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グルメな夫にかわって魚を解凍する

富山県は刺身王国である。富山湾からとってきた「朝取り天然物」の刺身がスーパーに並んでいる。有名な氷見のブリに代表されるキトキトの(富山弁で「新鮮な」)刺身の思い出が、いつもわたしの心の中で「たべたいでしょ?」と私にささやきかける。鱈の刺身なら子付け(たらこをカラカラになるまで甘辛く煮つけたものを鱈の刺身にまぶしたもの)、ザス(富山弁で「キハダマグロ」)なら昆布締めだ。
「昆布締め・・・食べたい!」
しかし、滋賀県で暮らしていると、ザス(キハダマグロ)の昆布締めが店頭で売られていることはなく、自分で昆布締めをつくることになる。昆布締め用の昆布は薄い羅臼昆布だが、滋賀県では手に入らず、富山県に帰省したときに買いだめをする。

グルメな夫がインドネシアから日本に来た時、関西のスーパーに並ぶ刺身を食べさせず、富山県のキトキトの(新鮮な)刺身を最初に食べさせた。グルメな夫が刺身が好物なのはそのおかげである。今やグルメな夫は刺身を昆布締めにしなくても食べるし、冷凍の刺身を買ったりする。
しかし、私はずっと昆布締め派である。


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