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Teardropをめぐる空耳

Massive AttackのTeardropという曲があります。 洋楽を聴くことが人格の都会化のための必修科目だと信じた中学生時代のぼくが無数に手に取ったCDの中では、ひときわ尖っていて、異質なアルバム”Mezzanine” 暗く響くエレクトリックな曲ばかりのそのアルバムの中で、唐突に空から降ってくるようなチェンバロのリフ、力強いピアノ、美しい女性ボーカルのメロディ。 どこか現実感がなく、神々しい夢のようだけれど、なぜか力強さも感じさせる曲です。 歴史的な名曲で、発表か

    • 2018年に読んで、よかった本2冊

      2018年に読んだ本の中から Best 2冊を紹介しようと思います。 (こういうことは年末にやるのが正しいのでしょうが。) 1. アリス・マンロー『小説のように』2009年刊行の本ですが、今年の夏ごろに神保町の三省堂の、何かの特設コーナーで出会い、ジャケ買いしてしまいました。その後、神保町のベローチェで読んで、呆然としたのを覚えています。短編集なのですが、ひとつひとつが重すぎて、次を読むのが怖いという感覚に陥りました。 アリス・マンローは、これを書き上げた時点で78歳なわ

      • 「大迫、半端ないって」をめぐる連想

        「大迫、半端ないって」が再流行している。 大迫選手のゴールシーンより、滝川第二のロッカールームの映像の方が頻繁に放送されているような気さえする。 この動画は元々好きだったけれど、今回初めてフルバージョンで見て、ますます好きになった。笑えるし、何とも爽やかな雰囲気があって、見終わった後にすこし気分が良くなる。 テレビからこの映像が流れてくると、つい手を止めて見てしまう。そして頬が緩んでしまう。 わざわざこの文章を読む人の中に、見たことがない人がいるとも思えないが、もしいたら

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