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シニア婚おめでとう!

 ある年齢から、ふと昔を思い出すことが多くなった。
でも、まず思い出したことがない時代に勤めていた先の社長さんから連絡がきた。当時の社員だった男性、65歳が結婚したのだという。

 お祝い会かつ同窓会への誘いで、なつかしさもあり行ってきた。 
誰それ、当時のお顔を思い出しつつ行ったけれど、浦島太郎状態。皆、すっかり年輪を重ねた顔や雰囲気。皆も私を見て最初「誰だっけ?」という顔。
その中で一人ニコニコしている人がいる。すっかりおじさんなんだけれど、なんだか妙に若々しくて、明らかに他の男性陣と雰囲気が違う。
新郎のNさんだった。

 皆、すぐに打ち解け、奥様が照れて不参加だったので、Nさんに質問が飛ぶ。奥様の歳が一回り以上下と知り、男性陣からが「まじかよ」という声。私が「幸せ?」と直球投げたら、「すごく幸せ、毎日、楽しい。結婚ていいね」と、のたまい、またまた「まじかよ」の声々。
 私も、そんな感情、はるか昔にどっかに置いてきたから、新婚さんで舞い上がってるだけだと、意地悪な見方もできるけれど、でも、ちょっと感じ入ってしまった。昔の彼は、こんなストレートに感情を口にする人でなかった
記憶があるから。
そう舞い上がって、全然オーケー! じゃないか。
いくつになっても、今、幸せを実感できて、それを口にだせるってスバラシイ。
 
 帰り道、思い出すこともなかった時代が、また蘇った理由が、仲間の幸せのおかげで本当に良かったと、しみじみ思った。

 

 
 
 

 


 


 


 そういえば彼は、昔、どちらかというと無口で、はっきりものを言う人でなかった記憶がある。



 


 



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