グルメな夫、ご飯は自分で炊く
グルメな夫にとって、おいしいご飯でないご飯はご飯ではない。おにぎりは「グルメのおいしいご飯」の範疇に入っていないらしく、外出先でしか食べない。私がおにぎりを作っていると、どこかに出かけると思うらしいが、おにぎりが大好きな私は、家にいてもご飯をおにぎりにして食べると至福を感じる。
グルメな夫は仕事から帰ってご飯を食べることはまれである。たまたまいつもより早く帰宅してご飯を食べるというのでパックの玄米ご飯をチンしようとすると、それはいらないという。なんと、世間様で売っている出来合いのご飯さえも、「グルメのおいしいご飯」の範疇に入っていなかった。そして自分でご飯を炊くという。いわく、
「自分で炊いたご飯の方がおいしい。」
なんという自信!これこそグルメの真骨頂だろう。夫は白米、玄米、雑穀をブレンドし、それに合わせて水加減をしてご飯を炊く。30分おいた後、愛用の電子レンジ専用炊飯器で14分。グルメな夫のおいしいご飯が出来上がった。
グルメな夫はインドネシアでもこんなご飯を炊いていたわけではない。お米も違う上に、\/インドネシアのご飯は「湯取り方式」で炊く。たくさんの水でご飯を炊き、途中で水分を捨て、それから蒸し上げる。今でこそインドネシアでも日本製の電気炊飯器が人気だが、グルメな夫は日本に来てから電気炊飯器を使い始めた。おいしいご飯を炊くためにずいぶん試行錯誤したことだろう。そして、数年前に電子レンジで炊くご飯にいきついた。グルメな夫のおいしいご飯は何十年もの経験の集大成である。
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