離れていることもあり、互いの家に行くということは難しかった。
誕生日パーティーなんてものは尚更であり、家族以外に祝われることに強い憧れを持っていたのを覚えている。

その後、大学生になり実家を出た。
20歳になったその日、友人らに念願の誕生日パーティーを開いてもらった。
どういう経緯だったかはうろ覚えだが、かなり強く頼み込んだのかもしれない。
プレゼントは数千円のエコバッグ、ケーキは市販の土台にクリームを山盛りにして缶詰のフルーツを大量に載せた不恰好なもの。
それを見た自分がどうしたか。

結果、めちゃくちゃに泣いた。
誰かに祝って貰うの、すご…
親からのおめでとうも特別だが、友人からのおめでとうも、自分にとってはあまりにも特別だった。

声を大にして言いたい。


誕生日って、イイよね…


親、友人…

あまりにも良すぎる…


この感動、また味わいたいな…


イケるか…?



そうじゃん…イケルじゃん…

初めて自分で自分をお祝いしたら、イケる!!!!



2023年、春。誕生日当日。

どんより春の札幌。心が躍る。イけ!!!

この日このため、有給休暇を取った。
前日の夕方に急遽申し出たのだが、上司は快諾してくれた。
「明日何かあるの?」
「へへえ、実は誕生日でして…(ニタニタ)」
というやり取りを想像していたのだが、この日は特に何も訊かれなかった。

朝から街のシンボルであるテレビ塔を目の前にして、気持ちが高ぶる。

おめでとう、自分。

今日はどこまでもイこう。ビバ・誕生日。

セルフハピバ(セルフハッピーバースデー)。

セルフハピバをプロデュースするにあたって、ルールを決めることとした。

〜ビバ・セルフ・ハピバのルール〜

  1. 出来るだけお金を使わない




まあ、こんなところか…

あんまりルールが多くても、ね。

しがらみばかりの人生、これ以上しがらまわれてたまるもんですか。


早速、シュパシン!!!!

まずは大通公園シュパシン(出発進行)。
せっかくなので、札幌中心部の名所を回っていきます。
5分ほど、テクテクと北上。

北海道庁赤れんが庁舎(旧本庁舎)前の門。札幌駅と大通公園の真ん中くらい。早速チラ見えしてますが…

定番スポットの一つである、北海道庁赤れんが庁舎(旧本庁舎)前に到着。
平日ともあって(思えば5類以降前でした)人はまばらでしたが、観光シーズンは撮影者が絶えないスポットです。
門の前にはアカプラと呼ばれるレンガ調の可愛い広場があり、老若男女がゆったりくつろいでます。
今でもタピオカを飲む女子高生が見られるのは、もしかしたら日本でここだけかもしれません。

入門!!






ム…





ハリボッテ!!!!


ちょうど今(2023年時点)、改修工事中なんです。
2025年3月に完了予定だそうなんですが、遠目ではわからないレベルで巨大な写真がシートに複写されてます。
なんだ…とガッカリする人もいるかもしれませんが、笑っちゃうくらいデカいので見て欲しい。気持ちがアガります。
ハリボテであっても”そこ”にあれば本物。人生かよ。

次なるステージへ

人生の面白さに気がついたら、次は腹ごしらえですよね。
更に5分ほど歩きます。
お目当ては、六花亭札幌本店。
デカすぎる入り口に、等身大の彫刻ワンちゃんがお出迎えしてくれます。

あまりにもデカすぎて、ワンちゃんがミニチュアに見える

六花亭といえばマルセイバターサンドやらが有名ですが、店舗によってはカフェスペース(喫茶室、と言うらしい)があります。
北海道全域にお店があるのですが、どの店舗もロケーションや造りにこだわっていておすすめポ(おすすめポイント)です。


たまたま開店直後に入店。このあと数分で全席が埋まる

カフェスペース(喫茶室)では限定のケーキや食べられるのですが、お目当てはバースデープレゼント。
公式サイトでは記載がちょっと見当たりませんが、店舗のメニュー表には記載されています。(撮り忘れた)

内容は「誕生日当日に限り、ケーキ&ドリンクを無料(!)で提供」というもの。
めっちゃすごい。サイコー。イケる。ビバすぎる!!!

ただし利用には条件があり、
※喫茶メニュー注文の方
とあります。どういうこと?

