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#2 高配当株銘柄紹介「ENEOS」

高配当銘柄を紹介するSECTIONになります.先日レンタカーで草津温泉に行きました.その際に,最も多く見かけたガソリンスタンドがENEOSでした.車やバイクに乗る方にとってはお馴染みの企業ではないでしょうか.そんなENEOSについて紹介したいと思います.

株価推移/株価指標概要

Yahoo financeより引用
バフェットコードより引用

 時価総額は1兆円を超える大企業であり,配当利回りは4.7%の高配当株です.株価は2018年の最高値を超えられていませんが,概ね400-600円/株のレンジで推移しています.現在株価は471円なので,1coinから投資ができますね.

ENEOCEってどんな企業?

 ENEOSは石油・石炭製品という業種に分類されます.この業種は名前の通り,油田を開発して生産した原油を製油所で精製し,ガソリンなどの石油製品を作り,販売を行うことが主な事業です.石油・石炭製品は,生活に欠かさせない反面,二酸化炭素を大量に産生します.そのため,エネルギーの安定供給と環境貢献の両立ことがこの業種の大きな課題となっています.

■既存事業の強み

ENEOS HPより

 ENEOSは石油関連事業において,国内燃料油(ガソリンとか)の販売シェアNo.1企業です.石油・石炭製品の上場企業は8社なので,他の7社の販売合計と同じだけENEOSは石油を販売していることになります.SMAPでいうキムタク,モー娘。初期の安倍なつみ,元祖NEWSの山Pくらいのインパクトがありそうですね.このように,既存の石油関連事業(石油を開発・精製して売る)ことについては文句なしに強い企業です.

■脱炭素,環境貢献に対する事業展開

2040年JXTGグループ長期ビジョンより引用

 世界は脱炭素化の流れです.この流れは石油・石炭製品業種にとっては向かい風ですが,ENEOSは油田や石炭の開発事業から撤退し,事業の縮小を決定しています.その代わり,再生可能エネルギー発電事業者の大手であるジャパン・リニューアブル・エナジー(JRE)の買収やNECからの電気自動車(EV)充電サービス事業の承継を発表しています.つまり,古い時代の事業は捨てて,新時代に適応できる事業に移り変わる動きを見せています.

結論,基盤となっている事業(エネルギーの安定供給)は最適化を図れるよう縮小し,成長事業(環境貢献の両立)を伸ばすことで,これまで以上の業績拡大を図ろうとしている企業と言えます.

ENEOSの業績

 ENEOSの業績は資源価格に依存しています.そのため,2015~2016年に原油価格が低迷した際や,2020年の新型コロナ問題で原油需要が急減したときは,営業収益を低下させています.
 営業利益率も同様に変動が大きく,5%を超えた年がありません.日本株の平均的な営業利益率が8%と考えると,薄利な商売です.この業種は他社の商品に対して差別化ができません(隣のガソスタより燃費がいいガソリンを売る とか).そのため,価格がすべてになります.結果,「安いガソリンが正義」となり,価格競争が生じることで,利益率が低下してしまうのです.
 さらに,景気が悪いと旅行や外出を控える傾向が生じるので,ガソリンの売り上げは低下します.景気次第で業績も変化する景気敏感株です.日本は岸田総理の増税におびえる人も多いので,貯金するために旅行を控えるみたいな人が増えてくると,もれなくENEOSは業績を低下させます.
 結論,ENEOSは業績が不安定な企業であり,投資家にとってはマイナスポイントです.

ENEOSの財務

 結論,石油・石炭製品セクターの中では健全です.
 純資産推移は増加しており,自己資本比率は30%前後と悪くない数字です(この業種の平均も同程度).自己資本比率は40%あれば倒産しないと言われていますので,気持ち的にはもうしょい欲しいところではありますが,薄利なビジネスなので,レバレッジを聞かせて利益を上げる必要があります.
 流動比率は130%ですので,短期的な資金繰りも問題ありません.

流動比率とは、流動資産(1年以内に現金化が予定される資産)の流動負債(1 年以内に支払いを要する負債)に対する割合を言い、企業の短期的な債務の支払 能力を見る尺度です。

法人企業統計調査からみる日本企業の特徴

 ただし,一般的な業種と比較すると健全とは言えません.ただ,業績が不安定で赤字も計上している中で,純資産を増加させている企業ですので,「貯める力」は高そうですよね.

ENEOSの株主還元

 結論,株主還元姿勢はすばらしい!!と評価しています
 ご覧のように,一株配当は減配なく,増益した際には増配も実施し,赤字の年でも減配を行っていません.前述しましたが,この会社は業績が安定しません.場合によっては利益が出ない年もあります.それなのに,減配せずに毎年配当金を出す姿勢は株主を大事にしようという意気込みが感じられます.

