母の言葉

母から突然
もう、たくさんしてもらったから。
満足したから。
感謝も、しているから。
お達者でな。
と言われた。

なんで？と私が苦笑したら
はなれて暮らしているから
いつが最期になるかは
お互いに分からんから、と。

東京へ戻る直前
母にそんなことを言われたもんだから
帰りの電車は
涙と鼻水でぐちゃぐちゃ。
マスクに助けられた。

分かってるよ、はなれているから
何かあったら間に合うか分からないし。
でも、愛しているよ。
尊敬もしているよ。

もっと
もっと喜ばせることをしたいからさ
元気でいて。

それだけが願い。

写真は、電車で、
むかいに座っていたおばあちゃんが
夕暮れを眺めている横顔が
あまりにきれいで、かわいらしくて。
盗撮してごめんね、おばあちゃん。