中東ポップスの歌姫、Balqeesのアルバム"Arahenkom"冒頭2曲の不思議な変更

昨年のサッカーW杯開催時、Apple Musicで各国代表のプレイリストを聴いて以来、中東ポップス(ハリージ)をたまに聴くようになりました。

そんな中東ポップスの中でも特に好きなBalqeesのアルバム「Arahenkom」の冒頭にいつの間にか2曲足されていました(あるいは曲順変更があった)。

「Arahenkom」はもともとアルバムタイトル曲の「Arahenkom」が1曲目。しかし、最近Apple Musicを見たら、従来の1曲目の前に2つ、オーソドックスな中東ポップスっぽい曲(おそらくこちらで言エバド演歌っぽい曲)が並んでいました。

変化があったことに気づいたのはつい最近で、いつから変わったのかはまだリサーチできていません。

Balqeesは昨年僕が聴き始めた段階ではアラビア語表記しかありませんでした。アラビア語を解さない僕はしばらくの間検索すらできず、指をくわえてApple Musicを聴くしかない時期があったのです。

しかし、ある時期からアラビア文字表記にカッコ付きでBalqeesと表記してくれるようになり、さらにはApple Musicの僕のプレイリストではアラビア語表記が消え、ローマ字表記だけになりました。

しかし、Apple Musicで改めて「Balqees」と検索してみると、ローマ字のBalqeesとアラビア語表記の二つが混在し、以下のように棲み分けられているらしいことがわかりました。

・2017年に発表された「Aarahenkom」はBalqees名義。

・それ以前のアルバムはアラビア語表記。

・シングル・EPは両者に混在。

Balqees自身、女性運動に積極的に参加しているらしい様子がYouTube等で確認できること、「Arahenkom」のジャケットはマドンナへのリスペクトであるらしいことなどから、何か圧力があったのかなと勘ぐりたくもなりますが、正確なところはわかりません。詳しい方にぜひ詳細を教えていただきたい……(アラビア語表記だけだったところにアルファベット表記を新たに作るということは、中東以外にも音楽を届けようという意図なのかもしれません。そうだといいな)

それはともかく、Balqeesの歌う曲のバックトラックは中東的なグルーヴが強烈で、アンサンブルも非常に緻密。高いレベルで現代的な感覚と中東の伝統音楽を融合させておりとても魅力的です。

曲の構成も独特で、インドポップスみたいなわかりやすい感じでもない、かといって複雑という感じでもない不思議なリフレインがあります。そういった部分で、明らかに日本とは違う文化圏の音楽とい感じさせながら、高いレベルで意欲的な作品を作っていることは一聴してわかります。機会があればぜひYouTubeやストリーミングでぜひ聴いてみてください。

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