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3年以内に音楽レッスンだけで暮らせる収入を得る方法【結論:鬼キツいですが可能です】

こんにちは!ギター講師のソエジマです。

今回は不定期で開催しているお悩み相談から、ある質問をピックアップして記事を書いていきます。

不定期すぎて10ヶ月ぶり・・・!笑

そんな中たくさん応募いただきありがとうございます!

今回ご紹介するのは会社員で兼業ミュージシャンを目指す方の質問です。

私は現在27歳の会社員です。趣味でやっているピアノで3年後を目安に、音楽のみで最低限の生活ができるような収入を得られるようになりたいと考えています。(20万〜25万の月収が目標です)

内容としては、ソエジマさんがされているような、オンラインレッスンやnoteでの情報発信、曲作りもしてみたいと考えており、最近「Tune core japan」というクリエイターのための音楽配信サービスを知りました。そういったところでの曲の配信もしていきたいと考えています。

しかし、ピアノ経験はまだまだ浅く、現在はレッスンを受けて日々勉強しています。理論的な知識についても、学生時代から耳コピが主だったため、ほとんどなくそちらも勉強中です。

ソエジマさんにお聞きしたいのは
1.将来に向けてソエジマさんが音楽の情報を発信される中で、重要視されていること
2.約3年という短い期間で、音楽で生きていく事を実現するために重要なこと(厳しいお言葉をいただいても構いません)
の2点を伺いたいです。

長文になってしまい、申し訳ないのですがアドバイス頂ければ幸いです。よろしくお願いいたします!


音楽で食っていくというゲーム


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音楽で食べていくという崇高なことを「ゲーム」と表現することに抵抗を感じるかもしれませんが、ゲームというものには必ずルールと勝敗があるのであえてこの言葉を使っています。

音楽で食べるというゲームは、毎月の必要な支出を音楽で得る収入が上回れば勝ちです。シンプル・・・!

専業希望の場合、生きるために必要な支出の全てを音楽収入でまかない、生活費だけではなく人生全体で見た老後資金なども全てここから出すことになります。

一方で質問者の方のように兼業の場合は、目標とする額は柔軟に設定ができます。家賃だけ、スマホ代だけ、まずはそういうところから小さく音楽で食うのもありかもしれません。


3年で音楽だけで食うことは可能か


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順番が前後しますが、まずは2つ目の質問から答えていこうと思います。

2.約3年という短い期間で、音楽で生きていく事を実現するために重要なこと(厳しいお言葉をいただいても構いません)

質問者さんの場合、3年後を目安に音楽のみで最低限の生活資金(20万〜25万)を賄うことが目標なので、その前提で考えると・・・

むちゃくちゃキツいけど可能ではある。

という感じですかね…!

まず3年という時間について考えてみます。3年は、音楽スキルを身につけるには短い時間ですが、音楽ビジネスを構築するには十分な時間といえます。

音楽スキルってほんとに難しくて、マジで一朝一夕で身に付くものじゃないんですよね。

理論や奏法を知ったからといって、すぐに誰でも同じ演奏ができるわけではない。憧れのアーティストと同じ機材を揃えても、全く同じ音にはならない。ほんと、難しいです。

ただここで考えてみて欲しいのが、必要とされるスキルは誰を対象にするかで刻々と変わるということです。

レッスンの例で言うと、初心者の方をレッスンするのにメロディックマイナーやリディアンフラットセブンスといった難解なスケールを知っておく必要はないですよね。

もちろんいち音楽家として探究心を持つことは大事です。それらを知る努力を放棄しろ言っているわけではありません。少なくともギターを始めたばかりの生徒さんからメロディックマイナーについて質問を受ける確率は低いですよね。

自分がやりたいことと、それに必要とされるスキルを把握しているかどうかがめちゃくちゃ大事なんです。

これを理解していないと、何年も修行の身から抜け出せなかったりします。

3年という時間が音楽スキルを身につけるには短いと書きましたが、質問者さんがこれからやっていくこと次第では、もう既に必要なスキルを持っていることも十分にありえます。

というか3年で音楽で食いたいなら、今の自分のスキルでできる範囲内のビジネスを考えていくべきです。

一方で3年は音楽ビジネスを構築するには十分な時間とも書きました。

既に必要なスキルを持っているなら、あとはビシネスを考えてそれを形にしていくだけです。行動、継続、改善あるのみ!