一瞬困惑しますが、つまり何か一品頼まないといけないんですね。
ビバ・セルフ・ハピバのルールその1「出来るだけお金を使わない」を守るべく、頼んだものは…





クッペ(ポロシリ)




?????????



クッペはフランス語で「切られた」という意味のパンらしいです。
ポロシリはアイヌ語で「大きい」「山」という意味らしいです。豆も沢山入ってますし、大地の恵み的なことなのかな…
焼きたてでめっちゃ美味しかったです。

そして本命の登場。


美しい…。絵画か?

アイスコーヒーと季節限定モノ(紅茶のチーズケーキ)です。
断面、ヤッベェ〜
しっとしっとケーキに硬めのクリームが最高。
※店舗によってはショーケースから好きなケーキを選べるらしいです

気になる会計は…

安(あん)っ!

400円て。
プレミアムなケーキ食べて、こんな金額かいて。
注文時には免許証の提示が必要でしたが、笑顔で店員さんに「おめでとうございます」と言われました。
父さん、母さん、ありがとう。亭さん(六花亭さん)、ありがとう。



店を出ると、彫刻ワンちゃんが少し大きくなってました。

帰りのワンちゃん。成長した?


頂け

ワンちゃんの成長も見守ったところで、次の場所へ向かいます。
お次は札幌の頂(いただき)を頂きます。
札幌駅に直結、JRタワーへ。頂け〜!
あまりにも人がいない駅前広場をズンズン進みます。


頂(JRタワー)が奥に見える札幌駅前。人類は絶滅したのかもしれない

このJRタワー、通常の展望料金が740円と元々リーズナブルなのですが、誕生日当日に限り無料
札幌出身者でも意外に登らないスポット1位かも。

錯視みたいな床の影響で傾いた廊下


ここでも受付で免許証を見せ、「おめでとうございます」を貰いました。
おめでとうを強要してるのかもしれない、と思いつつ展望室(38階)のエレベーターに乗車します。


東京と札幌の地図を重ねたもの。ニッチな需要に応えるのが魅力

ここも比較的に空いており、エレベーターは1人で乗りました。
どんな景色が待っているのか…?ビバれるのか?











ビバれる!!!!!






オアッ〜〜〜!!!!!




ちょっと曇ってはいますが、圧倒的な景色。
東西南北、あらゆる方向に突き抜けてます。すごいな〜
こんなに高いビルがある中心部が、山に囲まれてるのも面白いです。
市内には6つのスキー場があるのですが、これって結構な特徴みたいです。
これだけ雪の降る街(あの人とは関係ない)でここまで栄えてる大都市も世界的にないとか…


下を覗くとこんな遊びが!可愛いな〜車小さっ


展望室内はいくつもソファや椅子があり、ゆったりしている方が多かったです。

洒落たカウンター、スペースもある


なんとなく、地元の人が穴場的に使っている雰囲気もありました。(空いてる時ならでは?)
ここで過ごす1日、めっちゃいいな…
誕生日特典がなければ来なかった(来るとしても相当先だった)と思うと、誕生日様様です。誕生日サマサマ。



HAPPY BIRTHDAY♪
絶景のトイレもある。合法的にチビっていい


時を愛でろ

天気が怪しいので地下に潜る

想像以上に圧倒され、まあまあな時間を過ごしたところ薄暗くなる空…
札幌は大雪文化があるため、地下通路が充実してます。
直線距離(2km弱)なら未だに全国1位だったはず。
更に延伸しようとしてるのがすごい…ありがたい…
目的地近くで浮上します。

雨がパラついてきてる〜

良い看板たち

札幌と言ったらこれ!的なスポットに向かいます。
1人で過ごしてるのに、自分で自分を観光案内してるような変な気分…
再び大通公園方面に。



テッカテカの床。可愛い建物が見えてきました

向かうは札幌時計台
日本三大がっかり名所とも呼ばれてますが、そんなにか?と思います。


廃墟?

撮り方が悪く、廃墟っぽくなってしまいました。
夏場は緑が青々と輝き、冬も屋根や壁面が映え、夜はライトアップがイイ感じなのですが…
ただ、改めて見ると可愛い造りです。

この時計台、中に入ることが出来ます。
入館料は200円。(誕生日特典は…なし!)

