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グルメな夫、富山の鯛のかまぼこを食す

富山県はかまぼこ王国である。かまぼこ屋がたくさんある。私の同級生にかまぼこ屋の子が3人もいたのだから、いかにたくさんかまぼこ屋があるかということである。富山かまぼこで有名なのは昆布巻きや紅巻きだが、私の故郷の町では緑巻きもある。これらの巻きかまぼこや平らな焼きかまぼこは普段のかまぼこである。お祭りや祝い事があると、細工かまぼこが引き出物にされる。鯛、富士山、鶴、亀などをかたどったものや、寿の文字や菊花などをあしらった大きな板かまぼこは、芸術品である。ネットで検索すると結婚式で巨大な鯛のかまぼこを新郎新婦がカットしようとしている写真があった。そう、そう、ウエディングケーキより鯛のかまぼこの方が富山の結婚式にはふさわしい。

昔は結構大きな引き出物のかまぼこをもらって、数日間はかまぼこを食べ続けることになったものである。数日後には残ったかまぼこを煮て、母はよくそこに溶き卵を入れていた。

今では細工かまぼこは真空パックに入れて普段から売られている。3月末に帰省すると、スーパーの魚売り場には最も人気の鯛のかまぼこが並んでいた。それを見て、富山県に帰って来たなあ、という気持ちになった。私は、グルメなダンナサマの定年祝いに数百円の鯛のかまぼこを1つ買い求めた。

差し渡しが20㎝くらいもあればダンナサマが驚くだろうと思っていたが、ダンナサマにはまだまだチビスケだったらしく、「もっとおおきなのはあるの?」ときいてきた。でも、細工かまぼこというものを面白がってくれた。細工かまぼこの通信販売のサイトを見たら、ウン万円のものがあった。さすがにそれは2人では食べきれないだろう。

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