僕が音楽で食えるようになったのも大学卒業からの3年間でしたし、YouTube登録者が4.5万人になったのもここ3年間の出来事です。

note、オンラインサロンといったモデルが音楽業界で浸透したのもこの3年の話です。

3年もあればあなたの考えや環境、業界の動向はもちろん、人生だって余裕で変わります。


レッスンは最も再現性の高い音楽ビジネスの一つ


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音楽で食っていくためには、毎月の安定した収入源が不可欠です。

音楽で最もそれを実現しやすいのは、やっぱりレッスンなんじゃないかなと思います。

というか僕がレッスンプロなのでレッスンのことしか語れません!笑

レッスンの世界には古くから「月謝」という月額課金の考え方が根付いていますし、生徒さんとの信頼関係は音楽人生においてかけがえのない財産になります。

ガッチガチのプロじゃなくても、生徒さんの課題を解決できる能力さえあれば派手な実績がなくても講師としての活動を始めることができます。

一つだけ誤解しないでおいてほしいのが、講師が誰でも務まる簡単な仕事ではないということです。

「生徒さんの課題を見つけ、それを解決できる能力」と簡単に書きましたが、抽象度が高い上に、根底に相手を思いやる気持ちを持っていないといけないので、真の意味で適性がある人は少ないと思います。

僕もそうでしたが「自分を見てくれ!!!」という衝動で音楽をやっていましたから。いきなり生徒側の目線に立つのは難しいと思います。

質問者さんは会社員として働いていらっしゃるので、もしかしたらこの辺りで社会人生活で得たノウハウが生きるかもしれませんね!


生徒の集め方


3年で生徒を集められるようには何をすべきか、僕が実際にやってきたことを紹介します。

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①ターゲットを絞る

今の自分のスキルで解決できる悩みをもった生徒象を書き出していきましょう。たとえばピアノなら…

・クラシックピアノはやっていたけどコードが弾けない人

・子供にクラシックピアノではなくポピュラーピアノを教えたい人

・特定のジャンルのアーティストの曲をソロアレンジして弾きたい人

・他の楽器がメインだけど作曲のためにピアノが弾けるようになりたい人

などなどたくさん出てくるはずです。

今まで知り合いに何か音楽を教えた経験がある場合、その経験がヒントになることもあります。

ちなみに初めて言いますが、僕のターゲットは・・・

40代男性。学生時代にエレキギターを弾いていたけど社会人になり約20年のブランクが空いてしまった。仕事も子育てもひと段落して、ふと我に帰った時にギターを手に取った。学生時代と今では音楽の趣味も少し変わり、せっかくだからずっと憧れてたおしゃれな音楽を弾いてみたい。今度こそアドリブで自由に演奏してみたく、手癖のペンタトニック以外も多彩なフレージングを弾いてみたい。なんならセッションにも行けるようになって、たくさんの音楽仲間に囲まれて過ごしていきたい・・・。

こんな感じです。途中で微調整してもいいですが、基本的に定めたターゲット層に向けて一貫した発信活動を行っていくことになるので、ここは重要なポイントです。


②一貫した情報発信

3年もあればSNSで一定のポジションを確立することは可能です。

質問者さんのようにオンラインレッスンやnoteでの教材販売を視野に入れている方なら、SNSでの情報発信は必須といえるでしょう。

・明確なターゲット層
・一貫したコンテンツ内容
・定期的な投稿と圧倒的な継続
・継続しながら絶え間ない分析と改善

”おしゃれなコード弾きについてのレッスンを発信しているAさん”

みたいなポジションが確立される頃には、生徒をたくさん抱える人気講師になっているはずです。

SNSを伸ばすためには、あっと驚くような演奏スキルが必要と感じるかもしれませんが、そんなことはありません。演奏に自信がないなら図解や譜面、箇条書きでもいいんです。

網羅性のある情報を、体型的にまとめる技術が問われます。社会人生活で培ったスキルが活きるといいですね!

3年である一定のフォロワー数を獲得するために、本業の前後の時間は可能な限り発信活動に投入してください。

SNS上ではプロもアマも専業も兼業も全て同じ土俵なので、24時間フルコミットできる専業プロミュージシャンを相手にすることになります。

そんな中頭角を表すためには、生半可な気持ちでは難しいと思います。タイトルにもした「鬼キツい」というのは主にここです。

9時出社なら、毎朝5時に起きて最低でも1日3時間は音楽ビジネスの作業時間を確保しましょう。それを365日×3年〜〜継続しましょう!


③有料レッスンへの案内

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SNSであなたの情報に触れた人は、いくつかの層に別れることになります。

①無料の情報だけを見る人
②レッスンが少し気になる人
③すぐにでもレッスンを受けたい人

音楽で食っていくためには、②③のユーザーを獲得していくことが重要です。

ここに失敗してしまうと、SNSのフォロワーは多いけど全然稼げない・・・という現象が起きてしまいます。

逆にSNSのフォロワーは多くないけど、しっかりとビジネス基盤を持っているミュージシャンもたくさんいます。

フォロワー数を増やすことが全てではないんです。フォロワー数ばかりに目を奪われがちですが、本当に大切なのはフォロワーの質です。

音楽で食うということに特化して考えると、1万人のライトユーザーより、20人のコアファンを獲得すべきです。

20人が1万円の月謝を払ってくれたら、、、なんと、目標達成ですよね。

これから音楽で食っていきたい人にとって、何万人ものフォロワーを付けることは途方もないことに思えますよね。

だから、まずは5人とか、1人からはじめましょう。

もしあなたにレッスンを受けたそうにしている人が既に1人いる場合、その人こそ最初のコアファンです。そこから全てがはじまります。

話を少し戻して、具体的にライトユーザーとコアファンを分ける仕組みがあるといいと思います。

たとえば無料メルマガ、LINE@のような一手間かかるツールに誘導するとか、無料のZoom飲み会をやるとか、直接DMのやり取りをするとか、、。方法は何でもいいです。