それでも安い

どうせ無料だろうと図々しく向かったところ、何もなかったです。
札幌市民であれば、毎月16日は市民デーで無料とのこと。
残念ながら16日生まれではないため、すごすごと引き返しました。

時計台自体はそこそこ大きい建物ではあるんですが、周りにビルが連なる街中にあるのでポツンと見えがちなんですよね…そこが可愛いのに。
もっと愛でろ


ついにシンボルへ

仁王立ち、キマってるね

再び大通公園に戻り、さっぽろテレビ塔へ到着。
東京タワーやら通天閣、特に名古屋タワーなんてめっちゃ似てるわけですが、同じ建築家が設計したとか。(タワー6兄弟)
さっぽろテレビ塔は4男らしい。性別あるんだね

ここは入場料金1,000円のところ、札幌市民かつ誕生日前後3日間であれば無料。
JRタワーより低いのに料金高いんかい。(別にいい)

何故か緊張感のあるエレベーター

実はテレビ塔も初めて…、ここも意外と登らないスポット同率1位かも。
外から見るとエレベーターの昇降がわかりやすい造りになっているので、ここからもう楽しめそうとワクワク。




世の中はそう甘くない

結構、網だった。
結構というか、終始網だった。
見えそうで見えないのが続いて、展望階に到着した。


「北海道の楽しい思ひ出」「ガビーン」

この年代モノのプリクラ機を見れただけで良いかも。
ヒゲを生やしたこの生き物は「テレビ父さん」。
これだけ推していて非公式キャラクターという謎。
奇しくも赤れんが庁舎と同様、本物とは何かを考えさせられる。



そして、いざ景色!!








とりあえず、怖窓「こわそう〜」を貼っておきますね。

「こわそう〜」



「こわそう〜」


登る順番を間違えた感はありますが、雪まつりシーズンの景色はイルミネーションが綺麗に見えるそうです。
よさそう〜

また、実は誕生日特典は入場料に留まらず…
バースデーケーキ&プレゼントもある!!!!

炎上するテレビ塔マグネット&ショコラケーキ(15切れ入り)


売店で600円弱で売ってるようなものなので、かなりお得!!
ブラウニーっぽい感じで、かなり食べやすかったです。(食べ切るのに1週間かかりました)



ここでも受付でお祝いしてくれました。やっぱりテレビ塔だね!!


君の一瞬、私の一生

こんなに人気がない写真も、今じゃレアかもしれない

テレビ塔を後にし、再び地下街へ。
行くところはまだまだあるのだ。

向かった先はサーティワン。

サーティワン文字起こしあるある:サーティーワンじゃない


誕生日…どこまでも楽しませてもらうよ。


こいつで!!

これはレギュラー1個購入が必須…もう1個ということはダブルになるということ。
ビバ・セルフ・ハピバのルールその1の適用内と判断します。
レギュラーシングル(400円)を購入!




あっ…



まだまだ冷える春の北海道。(この日の最低気温は5度)
アイス片手に、いそいそと移動します。




うーん






良さそう〜







スッ…








レギュラー2つにスプーン2つか〜


確かにそういうクーポンでした。
ダブルとは一言も書いてない。
寒い中、片手で2種のアイスを持ち、ベンチで食べます。




パク…




うまっ…




手つめてっ…





通り過ぎる中高生の目…痛(いて)っ…





ふと、高校生の頃の記憶が…





展望中に雨が強くなってました

朝、教室に行くとプリントが配られていて…




前の席の女の子が座っていたので「これ何のプリント?」と訊くと…




こちらを振り返って…





「何でそんなこと訊くの?」とだけ言われ、心が折れた日のこと…






あれ以来3年間、女子とロクな会話をしなかったこと…





誕生日サイコー!!






大粒になる




カラダを暖める♡


寒すぎる…

雨が強まり、本格的に冷えてきました。

行くか…サウナ!!


「北の絶対王者」の異名を持つ

ニコーリフレに来ました。
もちろん、誕生日特典がある!!!!


会員になる必要あり(無料)。期限に幅があるのが嬉しい

24時間利用料(平日2,900円、休日3,100円)が無料!
凄すぎる。良いのかこれ。
24時間と言いつつ0時を過ぎると深夜料金が発生するため、ギリギリまでゆっくり過ごしました。
おめでとう自分。ありがとう自分…



まとめ

1日の費用はこうなりました。


脅威の88%割引に。
1人ならではのムーブもありましたが、こんな誕生日もいいですね。
みんなも自分の誕生日は自分で祝ってみよう!

ビバ・セルフ・ハピバ!!





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