Marry Christmas Sky Seed Cat!!!!
私は季節でいうと秋が一番好きで、その中でもOctoberよりNovemberより、今この瞬間私たちが過ごしている“September”が特別好きだ。
壊れかけの冷蔵庫みたいに涼しいし、何よりも“セプテンバー”という言葉の響き自体が好きだ。
それに今私が住んでいる北北半球には、今月にクリスマスがやってくるということもある。
私はキリスト教ではなく偏執狂だから、私にとってはそれほど重要な行事ではないんだけど、やっぱりそれでも楽しみになる。
夜は街全体がいつになくしんっと静まり返って、シーラカンスの肺の中に沈み込んでいくし、目玉からはとても楽しそうな家族の笑い声が聞こえてくる。
私はそんな夜道を、Sky Seed Catを連れて散歩する。
嗚呼、早く25日が来ないだろうか。
そうだ、サンタさんに電話してみよう!
クリスマスを早めにできないかどうか聞いてみよう!
私:もしもし? サンタさん?
サンタ:(雑音とともに大声で)そうだよ!
私:あのさ、クリスマスって早めにできないの?
サンタ:え?!聞こえない!もう一回言って!今ライブのリハーサル中なんだよね!
私:あのさ!クリスマスって!早めにできないの?!!
サンタ:あぁ、どうだろ。確認とってまた折り返すよ!
私:了解!
電話を待つ間、私は一人将棋をすることにした。
右手が左手を王手したところで、玄関のベルが鳴った。
宅急便だった。
私が段ボールにカッターの刃を入れた頃、電話が鳴った。
私:もしもし。
サンタ:サンタさんだよ。
私:知ってるよ。
サンタ:いいよ。
私:え?
サンタ:クリスマス、早めにできるよ。てゆうか、したよ。
私:まじ?
サンタ:メリークリスマス!
私:メリークリスマス。
電話を切ったあと、私は段ボールの中身を確認した。
時計だった。
それは12から1へと減っていくタイプの時計だった。
女:私たちは乾いていく水槽なの。
女がソファーに座っていた。
私:誰?
女:私たちは乾いて行く水槽なのよ。
私は時計にもう一度目をやった。
それはドクドクと、微かに脈を打っていた。
私:チクタク、ではなく、ドクドクってこと?
女:…
女は何も言わずに消えて行った。
嗚呼、これだからSeptemberは見逃せないよ。