自分のレッスンを受けてくれそうな人に直接コンタクトが取れる状況を作ることが大切です。

こうやってフォロワーをライトだコアだといってると、少し冷めた印象を持たれてしまうかもしれませんが、前提としてSNSを更新する時は、悩んでいる人の課題を解決して役に立ちたいという、他者貢献のマインドをしっかり持っておきたいですね。

①ターゲットを絞り
②一貫した情報発信をして
③有料レッスンへ案内する

レッスンが始まればいろいろなことが起きて経験も積めるので、より①ターゲットが明確になり、②発信する情報がどんどん洗練されて、③有料レッスンが売れるようになります。

このサイクルを回していきましょう!

僕が紹介した手法はほんの一例で、他にもまだまだ再現性のある方法があると思います。是非ご自身でもリサーチしてみてください。


めちゃくちゃキツいと思う


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言うは易く行うは難し。

言葉にすると「なんか俺もできそう」と感じると思いますが、実際にやってみるとめっちゃしんどいです。

そんなしんどい道のりですが、音楽で食いたいというグツグツとした野心、音楽を通して人の役に立ちたいという他者貢献のマインドがあればきっと可能性はあるはずです。

音楽で食えてる人って、血の滲むような努力を何食わぬ顔でやっている人が多いように思います。

その背景には、やっぱり音楽への情熱がありますよね。ミュージシャンって最高です。


もう一つのクリア方法


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音楽で食うというゲームにおいて、見落としがちな攻略法が一つあります。

それが、支出を下げるということ。

あまりにシンプルで「なんだ、そんなことか」と思うかもしれませんが、支出カットを侮ってはいけません。

音楽で食うというゲームの勝利条件をおさらいしてみましょう。

毎月の必要な支出を音楽で得る収入が上回れば勝ち

でしたよね。ってことは、支出を減らしたら・・・?

生活に必要な支出が1万円なら、必要な音楽収入は1万円になります。

さすがに極論かもしれませんが、ものすごく大切な考え方です。

現にTwitterで知り合った方に、高知の山奥の古民家に住んで、生活コストを下げて音楽で暮らしている方がいました。

このように、音楽でミニマムに食うという発想も大切です。

質問者さんの場合月20万〜25万が生活に最低限必要な金額とのことでしたが、もう少し安くすることはできないでしょうか?

家賃の見直し、車に関する費用、スマホキャリアの変更、友達に勧められた貯蓄型生命保険、外食頻度を減らす、浪費癖をなくす、、、削れる支出はいくらでもあると思います。

攻撃も大事ですが、防御も大事ですよね!

実際に僕も音楽で食えた要因として、今の妻と同棲をはじめて家賃を折半してもらったことが大きいんです。音楽で食えるきっかけは案外そんなもんだったりします。笑


発信で大切なこと


レッスン風景

1.ソエジマさんが音楽の情報を発信される中で、重要視されていること

めぐりめぐっちゃいましたが、最初の質問に答えて締めくくろうと思います!

僕が情報発信で重要視していることは、音楽を通して人の役に立つことを根底において、自分自身がギターと音楽を楽しみ尽くすということです。

もうちょい具体的なところでは、Neo-Soulやセッションを自由に楽しめるようになる人を増やすというテーマに基づいて、一貫した発信を継続して行うことを意識しています。

さらに掘り下げていくと、毎日安定した作業時間を確保するために朝6時に起きてお昼まで作業をするようにしています。笑


さいごに


「音楽で食う」ということの言語化を試みた今回の記事、いかがでしたでしょうか。もし感想などありましたらSNSで共有いただけると嬉しいです。

ビジネスという言葉に嫌悪感をいただいてしまう音楽家の方も少なからずいると思いますが、良質な音楽を長期にわたって発信していくためには、お金を生み出すビジネスの仕組みが必要です。

ビジネスで稼いだお金を音楽に再投資して、もっといい音楽を作っていきたいですね。現代においての音楽家のパトロンは、ビジネスマインドを持ったもう一人の自分です。

僕もギタリスト兼経営者としてもっともっと上を目指して頑張っていきます。まだまだひよっこです。。。一緒に頑張りましょう!

最後になりますが、こういったテーマで交流するオフ会を「音楽とビジネスの話をしよう」と題して開催しています。

コロナもあってここ1年は開催していませんが、近々またやりたいと思っています。

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最後まで読んでいただき本当にありがとうございました。

ソエジマ

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