買い時について考察

現在の株価が471円,これが安いのか高いのか考えていきます.

■配当利回りの推移で考える

マネックス証券 銘柄スカウター

 上記グラフは配当利回り(青線)と株価(赤線)の過去5年推移を表したものです.基本的に株価が上がると利回りは低下しますが,株価が高くても配当金が上昇すれば利回りは上がります.ですので,株価推移だけを見ても安いかどうかわからないので,配当利回りの推移をみる必要があります.

 ご覧のように,配当利回りは6.87-2.22%のレンジを推移し,平均は4.49%です.現在の利回りは4.7%くらいですから,過去平均と比較すると現在の利回りは高いので,安く買えると考えられます.配当利回りの5年平均値を用いた買い推奨価格は以下の通り.

配当利回りから考える買い推奨価格
22円(1株配当)/0.0449(配当利回り5年平均)=489円

■PER(業績に対して株価は安いか?)で考える

 業績が安定しない(なんなら赤字もあるので)ので,あんまり参考にならないかもしれませんが,PERの5年平均は10.8です.現在のPERは10.5なので,業績に対して株価はやや過小評価されていると言えます.PERの5年平均値を用いた買い推奨価格は以下の通り.

PERから考える買い推奨価格
45円(予想1株利益)✖10.8(PER5年平均)=486円

PER的には486円以下なら購入を推奨できそうです

■PBR(財務に対して株価は安いか?)で考える

 PBRが1倍だと,「企業の時価総額=企業の資産」になるので,1倍を下回ってる時点で過小評価されていると言えます.また,過去平均は0.63倍であり,現在は0.51と過去平均と比較しても低いです.
 PBRの計算係数は株価と純資産です.ENEOSは純資産が増加している企業ですので,このまま株価が低下すると,さらにPBRが低下していきます.それはあまり考えづらそうです.株価が上昇し,PBRは現状付近をうようよする,もしくは上昇するというシナリオを私は予想しています.PERの5年平均値を用いた買い推奨価格は以下の通り.

PBRから考える買い推奨価格
931.4円(1株純資産)✖0.63(PBR5年平均)=586.7円

まっつんはここで買う!

 考察で買い時についてわかりましたので,ここからはまっつんが具体的にどの段階で買うのか,3つのフェーズに分けて説明したいと思います.

★☆☆ 購入検討 486円 (要チェック)
 PERを用いた計算式が最も厳しい数値を示しましたが,それでも現在価格よりは高いです[486円(PER計算)>471円(現在価格)].
 ENEOSのようなビジネスの基盤が強固な企業の株価は短期的な上下を繰り返しながらも平均回帰すると考えています.配当利回り・PER・PBRのどれも現在株価より高いので,最も厳しい数値であったPERから算出した486円以下であれば,短期的には含み損になったとしても,長期的には超えてくる株価だと思います.

★★☆ 買いたい 450円 (1株単位で買い増しすると思う)

TRADING VIEWより

 こちらはENEOSの日足チャートです.ENEOSは今年に入ってから480円台~450円付近でボックス相場を形成しています.ENEOSの企業業績に何ら問題がなくても,経済指標の内容次第で450円くらいまで下がる可能性は高いです.現在の株価から5%低下すれば到達しますし,450円で購入すれば配当利回りは4.88%になります.
 ちなみに,まっつんの平均取得単価は453円ですので,概ねこの金額で買い増ししております.参考までに.

★★★ 是非買いたい! 420円 (数年に1度の買い場!)

 先ほどのチャートを日足から月足に変更してみると,2017-2019の期間で大きく上振れしていますが,それ以外の期間では550~420円付近でボックスを形成しています.この範囲を下振れした場合,数年に1度の買い場と判断できるでしょう.○○ショックのようなときは420円付近まで低下することが予測されます.420円を下回ることがあれば,大きく買い増すと思います.

まとめ

今回はENEOSをご紹介しました!特徴を纏めます!

  • 配当利回り4.5%強の高配当企業

  • 石油関連事業を既存事業とし,新時代にも適応できる成長戦略を展開している(石油の需要減と共に衰退する企業ではなさそう)

  • 業績は不安定で薄利

  • 財務はまぁまぁ,ただ同業種では良い

  • 株主還元は頑張っている

  • 比較的今は安値,購入を検討してもよい

  • 買うなら450円まで待ちたい,420円まで下がるなら数年に1度の買い場

以上です!読んでくれてありがとうございました!

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